子供の将来を支える為の学資保険の選び方
異論反論はあるでしょうが、子供が立派な大人に成長するためには教育の存在が不可欠です。
字の読み書きに始まり、道徳観念、他者への思いやり、挨拶などの礼儀作法、数学的な論理的思考など、社会生活を営む為に必要なものは教育なくしては身に付けることが難しいものばかりです。
自分の子供が人から後ろ指を指されるような人物でなく、人から背中を羨望のまなざしで見つめられるようなひとかどの人物に育って欲しいと思うならば、教育への出費を惜しんではいけないのです。
しかし、幼稚園から大学までを国公立で通すと1000万円、私立だと倍の2000万円と言うように、一人の子供への教育にはとてもお金が掛かってしまうものです。
子供のための教育費を賄うためには、貯蓄と学資保険が有効になるのです。
学資保険とはどのような物か
学資保険は、親が子供の教育費用の為の積み立てを行なうと同時に、親や子供が万が一に命に関わる事態になってしまった時に役立てられる保険です。
学資保険では被保険者となる子供が0歳~22歳までの間に加入・積み立てすることが出来ます。ただし、学資保険の保険料を払う契約者となる親の年齢によっては契約が出来ない場合があります。
学資保険は15歳・18歳・22歳の中学・高校・大学の卒業にあわせて一時金または満期保険金が支払われます。つまり、15歳・18歳・22歳のどれかを満期に設定することができます。
また、契約者である親が死亡した場合は以後の保険料の支払いは免除され、一時金及び満期保険金も契約者健在と同じように支払われます。または満期までの間、毎年一定額の育英年金の支払いが受けられる学資保険もあります。
被保険者である子供が死亡した場合は、今まで払い込んだ保険料は全額払い戻しになります。
また、特約次第では生命保険のように入院一時金や入院・手術保険金の支払いが受けられるため、子供が成人するまでの生命保険としても利用できるのが強みです。
学資保険のデメリット
子供が居る家庭にとって、学資保険は心強い味方のように思われるかと思います。
しかし、良い事尽くめに見える学資保険にもデメリットがあります。その一つが「元本割れ」です。
元本割れとは利用者が投資した金額に対して払いだされる金額が少ないということ。多くの保険には元本割れにならないようする元本保証が付いていますが、学資保険には元本保証が付いてないことの方が多いのです。
第二のデメリットは「一時金・満期保険金の額が決まっているためインフレに弱い」ということです。物価が上がるインフレは学校の入学金や学費にも影響を及ぼします。
例えば、子供が3歳の時に満期で300万円貰える学資保険に加入し大学入学直前の18歳を満期に設定し、大学入学に掛かる費用は前期35万円の学費と100万円の入学金とします。
しかし、インフレによって大学入学費用が当初の倍になってしまったらどうなるでしょうか?
インフレにならなかった場合300-(100+35)=165万円、インフレになった場合は300-(100+35)×2=300-270=30万円と、135万円の差が出ます。
これは大雑把な計算ですが、満期保険金を当て込んで新生活の準備をしようと考えていた家庭にとっては損になってしまう可能性があるのです。
定期預金と学資保険はどちらがお得か?
決して少なくない子供の学費を積み立てる為に学資保険を利用する家庭も少なくありませんが、元本割れで怪我や病気で保険金が払われないと「元が取れない」ともいえます。
そのため、銀行の積立型定期預金を利用して学費を積み立てる家庭も増えています。
では学資保険に加入するのと、定期預金を利用するのとではどちらが子供の学費を積み立てるのにお得なのでしょうか。
この問いの答えは「どちらともいえない」ということになります。なぜならば保険と貯蓄は比較するものではないからです。
学資保険は生命保険としても機能する性質があるため、万が一の場合で親が不慮の事故で亡くなってしまっても最大で大学卒業までの学費を賄うことが出来ます。
積立型定期預金は、毎年毎月一定額を振り込んで積み立てることが前提になるので親の身の万が一の事態が起こった場合、途中で破綻してしまう可能性が大きいのです。
つまり、学資保険に貯蓄の積み立てを求めるのも、定期預金に学資保険の利便性を求めるのも筋違いのことなのです。