歯に白い点があったら、“初期虫歯”です
歯を見たときに、白い点のようなものがありませんか？もしあったら、それは貴方の歯が“初期虫歯”の状態にあると言えます。「虫歯！？じゃあさっそく歯医者に行かねば…！」と焦るかもしれませんが、ちょっとお待ちを。虫歯は虫歯でも、初期虫歯であれば、歯医者で削ったり詰め物をしたりしなくても、歯を再生させられる可能性があるのです！
そもそも初期虫歯とは、どういう状態のことを指すのでしょうか？まずは、歯の構造から見ていきましょう。
上記の図を見ると分かるとおり、歯はいくつもの組織から構成されています。
いちばん上層の白い部分のことをエナメル質といいます。私たちの目に見えている部分のことですね。このエナメル質が溶けると、冒頭でお話した白い点ができてしまいます。この状態のことを“初期虫歯”というのです。
分かりやすくまとめると、虫歯がエナメル質まで進行した状態が、初期虫歯ということ。
初期虫歯のことを、歯科用語では「C1」といいます。よく歯医者さんが、診察中に「Cの○○」と話しているのを耳にしますよね。あれは虫歯の進行状態のことを表しているのです。なおこの段階では、まだ痛みを感じません。
- C1…エナメル質まで進行
- C2…象牙質まで進行
- C3…歯髄（神経）まで進行
- C4…歯冠が砕け歯根だけ残っている状態
象牙質まで進行すると、自己再生は不可能！
エナメル質が溶けてしまう原因は、口の中にいる無数の菌。
菌は歯の表面に付着している歯垢つまりプラークなどに多く存在しています。糖分を多く含んだものを食べると、菌は積極的に酸を放出します。この酸により、エナメル質が溶かされてしまうのです（溶けることを脱灰といいます）。
しかし、ずっと脱灰したままというわけではありません。唾液中のミネラルやカルシウムといった成分が、溶けた部分を修復して歯を再石灰化してくれます。つまり歯医者で治療をしなくても、自然な再生が可能というわけです。
ただし、ここで知っておいて欲しいことが。
それは、再石灰化のスピードは決して速くないということ。脱灰のスピードの方が勝ってしまう場合が多々あります。原因は、甘い物を頻繁に食べる、さらに歯をきちんと磨かない…といった悪習慣。これは常に口内の菌にエサを与えているようなもの。菌の酸の放出に拍車をかけているのです。
脱灰スピードのほうが速いと、どんどん虫歯が進行してしまい、やがては象牙質にまで達してしまいます。すると痛みを感じるばかりでなく、もう自力での再生は不可能。歯医者で辛い治療を受けるハメになりますので、初期虫歯の段階で手を打つことが肝心なのです。
初期虫歯の段階で、進行を食い止めよう
初期虫歯の段階で進行をストップさせるためには、以下のような方法があります。ぜひ毎日の習慣にしてください。
- 方法その1：フッ素入り歯磨き粉で歯を磨く
フッ素には再石灰化を促進する効果があるためです。 - 方法その2：ガム（キシリトールなど）を噛む
再石灰化に役立つ唾液の分泌量を増やすことができます。 - 方法その3：隅々まで丁寧に歯を磨く
これは言うまでもありませんね。甘い物を食べた後は特に念入りに！