応募書類が重要な理由
転職の際の応募書類といえば、「履歴書」「職務経歴書」「添え状」の3点が一般的です。
企業が求人を行う際、応募書類をもとに書類選考し、ふるいにかけて選り分けられた応募者に対して面接を行います。
いくら人柄が良く、熱意や実力があっても、書類選考で落とされてしまったら、自己アピールの場である面接までたどりつけることはできないでしょう。
書類選考で、応募者を絞る範囲は企業によって異なります。
求人条件にあっているかどうかを判断するだけの企業もあれば、採用したいと思える応募者を絞りこむ企業など、さまざま。
そんな、企業によって異なる書類選考に残るためには、多くの応募者の中でもキラリと光る魅力的な応募書類を作る必要があります。
会ってみたいと思わせる履歴書づくり
応募書類は、履歴書は手書き、職務経歴書と添え状はパソコンで作るというのが一般的です。
履歴書を手書きにする理由は、文字から応募者の性格や人柄などの情報を得るためといわれています。
自社の採用情報サイトでエントリーシートを設けていない、中小企業などに多い傾向です。
「今どき手書きなんてナンセンス」というのが最近の風潮ですが、応募書類の数少ない情報の中から、少しでも多くの情報を得ようとする、企業側の思いから生まれたものなのです。
履歴書は、詳しく書けば良いというわけではなく、どこにスポットライトを当てるかが重要です。
ここでは、履歴書へのスポットライトの当て方をご紹介します。
アピールポイントの設定
企業側の、採用選考のための判断材料となる経歴が書かれていることが重要となります。
その企業に対して、自分の経歴のどの部分をアピールするのかを明確にしておくことが必要です。
また、同じ業界からの転職と、全く異なる分野からの転職とでは、アピールのしかたが異なります。
同業種からの転職では、即戦力となる経験がアピールポイントになりますが、異業種からの転職では、希望する企業で使える経験をピックアップしておく必要があります。
履歴書の用紙選び
履歴書の用紙は、新卒者向けやパート向けなど形式によって異なります。
学歴・職歴や資格・免許スペースの大きさや、特技、志望動機、自由記入など、自分がアピールしたい内容にマッチした形式を選ぶことが大切です。
第一印象の良い履歴書
パッと見て印象が悪いものは、即、不採用と思ってよいでしょう。 企業側がはじめに目にするポイントは2つです。
手書きの文字
字がうまいかどうかではなく、きれいに書かれているか、誤字・脱字がないかが重要です。
日付については、郵送などの際は書いた日付を、持参の際は当日の日付を記載します。
また、修正液の使用はNGです。
写真の印象
誠実さや清潔感、健康的か、など良いイメージを与えるものが好ましいでしょう。
そのため、服装や髪形に注意が必要です。
読みやすい学歴・職歴
転職の場合、学歴は最終学歴で構いません。
また、職歴は職務経歴書に詳しく書いたからといって、履歴書で端折って良いというわけではありません。
職務経歴書を読んでもらえないことを想定して、履歴書を読むだけでわかるように職歴を書く必要があります。
職歴は、拾い読みしやすいように、志望する企業に関連する業務や応用できそうな業務を箇条書きにします。
また、前職の社名には基礎情報として、その会社の所在地や、業務内容、社員数などを記入しておきます。
■記入例
平成15年4月 株式会社東都物産 入社 (所在地:東京都中央区/業務内容:食料品の輸入販売/社員数:580名)
明確な志望動機
志望動機は、応募者がその企業で自分のキャリアをどう生かしたいのか、なぜその企業を志望したのか、わかるものでなければいけません。
そのため、不明瞭な表現は避けた方が良いでしょう。避けたい表現のポイントは3つです。
マニュアル言葉
「事業内容に興味を持った」
どのような事業内容に、なぜ興味を持ったのか?を明確にする必要があります。
「これまでの経験を生かして」
どのような経験を、どう生かしたいのか?を明確にする必要があります。
「人と接することが好き」
たくさんの人と接する職業の中で、なぜこの業種や企業を選んだのか?を明確にする必要があります。
漠然とした表現
「社風が合っている」
自分のどの部分が、どのような社風に合っているのか?を明確にする必要があります。
「憧れの企業だった」
憧れだけでは何の説明にもなりません。
自分がその企業で何ができ、何をしたいのか?を明確にする必要があります。
精神論
「やる気は誰にも負けない」・「一生懸命がんばる」
やる気があるのも、一生懸命がんばるのも当たり前。
意欲を証明するための根拠が必要とされます。
自由記入スペースの活用
その企業で働くことへの意欲や姿勢、企業への適性などをアピールします
どのようにして自分の「売り」を、その企業でどう生かしたいのかを、具体的に書くことが大切です。
また、自分のウィークポイントをカバーするために、このスペースを利用するという方法もあります。
職歴や年齢などの自分の弱点を明確にして、カバーしていくことは、転職の前に身につけておきたい社会人としてのスキルのひとつです。