弱酸性よりも弱アルカリ性?
人間の肌は弱酸性だからボディウォッシュや化粧品なども弱酸性が良いと思われがちですが、実は弱アルカリ性のほうが良いともされています。
それには人間の肌が弱酸性である理由が絡んできます。
人間の体液は弱アルカリ性でないと生命を維持できず、酸を皮膚から体外に放出する仕組みになっていると言われています。
体外の皮膚へ酸が排出され、酸性に傾いた皮膚表面を中和しアルカリ性に傾けてみると、アルカリ性の皮膚に再び酸が排出されます。
その結果、酸を排出する機能が高まっていき人間の皮膚と体の機能が活性化、もちもち肌へ導いてくれるのだそうです。
ソープや化粧品に関しても弱酸性の商品がく出回っていますが、これら弱酸性の化粧品が肌に悪いという訳ではなく、肌を活性化させる力は弱アルカリ性の化粧品のほうがすぐれているということなのです。
美肌の湯の正体!弱アルカリ性泉がスゴイ
温泉に関しても同じようなことが言えます。
実際に“美肌の湯”と呼ばれ親しまれている温泉のほとんどは弱アルカリ性なのだそうです。
弱アルカリ性泉の温泉に入ると、肌がぷにぷにと若返ったように感じますが、それは弱アルカリ性の温泉水が皮膚表面の一番外側の古くなった角質層を軟化させ、古い角質層が剥がれやすくして肌の新陳代謝を活性化し、“美人肌”に一役も二役も買ってくれているからだとも言えるのです。
アルカリ性の温泉は、よく“トロッとした感触のお湯”などとも表現され、その感触からか“うなぎの湯”とも呼ばれています。
たんぱく質を溶かすって危険じゃないの?
アルカリ性はたんぱく質や油などの有機物に働くため、たんぱく質や皮脂汚れはアルカリ性の石鹸でキレイに落とせます。
つまり、アルカリ性は皮脂などの蛋白質に作用し結合して溶かす性質があるのです。
アルカリ性のものと言えば、手作り石鹸の材料であり劇物として知られる“水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)”があります。
ロハス的な手作り石鹸ブームで、“苛性ソーダ”が広く知られ、“たんぱく質を溶かすアルカリ性は人体に有害”というイメージが定着した人もいますが、弱アルカリ性~アルカリ性の範囲ではそこまでの危険はありません。
弱酸性泉 | 中性泉 | 弱アルカリ性泉 |
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pH3.0~6.0未満 | pH6.0~7.5未満 | pH7.5~8.5未満 |
美肌の湯を満喫する正しい温泉の入り方
美肌の湯の効能を最大限に引き出すには“入浴の心得”を知って心身共にリラックスしての入浴が肝心だと言えます。
温泉好きならぜひ心得ておきたいところですね。
入浴の心得!
温泉に入るとスッキリとした心理効果を得られますが、体力的に相応のエネルギーを消費します。
いくら美肌の湯でも貧血や寝不足など体調がすぐれないときは無理をしてはいけません。
また、一回のお湯につかる時間は、熱めのお湯で10分程度、ぬるめのお湯で20~30分程度を目安にします。
入浴前には…
- 30分~1時間の休憩を取り、コップ1杯程度の水分を摂取してから入りましょう。
- 空腹状態での入浴は貧血を招き、食事直後は消化不良の可能性があります。
また飲酒後の入浴も事故のもととなり危険です。 - 温泉に入る前は下半身から上半身の順番で、かけ湯・かぶり湯をし、お湯に慣らします。
入浴後は…
- 温泉から出るときは肌の清潔を保ち、温泉成分によるトラブルを避ける為にしっかりとシャワーや上がり湯などで体を流します。
- 肌が温まって柔らかくなっている為タオルで肌を抑えるように水気を拭き取ります。
- コップ1杯程度の水分を補給しましょう。
- 温泉に入った後は睡眠をしっかりとり十分な休息を心がけましょう。
一つの温泉地で複数泉質の美肌効果を満喫!
湯治と言うと何かの病気への効果効能のための温泉療法をイメージしますが、美肌の湯を巡るような温泉旅行は若い女性の間でも人気があります。
一つの温泉地に複数の泉質の温泉があるところだと数泊して思う存分美肌感を味わえる為にお勧めできます。
兵庫県 有馬温泉
日本最古の温泉と言われている有馬温泉はその歴史と重厚感も楽しめる人気温泉郷。
有馬温泉には金泉(含鉄ナトリウム炎化物強縁高温泉)と2種の銀泉(炭酸泉/ラドン泉)があり、それぞれの特徴を楽しめます。
熊本県 黒川温泉
田の原川渓谷沿い温泉地でこじんまりとして、周囲の自然と調和したような落ち着いた雰囲気の旅館が並びます。
宿ごとに違う泉質など複数の泉質を楽しめる国内でも屈指の人気温泉地です。
大分県 別府八湯
別府市内には別府温泉を含む別府八湯と呼ばれる8か所の温泉郷があり、泉質の違いだけではなくそれぞれの歴史や雰囲気を楽しめます。
見どころも多い温泉地として人気があります。