花見を年2回楽しむには?静内二十間道路や北海道の桜スポットを紹介|トピックスファロー

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2015年6月12日
花見を年2回楽しむには?静内二十間道路や北海道の桜スポットを紹介

北海道に桜前線が上陸するのはGWになってから。本州ではすでに終わった「お花見」も北海道に行けば、もう一度楽しめる。静内二十間道路は幅36m、直線7kmに約3000本と日本一の桜並木と壮大なスケールに圧倒される。他に松前や函館・五稜郭、札幌・円山公園もある。

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静内二十間道路は日本一の桜並木

1年のうちで桜が見られるのは、ソメイヨシノで約2週間と言われている。ヤマザクラなど、他のサクラと一緒にしても、サクラが咲く時期は1年で約1ヵ月ほどしか楽しめない。 桜の道路

そんな短い期間しかないのに、我々日本人は「花見」と聞くだけで、気分がソワソワしてしまい、サクラ散る花吹雪に哀愁を感じる。

実は北海道に行けば、さらにもう1ヶ月サクラを楽しめるのだ。北海道では、サクラの満開はGWから始まり、桜前線は6月まで北海道に留まる。

並木は幅36m直線7km

北海道・日高地方の静内には、日本最大級のサクラ並木がある。

静内二十間道路」は、道路幅36m、直線にして7kmに及ぶ道筋に、約3000本のサクラが植えられている。GW中盤から後半に一斉に満開を迎える。実に壮観な景色だ。

静内のサクラは、山に自生しているエゾヤマザクラを植えたものだ。エゾヤマザクラは、本州のソメイヨシノに比べ、花弁のピンク色が濃い。満開時には新緑の葉も同時に開く。

ソメイヨシノが「はかなさ」なら、エゾヤマザクラは野趣あふれる「力強さ」。実際に寒さに強く、寿命が長い野生種が並ぶ様は、壮観なエネルギーを感じさせる。

map ⇒ 静内二十間道路

かつては皇室の行啓道路だった

二十間道路は、現在「家畜改良センター新冠牧場」敷地にある。

ここは、かつて皇室の牧場である「御料牧場」だった。

1872年に、北海道開拓次官だった黒田清隆(後の北海道開拓史長官)が野生馬改良のために、この地に牧場を開いたのが始まり。1889年に宮内庁直轄の「新冠御料牧場」となった。

その14年後の1903年に、皇室が牧場を訪れるための行啓道路として整備されたのが、二十間道路となった。当時の職員が1916年頃から、山に自生するエゾヤマザクラを移植し始め、桜並木となったのは3年後になる。

以来、100年の歴史が育てたのが、今の桜並木だ。「二十間」は尺貫法で約36m、その道幅から「静内二十間道路」と呼ばれるようになり、その敷地内には、御料牧場時代に作られた貴賓宿舎「龍雲閣」がある。実際に、大正天皇と昭和天皇が皇太子時代に宿泊した。

建物内部には、伊藤博文の絶筆と言われる「七言絶句の書」、狩野探幽作と言われる屏風「牛馬の図」や、貴重な馬具、食器などが保管されている。これらの美術品は、しずない桜まつり(毎年5月上旬)の期間中だけ公開される。

松前公園

周囲の牧場はベビーラッシュ

静内は日本有数の場産地の一つ。周囲には他の牧場も多い。サクラ開花の時期は、仔馬の出産時期と重なる。サクラ舞う中、母馬と仔馬が牧場で駆け回る。ほのぼのとした風景に遭遇できるのも、静内の花見ならではだ。

歴史の舞台、松前、五稜郭も桜に包まれる

松前の1万本の桜は1ヶ月楽しめる

北海道で一番早くサクラが開花するのは、道南の松前だ。4月下旬、ちょうどGWの始まるあたりに見頃になる。松前公園は約250種のサクラ、それも早咲き、遅咲きも含め、1万本以上もある。そのため、5月下旬まで約1ヶ月も次から次に開花するサクラを楽しめる。

松前は、江戸時代に昆布、ニシンなどの交易で栄えた歴史の町。大阪から北前船が到着する時期、「松前の春は江戸にもない」と言われた繁栄を誇った。松前城や、江戸時代の復元建物など、歴史とともにサクラを楽しむのも一興だ。

悲劇の五稜郭、春はピンク色の星形

明治維新、戊辰戦争の最後となった箱館戦争。その舞台となったのが、「五稜郭」だ。榎本武揚率いる、蝦夷共和国軍と新政府軍が最後に争った。

新選組副長、土方歳三最後の戦いとなったこの地は、今では約1600本のソメイヨシノが咲き誇っている。

五稜郭は上空から見ると、星形の城郭が特徴。公園内の五稜郭タワーの展望台から眺めると、星形にピンク色に型どられた悲劇の城が望める。 五稜郭

map ⇒ 五稜郭

6月上旬まで桜前線が北上する

札幌市民は円山公園

札幌市民が一番サクラを楽しむ場所が円山公園だ。隣にある北海道神宮のサクラと合わせ、札幌の花見と言えば、この場所。

さらに、北海道の特徴として、雪解けから一気に春を迎えるため、梅とサクラの開花時期が一緒になる。

円山公園は、サクラと梅の競演が楽しめる珍しい場所だ。淡いピンクのサクラと、濃いピンクの梅がまるで競うように咲き誇る。本州の花見と言えば、お重に詰めた様々な料理を楽しむ。

ところが、北海道民の花見は「ジンギスカン」。普段は火気厳禁の公園も、この時期だけは使用が許される。花見客はカセットコンロなどを持ち込み、ヘルメットのような形の独特のジンギスカン鍋を囲み、ラム、マトンをつまんで舌鼓を打つ。北海道ならではの花見文化だ。

map ⇒ 円山公園

根室・清隆寺のチシマザクラ

北海道のサクラシーズンの最後を飾るのが、北海道最東端の根室にある「清隆寺」だ。境内にある、チシマザクラは明治時代に国後島から持ち帰ったもの。一番古いもので、樹齢約150年と日本最長の樹齢を誇る。チシマザクラは、はかなく淡いピンク色。日本最後のサクラの風情があふれる。

アクセス・グルメ情報

●静内二十間道路

【交通】千歳空港から、JR日高線、JR静内駅から道南バス・農屋行きで「桜丘小学校前」下車、徒歩15分。日高自動車道日高富川ICから国道235号線を浦河町方面へ約50分。

【グルメ】日高つぶめし。日高産のツブ貝と日高産米を、日高昆布のだし汁で炊き込んだ。おかずにはホタテ、昆布巻き、トマトなど近郊の食材を使った。サクラまつり期間は、会場で販売する。

●松前公園

【交通】JR函館駅から函館本線JR木古内駅まで約50分。木古内駅からバスで約1時間30分。

【グルメ】道の駅「北前船 松前」にある松前食堂では、松前マグロ三色丼や、ウニ丼、海鮮たっぷりラーメンがある。津軽海峡の絶景も望める。

●札幌・円山公園

【交通】札幌駅から地下鉄南北線、東西線で円山公園駅まで約25分。駅から徒歩5分。

【グルメ】JR札幌駅港内の「弁菜亭」にあるのが、ジンギスカンあったか弁当。ヒモを引くと温まる容器を使い、あつあつが食べられる。花見で気軽にジンギスカンを味わうのに便利。

●根室・清隆寺

【交通】JR根室本線の根室駅から徒歩10分。

【グルメ】根室市内に5店舗ある地元コンビニの「タイエー」にあるのが、エゾシカ肉弁当。焼いてタレをからめたエゾシカのモモ肉をご飯の上に載せた。高タンパクで低脂肪、鉄分たっぷりのヘルシー弁当。

著者:メイフライ

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スポーツ関連や、バイオマス、太陽光などのエネルギー関連で取材、ベンチャー企業の企画室での職務経験があります。