第二の手数料・スプレッドで業者を選ぶ
FXブームの最盛期に比べれば、取引口座を提供してくれる業者の数は減少していますが、その分悪質な業者は影をひそめたと言っていいでしょう。
しかし業者が絞り込まれたその分だけ、どの業者もサービスの質は均一化されていて選びにくくなってしまったのもまた事実なのです。
FX取引業者を選ぶ目安の一つになるのが「スプレッド」なのです。
スプレッドとは何か
スプレッドとは通貨の購入金額と売却金額の差額のことで、大体の場合、市場価格に上乗せされる形で手数料として口座利用者から徴収されています。
例えば、米ドルのレートが1ドル89円00銭の時、買値が89円3銭・売値が89円00銭となり差額3銭分は業者が受け取ることになります。
最低取引通貨数は一万通貨なので、この場合10000×0.03=300円がスプレッドとして業者の利益になります。
現行の業者が設定しているスプレッドは、0.4銭とか0.6銭などの1銭を切った低額スプレッドが多くより間口を広げることになっているといえます。
スプレッドは業者ごとに設定が違うため、スプレッドの低さは業者を選ぶ一つの判断基準となります。
また、通貨ペアごとにスプレッドは異なってくるのでこちらにも注意が必要です。
スプレッド幅の狭さは最終利益を増やす
スプレッドは売値と買値の差額ですが、差額幅が狭いのと広いのとでは何が違ってくるのか。
それは最終的に入ってくる利益の額です。
例えば、10万通貨の売買を5回行ったとします。
そして一回の売買取引で発生するスプレッドが0.9銭の場合と0.5銭の場合があったとします。
- 100000×0.009×5=4500
- 100000×0.005×5=2500
このように、同じ条件でもスプレッド幅が違えば出る利益にも差が出てくるのです。。
だからこそ、スプレッド幅が狭い業者を選ぶことは重要なのです。
固定スプレッドと変動スプレッド
スプレッドには、固定制と変動制の二種類があります。
固定制は、よほどのことがない限りスプレッドは原則固定となっていて、大口の取引をする人にとっても初心者にとって安心感の高いスプレッドといえます。
変動制は、スプレッドが状況に応じて変動するため、同じ額の取引をしても徴収されるスプレッド額に差異が出て利益が一定しないことがしばしばです。
固定制と変動制であれば、スプレッドが変わらない固定制の方がお得なのですが、固定制も「原則固定」とは謳っているものの、裏を返せば「やむにやまれぬ事情でスプレッドが変わることがある」ということでもあります。口座開設前には面倒でも約款を確認して、スプレッドが変わる条件を調べておくべきでしょう。
取引所取引は手数料+スプレッド
東京金融取引所の「くりっく365」、大阪証券取引所の「大証fx」はスプレッドとは別に、一回ごとの取引の度に手数料が徴収されます。
くりっく365・大証fxは税制的に優遇されている取引所取引であるため、利用にコストがかかることはしょうがないことといえますが、ちょっと損した感じになるのが難点です。
また、取引所取引で発生するスプレッドは変動制のため、業者での店頭取引よりも手数料が大きく取られやすいのも欠点といえます。
しかし、2012年1月からのFXに対する税の一本化によって取引所取引だけにあった税制優遇のアドバンテージがなくなったことによって、取引所取引のメリットの一つが失われています。