六花亭が富良野に進出
眼の前に大雪山を望むブドウ畑の斜面に、「カンバーナ六花亭」がある。
広大な2万4000坪の畑に囲まれた、赤い屋根が印象的な建物は、店舗と喫茶室になっている。
map ⇒ カンバーナ六花亭
富良野産食材でスイーツ
「カンパーナ六花亭」の特徴は、なんといっても富良野産の農作物を使った菓子作りにある。
例えば、「ふらの餅」は富良野産赤えんどう、「ぶどうソフト」は富良野産ぶどう果汁、「富良野あんころ」富良野産青えんどう、など。
また、四季に応じて季節のオリジナルスイーツも提供している。六花亭本店とは異なるラインアップを揃えていることが魅力だといえる。
雄大な山並みを望みながらこだわりのスイーツ
店内はガラス張りで十勝岳連峰を望むことができ、店内は至るところに木材が使われ、ログハウステイストのインテリアになっている。
2010年4月にオープンしてまたたく間に口コミで人気になり、今やラベンダーの時期は大型バスも乗り付け、店内が混み合うほど。
帯広のジンギスカンの名店「白樺」も併設され、柔らかいラム肉を味わえる。帯広の本店も郊外にありながら、土日は常に行列ができる人気店だ。
深く青い光が神秘的
美瑛町に向かい、白金温泉に20キロ近く車で走ったところにある「青い池」も最近急上昇の人気スポットだ。
map ⇒ 青い池
森林に囲まれた水面がコバルトブルーに輝く青い池。水没して立ち枯れた木々がのぞき、森、枯れ木、水面のコントラストは神秘的な雰囲気が漂う。
周辺には他に何もないが、池を見るだけのために多くの人が集まる。
不思議な青さが特徴
特に快晴時には青色の深さが一段とさえて、美しさが際立つ。
もともと1988年の十勝岳噴火の際、火山泥流を防ぐために美瑛川に作られた堰堤に溜まった水溜りの一つ。
湧水に含まれる水酸化アルミニウムなど、主に白色系の微粒子が含まれる。太陽光が水中に差し込むと、これらの微粒子に衝突し青色の透過光と加わって、美しい青色になると言われている。
穴場は山部地区
アイヌ語でヤム・ペ(冷たい水)に由来したと、される名前の山部(やまべ)地区は、富良野の南部にある。
もともと山部町だったが、1966年に富良野市に併合された。
富良野から北の美瑛町に抜ける中富良野、上富良野地区に多くの観光スポットが集中する中、最近、南の山部地区が富良野観光の穴場になっていることをご存じだろうか?
アルプスを思わせる駅舎
富良野市街地から国道を帯広方面へ車で15km走ると山部地区に入る。
国道の右手、奥まった場所にJR根室本線の無人駅、「山部駅」がある。
小さい駅舎ながら、白い壁に木枠がおしゃれだ。駅舎の後方には芦別岳連峰がそびえ、雰囲気はまるでヨーロッパ・アルプスの高原鉄道の駅そのもの。
そばにはレンガ積みの古い倉庫もあってさらに盛り上げる。
駅舎は1988年に改装され、1994年に無人化された。今では上り下りで1日15本ぐらいしか列車が通らない。
地元のNPO法人でもこの瀟洒な駅舎の利用を考えており、近い内に人気スポットになる可能性がある。今から注目しておいた方が良い。
まるで外国の風景!?
山部駅から芦別岳の登山口に向かうと「太陽の里キャンプ場」がある。このキャンプ場、フリーサイトしかないが無料だ。
特に初夏には、新緑の森林の向こうに雪を頂く芦別岳がそびえ、空の青と緑、雪の白のコントラストは思わず見とれてしまう美しさだ。
まさに、アルプスやカナダの景色と見まごうばかり。札幌の旅行社のツアーガイドですら、写真を見てそれが北海道の風景とは信じられなかったほどだ。
map ⇒ 太陽の里キャンプ場
最大1000人を収容できる芝生の敷地は常に整備されている。
キャンプ場の横には、芦別岳から流れるユーフレ川が流れ、渓流釣りが楽しめる。
素朴なキャンプ場だが、何より自然そのものを味わえるとっておきの場所なのだ。
豊かな水が豊かな作物を育てる
芦別岳山麓に広がる山部地区は、ユーフレ川や地下水など水資源が豊富だ。
古い地層を通ってくる湧水、地下水はミネラル分を多く含むため、作物の生育に適している。
これらの水は冷たすぎるため、山麓の高台に水を貯める設備ができており、いったん温度を温めることができる。そこから各農家へ配水される。
山部地区を通る国道沿いや、ちょっと入った農園で山部ブランドを購入することができるので立ち寄ってみて欲しい。
進化する富良野
ほかにも、富良野駅近くの「ふらのマルシェ」は富良野最大の農産物直売所で、2009年に誕生した。
直売所の他に地元食材を使ったスイーツエリア、物産センターやテイクアウトショップなど4つのゾーンに分かれており、こちらも観光客の人気エリアになっている。