九州は麺の宝庫だった!
博多のほか、久留米、熊本、宮崎、鹿児島など、九州はラーメン王国といっていいほど、ラーメンで知られる町が各地にあります。
でも、九州にはラーメン以外にも、地元では知らない人はいないという、美味しい麺があるってご存知ですか?ここでは、そんな地元ではメジャー級の知名度を誇る3つの麺をご紹介します。
福岡 ごぼ天うどん
福岡行ったら、まずラーメンを食べるという人は多いでしょう。
なぜ福岡でうどん?と思われるかもしれませんが、実は、福岡は日本のうどん発祥の地なんです。
今やうどんといえば、讃岐うどんや稲庭うどんなどが有名ですが、福岡のうどんは歴史が違います。中国に渡った円爾というお坊さんが、1241年に帰国した際、持ち帰った製粉技術や、うどんをはじめとする粉もの調理法を広めたことから、福岡が「うどんそば発祥の地」とされているのです。
福岡のうどんの特徴は、その麺の柔らかさにあります。
そして、そのコシのない麺と、噛みごたえのあるごぼうの天ぷらとの、歯ごたえのバランスがベストマッチ。さらに、それらを引き立てるダシの効いた薄口のつゆと相まって、何度食べても飽きのこないうどんに仕上がっているのです。
大分 別府冷麺
全国的に、冷麺といえば岩手県の盛岡が知られていますが、それに負けず劣らずうまい冷麺が、九州の地にもあるんです。それが、大分の別府冷麺です。
北朝鮮出身の在日1世の方が、故郷の味を懐かしんで作った盛岡冷麺に対して、別府冷麺のルーツは中国の東北部の旧満州にあります。
1950年頃に、朝鮮と国境を接する満州からの引き揚げ者が始めた店が発祥とされ、その後、別府市内で冷麺を扱う店舗が増えていったのです。
別府冷麺の特徴は、モチモチ感のある太麺と、のど越しの良い中細麺の2種類の麺。さらに、日本人の口に合うようにアレンジされた、魚介ベースの和風だしのスープも人気の理由の1つになっています。
長崎 島原そうめん
九州でそうめんというのは意外な感じがしますが、島原に伝わるそうめんには、歴史上の有名な事件が関わっているのです。
1637年に、キリシタン弾圧がきっかけで起こった島原の乱によって、島原地方の人口が激減したことから、幕府の復興政策によって移民を多く受け入れました。そして、その時に、そうめん作りがさかんだった小豆島からやってきた人々によって伝えられたのが、島原そうめんなのです。
島原そうめんの特徴は、何と言ってもそのコシ。グルテンを多く含む強力粉を使っているため、歯ごたえのある、しなやかな麺になっているのです。
そのため、冷やしてつゆに付けて食べるスタンダードな食べ方以外に、パスタのようにソースとあえたり、温かいスープや鍋など、いろいろな食べ方を楽しむことができます。