貧血は誤解されています!
貧血とは、血液が薄くなった状態、つまり血液中のヘモグロビン濃度(赤血球の数・容積率)が基準値を下回った状態を言います。
一過性の立ちくらみ、または立ち続けたことで血圧が低下しめまいが起こる、起立性低血圧(脳貧血)や慢性の低血圧症なども貧血と呼ばれることがありますが、症状は似ていても低血圧と貧血は医学的に全くことなるものとされています。
貧血はどうして女性に多いの?
貧血が女性に多いわけは、月経や妊娠、母乳育児、間違ったダイエットなど鉄分不足や出血などの機会が多いためなのですが、加えて男性よりも貧血に陥るリスクが高いのです。
貧血の症状が男性にはあまり見られないのには理由があります。
鉄分やビタミンB12などが足りなくなると赤血球も少なくなり、血液の酸素運搬能力が低下してしまいます。
そうした時に腎臓では、エリスロポエチンという赤血球の減少に対処しようとする物質が分泌されますが、エリスロポエチンの働きになくてはならないのが男性ホルモンという仕組みになっています。
男性に貧血が少ないのは男性ホルモンの働きによって女性よりも格段に貧血のリスクが少ないためといえます。
貧血の症状にご用心!
低血圧と同じ症状が多く混同されやすい貧血ですが、慢性的な貧血の場合、ちょっとした症状には気づきにくくなってしまっている人も少なくはないそうです。
貧血は、胃がんや大腸がん、白血病などの病気の症状の一つとしても現れることがあります。
たかが貧血、と自己判断するのは危険です。重い症状や気になる症状は一度医師の診察を受けることをお勧めします。
こんな症状ありませんか?
貧血の症状はヘモグロビンの濃度の低下によって変わっていきます。
ヘモグロビン濃度7割以下の症状
Hb正常値の7割を下回ると顔色が悪くなったりしますが、この時点では症状に気づかない人も多いでしょう。
さらに下回ると体の低酸素を補うために心臓がドキドキと鼓動しだし、動悸があらわれます。
ヘモグロビン濃度4割以下の症状
頭痛・耳鳴り・めまい・倦怠感といった症状があらわれます。
ここにきてやっと大半が貧血を疑い始めます。
ヘモグロビン濃度3割以下の症状
吐き気・食欲の低下・免疫力の低下、立っているのも困難で日常生活に支障をきたします。
たかが貧血、されど貧血、貧血もあまり重度となると入院治療を必要とするケースもあります。
知っておきたい貧血の種類
貧血を引き起こす原因は一つではありません。
貧血は赤血球の大きさによって大きく3つの種類に分類されていて、原因によってさらに細分化されています。
小球性正色素性貧血
【鉄欠乏性貧血】などが分類される。
赤血球の材料の鉄が不足すると小さいタイプの赤血球が作られてしまい、これらの赤血球は一つ一つが運ぶ酸素量が少ないため、血液の酸素運搬能力が低下してしまいます。
そのため、臓器など体の組織が低酸素状態となって貧血の症状があらわれます。
月経や妊娠以外にもがんや胃潰瘍などの病気による慢性的な出血が原因となっていることも…。
放置せずに定期的な血液検査を行いましょう。
正球性正色素性貧血
再生不良性貧血
骨髄異常のため赤血球数が減少する貧血で先天性と入後天性に分けられます。
溶血性貧血
赤血球が破壊されることで起きる貧血の総称です。
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先天的な溶血性貧血
鎌状赤血球症・遺伝性球状赤血球症・サラセミア - 後天的な溶血性貧血
自己免疫性溶血性貧血・発作性夜間血色素尿症など
大球性正色素性貧血
巨赤芽球性貧血
葉酸欠乏性貧血、ビタミンB12欠乏貧血とも呼ばれます。
赤血球を作るのに必要な葉酸、ビタミンB12の不足で起こります。
昔は原因不明とされ「悪性貧血」ともいわれていましたが、治療方法は栄養補給となり、比較的容易です。