プラセンタは古い歴史を持つ女性を美しくする生薬だった
プラセンタといえば哺乳類の胎盤のこと。
プラセンタの成分は肝臓病、母乳分泌促進などの婦人疾患、ホルモンバランスを整える作用から更年期障害の治療目的に使用されるほか、胎盤に含まれるグロースファクター(細胞増殖因子・成長因子)は、アンチエイジングといった美容目的にも有効とされ、医薬のみならず化粧品・健康食品にも含まれ、世界中の女性に注目されている成分です。
漢方では紫荷車(しかしゃ)という名で女性を美しくする生薬として紀元前から重宝されていたということです。
プラセンタは危険なの?
化粧品や健康食品に含まれるのはヒト以外の豚や馬などの胎盤。
ヒトの胎盤は現在、医療用のみに使用されています。
医療用に使うプラセンタエキスの原料である、ヒト胎盤は様々なウイルス検査を経て、安全性が確認され本人の同意が得られた妊婦の胎盤からのみ抽出し、加熱処理して使用されています。
病原体や感染性のあるウイルスに対する検査や高温加熱処理などによる安全策などがとられているものの、加熱処理では病原性や感染性を失わない病原体や、未知の病原体の存在は否定できません。
そのため、医療用プラセンタは『特定生物由来製剤』(感染症のリスクがある製剤について指定される)の指定を受ける必要があります。
使用に当たっては、医師より正しい説明・情報を受け、十分に理解した上での使用同意書への署名捺印、最低20年間の使用者のカルテ保存に加え追跡調査が義務となっているため、事実上は市販薬の原料にヒトの胎盤を使用することは不可能です。
さらに、プラセンタ注射をしている人は献血ができないなど未知の感染を防ぐため、徹底した対策がとられています。
しかし、感染病の危険性もはらんでいる一方で、実際には現在までにプラセンタによる感染例の報告がないとのこと。
もちろん、だからといってプラセンタが100%安全という確証は得られないので、医療などでプラセンタを使用する際は、必要性とリスクを踏まえて、十分に考慮することをお勧めします。
プラセンタの由来による違いはある?
ヒト・豚・馬など動物性プラセンタもいろいろです。 それぞれの特徴を比較してみましょう。
動物性プラセンタの違い
ヒト
- 医療用のみに使用。
- 使用するには医師によるインフォームドコンセントを受け同意書への署名捺印などが必要です。
豚
- 化粧品やサプリメントなどにもっともよく使われています。
ドリンク剤・健康食品などに用いるプラセンタの多くは豚由来のもの。
牛のプラセンタが使用できなくなってから豚が主流になっていますが、ワクチンや薬剤投与の影響の少ない環境など品質管理には注意しましょう。
馬
- 近年注目されている馬プラセンタのアミノ酸の含有量は他の原料に比べ桁外れ。
- 一般的にサラブレットのプラセンタが用いられるのだそうで品質管理は徹底されていると言えます。
羊
- 羊の胎盤は人間の胎盤と組成が非常に近いため、人間の細胞となじみやすい特徴があるのだそうです。
植物性プラセンタってどう?
植物の種子になる部分が接する部分を胎座(たいざ)と呼び、英語ではプラセンタといいます。
種子に接しているところなど哺乳類の胎盤の働きと似ているところもあります。
アロエやクロレラ、大豆、トウモロコシなどの胎座から抽出した成分『植物性プラセンタ』にもアミノ酸やビタミン群、ミネラルなどの栄養が豊富に含まれていますが、動物プランセンタのようにグロースファクターは含まれておらず、動物性プラセンタと同じような細胞活性効果までは期待できないとされています。
しかし、動物性プラセンタを使用した化粧品など独特のにおいが気にならないのが植物性プラセンタのメリット。
化粧品などは日々使うものなので、においが苦手な人には使いやすさを感じることもあるそうです。
動物性プラセンタに抵抗のある人は植物性プラセンタを試してみてはいかがでしょうか?