虫歯・歯周病菌をほぼ100%殺菌できる『レーザー治療法』とは|トピックスファロー

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2013年5月7日
虫歯・歯周病菌をほぼ100%殺菌できる『レーザー治療法』とは

東北大学院の歯学研究グループが、レーザー照射による滅菌という画期的な歯科治療法を研究・開発中です。実用化が叶えば虫歯や歯周病のケアや治療がぐんと楽になりそうですが、今現在の進行状況はどうなっているのでしょうか?巷で飛び交っている『歯医者不要説』についても検討してみました。

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虫歯と歯周病の新しい治療法が確立される兆しです

虫歯になったら悪いところを削る、歯周病になったら地道なプラークコントロールにより悪化を防ぐ。
これが長らく行われてきた虫歯と歯周病の治療法でしたが、近年まったく新しい治療法が確立されそうな兆しをみせています。

レーザー照射で、ほぼ100%の原因菌を死滅可能!

原因菌を死滅させる

まったく新しい治療法とは、特殊な可視レーザー光線を患部に照射して、虫歯菌や歯周病菌を死滅させるというものです。

実験では、4種の口内細菌と過酸化水素水に照射したところ、約3分で殺菌率99.99%以上という極めて良好な結果が得られているとのことです(人体への悪影響は確認されていません)。

この画期的な技術をあみだしたのは、東北大助教授の菅野太郎氏を筆頭とした歯学研究チームです。
今もなお実用化実現のため研究が進められており、具体的には岩手県のリコー化学株式会社との連携により、過酸化水素水とレーザー光線を同時照射する医療機器を開発中だそうです。

※過酸化水素とは、酸素(H2)と水素(O2)の化合物のことであり、水溶液は漂白剤や殺菌剤の成分として用いられています。

手間のかかる虫歯や歯周病ケアが、格段に楽になる!

読売新聞の情報では、2010年内には動物実験終了、2011年以降には臨床研究に入る予定となっています。今は2013年度ですから、完成間近を期待しても良いでしょう。
進行状況の詳細は不明ですが、近々私たちがこの治療の恩恵を受けられるようになることには違いありません。

新治療法が普及すれば、虫歯や歯周病ケアが格段に楽になることが予想されます。
特に歯周病は、日々のプラークコントロールや年に数回の定期検診など、非常に手間がかかるものですから、ほんの数分で原因菌を完全消滅してくれる治療法の存在は、大変貴重なものになるでしょう。

歯医者が不要になり潰れていく…は考えにくい?

そんなに強力な治療法が登場したら、歯医者が要らなくなるのでは?歯科は儲からなくなって潰れてしまうのでは…などという噂も囁かれていますが、それは考えにくいです(あくまでも筆者の意見ですが)。

例えば美容機器のように、一般家庭用に改良されたものが出回って自己ケアが可能になる、なんてことはまずあり得ないでしょうし、歯科は虫歯や歯周病の治療のみを利益源としているわけではありません。
歯列矯正・ホワイトニング・インプラントなど、さまざまな治療技術の提供により利益を得ています。

また1度のレーザー照射で虫歯や歯周病菌を死滅させられたとしても、永久に原因菌の脅威からサヨナラできるわけではありません。歯磨きを怠るなど不摂生を続ければ、再び細菌が増殖してしまいますから、そうなると再度歯科で治療を受けなければならない必要性が出てくるわけです。

話がやや逸れてしまいましたが、一刻も早く私たちの通う歯科に技術・機器が導入されて、健康保険の範囲内で治療を受けられるようになって欲しいものです。

著者:安達リス

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本にお茶、お絵かきアイテム、動植物を愛する文字書きです。いろんなものを吸収するべく趣味の範囲を超えたテーマを取材・執筆しています。中の人などいません。