生命保険が効く「災害」とは何のこと?
世の中何が起こるかわからないもので、大災害や交通事故に巻き込まれてしまう可能性は決してゼロにはならないものです。
保険とはそうした万が一の場合に備えて入るべきものですが、災害の種類によっては保険が全く役に立たないということもあるのです。
生命保険は基本だけでは災害に使えない
生命保険は命を脅かすような怪我や病気に罹った時に保険金が支払われる保険なので加入している人も少なくないと思います。
しかし、災害に対しては全く無意味になってしまうことも多いことをご存知でしょうか?
生命保険は契約約款で「戦争や地震・台風・津波などの大規模災害に遭遇した場合、保険金は支払われない」ということになっています。
大規模災害の場合、保険会社は免責されるので保険金を支払わなくても契約違反には当たらないのです。
もしも大規模災害で犠牲になった人の多くが生命保険に加入していた場合、保険会社が支払うことになる保険金の総額は莫大なものとなってしまい、保険会社が巨額の負債を抱えて倒産する危険性が増します。
つまり、保険会社が保険金を支払いきる前に倒産することを防止するために、保険金を支払わなくていい特別なケースを設定しているのです。
2011年の東日本大震災の時は保険会社各社が保険金支払いを行いましたが、これは特例中の特例であると考えておいた方が良いでしょう。
災害特約は保険金の額を増やす
生命保険の災害特約は、名前からして保険金支払いの対象となる災害を増やすように感じられますが実際には「災害遭遇時の保険金の顎を増やすための特約」です。
その為、地震・水害などに遭遇しても生命保険からの支払いが行われない場合が多いので注意しましょう。
交通事故でも払われないケースもある
交通事故も、保険業界では災害の一つとして認定されています。
しかし、死亡事故に遭遇しても保険金が支払われないケースも中にはあります。
交通事故の原因となる重大な過失を、保険契約者または契約者の家族が起こしている場合や、飲酒運転などの法律違反行為を行ったうえでの事故である場合です。
つまり、事故の加害者側または過失責任が大きい場合は、保険金が支払われなくなるものと考えるべきでしょう。
天災には火災・地震保険で対応すべし
命に関わる事態に遭遇しても保険金が支払われないのでは、保険に入った意味がないと思う人も多いことでしょう。
地震とそれに伴う津波の場合は地震保険、火事と台風などによる水害には火災保険と特約でカバーするのが基本です。
生命保険は保険契約者が存命である場合、ほとんど役に立ちません。
つまり、天災や火災に遭遇しても契約者が無事であった場合、生命保険は全く無意味になってしまいます。
また、地震・火災保険は家屋の焼失・倒壊には対応しているものの、家財には対象外になるので家財保険にも加入しておくとよいでしょう。