立派な家を安く建てる!?その仕組みとは
私たちがマイホームを、それも建売ではないデザイン住宅・注文住宅を手に入れるとなると大変な苦労をしなければなりません。中でも一番大変なのは、土地・住宅建築のための費用です。
土地は家族からの贈与や相続で何とかなったとしても、家は一から建てなければならないからお金は掛かってきます。
出来れば安価で家を建てたい、というのがマイホームの夢を持っている人の総意ですが、下手に値下げすると材質が落ちたり手抜きされたりするのではないかという不安を持っている人も多いでしょう。
しかし、最近は建築会社の方が低価格住宅の売り出しを積極的に行っているのです。どのような仕組みを使うことで住宅のコストカットを実現できるのでしょうか?
可能な限りデザインをシンプルにする
「デザイン住宅」というと、見えないところにまでこだわったデザインと装飾があふれているようなイメージが浮かんできますが、ゴテゴテと飾り付けるだけがデザインではありません。
動物や植物などの自然のものを観察すると、生きていくために必要な機能を供えながら可能な限りシンプルに纏まっていることに気づきます。住宅もそれと同じで、必要なものだけを揃えながら外見を立方体に近いシンプルなデザインにすることで、コストカットにつなげられるのです。
規格化した建材で効率化
外見のデザインがシンプルということはツーバイフォー工法に代表されるような、工場生産される規格化された建材を使っての建築が主体になるということです。規格化された建材を使うことで大幅に工期を短縮できて、人件費の圧縮にも効果を発揮するのです。
キッチン・バス・トイレのユニットを大量購入
物を安く仕入れるためには、「大量購入による値引き」を利用するのが大事です。売り手は利益も重要ですが、出来るだけ商品在庫が少なくなるようにしなければならないので、大口で購入する顧客が現れれば多少利益を逸しても良いから在庫処分を優先しようとするものです。
建築会社はこの原則を利用して、キッチンやバス・トイレなどのユニット化出来る設備を一括大量購入することで住宅建築のコストカットを図っているのです。
オプション化による基本料金の策定
家を建てるにしてもサービスを受けるにしても、料金が明確にされていないと不安になるものです。例えば、居酒屋などで出される「お通し」は食べても食べなくても料金に含まれているので出さないでほしいと思う人も少なくありません。それと同じように家の建築費は要望を入れれば入れるほど天井知らずで上がっていってしまいます。
逆に、「ここまでが基本料金の範疇」で「それ以外はオプションで別料金」というように線引きをして、料金表示を明確にすればコストカットを行っていなくてもローコストに感じさせることが可能です。
一種の心理テクニックですが、施主側としても予算と要望の兼ね合いを付けやすくなるという効果があります。
品質とコストカットの両立が鍵
世の中には「安かろう悪かろう」という言葉があるように、「低価格=低品質」と認識されているものです。ローコスト住宅も、そういった認識の元に評価されていることは確かと言えます。
そのためローコスト住宅を提供している多くの建築会社では、価格だけでなく「品質の高さをいかに維持しているか」を示すようにしています。持ち家は車のように頻繁に買い替えるものではないので、出来るだけ長持ちするような品質でなければなりません。
決して安くないお金を出す立場からすれば値段が安いことは非常に重要ですが、ただ安いだけではなく「値段以上の品質」を提供できる会社を選ぶこともローコスト住宅を建てる上で大事なのです。