BGM一つで経営に差が出る
ある街に隣同士並んで経営しているカフェテラスがありました。両方ともお洒落な店構えで、スタッフも品のある人達ばかり。提供商品も差はありません。しかし、圧倒的に違うのはお客の数…。
なぜここまで差がついているのでしょうか。
立地条件?近隣住民との関係?オーナーの人柄?色々と模索する事ができます。
しかし、隣同士並んでいるわけですから、立地条件や近隣トラブルという問題は当てはまりにくいでしょう。
品のあるスタッフ達もたくさんいるという事で、オーナーの人柄に問題はないでしょう。
では何が原因なのでしょうか。
この2つの店舗の差を明らかにしていたものはBGMだったのです。
一方は効果的にBGMを用いていたので、繁盛していました。もう一方は明らかに不適切なBGMを用いていたため客足も遠のいていたのです。
音楽は心・心理に影響を与えると言われています。ある音楽を聴くと『気持ちが高揚したり』『落ち着いたりする』経験は誰でもあると思います。音楽が与える人への影響が間接的に経営にも影響を与えかねないのです。
冒頭の話は、あくまでも一例ですが、
BGMは経営上大切な役割を持つ要因として考えられるといっても過言ではないでしょう。
BGMの持つ3つの効果とは
BGMとは『バックグラウンドミュージック(Back Ground Music)』のそれぞれの頭文字をとったものです。
背景で流れる音楽の事をさします。
1982年にミリマンという人がBGMについての実験をしたのですが、『曲のテンポをかえるだけで、そこにいる人の行動が変わった』という実験結果を発表しています。食物を口に入れる速さや回数、歩くスピードにまで変化が出たようです。
BGMは『人の行動に影響を与える効果』があるのです。
その他にも、店のテーマソングや宣伝するBGMを流す事でうまれる『購入意欲を高める効果』や周囲の騒音や雑音を相殺する『マスキング効果』があります。
BGMの持つ効果を上手に用いる事ができるなら、集客率のUPをはかったり、ターゲット絞った経営戦略をとる事ができるのではないでしょうか。
人の行動に影響を与える一例として、オーナーの好きな人の曲ばかりを流す店では、同じ趣味を持った仲間が集まりやすくなります。回転率を考えず、『同じ趣味の人』という特定のターゲットを狙った経営方法なのかも知れません。
ケースバイケースに対応したBGMで心を掴む
冒頭のカフェテラスの例ですが、大げさに差をつけるため、
- A店では、ジャズやクラシックのようにゆったりとした音楽を適度な音量で流していたとします。
- B店では、いわゆるクラブ音楽といわれる激しい音楽を朝から大音量で流していたとします。
朝の一時にコーヒーを飲むならどっちが落ち着くでしょうか。
好みもありますが、おそらくA店でしょう。
これは、経営内容に適していたからでしょう。適度な音量もお客様には心地よいものになり、会話やくつろぎの妨げになっていません。
この様にBGMの選択は店構え・経営内容・時間帯(天気や季節)を考えると良いでしょう。また、お客様の心理を考える事も大切です。『落ち着きたいのか』『騒ぎたいのか』『買い物を楽しみたいのか』等は考慮するうえでの重要なポイントです。
仮に、これを基に女性客の集客率UPさせたいとします。
個人差やオーナーの趣味やセンス、流行があるため、誰のこの曲がおススメという事は断定できません。しかし、女性が好む傾向にある曲や経営にお洒落さや品を添える曲は良いイメージを持たせるものになるので良いと思います。
また女性客が『ここのお店、なんかイイ感じだね。』と思えるような曲は感情に好影響を与えるため良いかもしれません。
BGMの用い方で、お客の心を掴む事も経営を破綻させる事もできる
女性をターゲットにして集客率をUPさせるBGMを選ぶポイントは
- 店構えに適したもの
- 経営内容に適したもの
- 時間帯や天気・季節に対応する
- 女性客の心理を考える
- 女性が好む曲選び
- 女性が店舗に対して良いイメージを持つ曲
- 女性の感情に良い影響を与える曲
が、おおまかなポイントになるでしょう。
BGMはただ、店舗内に流れる曲ではありません。『特定のターゲットを狙う為に用いるもの』、『集客率をUPさせるためのもの』として用いるとよいでしょう。
BGMは趣味や流行によって大分左右されますが、ミリマンの実験からも解る通り、人の感情も左右させます。
BGMの用い方次第でお客様の心を掴む事も経営を傾ける事もできてしますのです。
ターゲットを絞った経営戦略を考えているならBGM選びも検討要因としてみるのはどうでしょうか。