新時代のワークスタイル・ノマドワーキング
「ホワイトカラー」と呼ばれる事務系デスクワーカーは、「オフィスにある自分の席で仕事をする」というイメージとセットで語られることがほとんどです。そのためか、「日光を浴びない、不健康」というネガティブなイメージもセットになってしまっていることもしばしば。
そんなホワイトカラーのイメージを一新する新しいワークスタイル、「ノマドワーキング」をご存知ですか?
ノマドワーキングとは何者なのか
ノマドワーキングとは、固定されたオフィスに縛られずパソコンやスマートフォンを駆使して仕事をするというユビキタス時代ならではの労働スタイルです。
ノマドは「遊牧民」という意味で、一箇所に定住せず大草原を巡る遊牧民たちの姿が重なって見えます。
一頃注目を浴びたSOHO(Small Office Home Office)に似ていますが、ノマドワーキングを実践するノマドワーカーたちは、自宅にさえ縛られません。電気とネットが繋がる場所であればどこでも仕事が出来るので、「海外旅行をしながらノマドワーク」というスタイルを実践している人さえいるのです。
ノマドワーキングの利点とは?
ノマドワーキングが急速に普及しつつあるのは、従来の日本的オフィスワークのアンチテーゼといえる「自由度の高さ」が大きな利点となっていることがいえます。
オフィスや自宅に縛られる必要がないのでいつでも気分転換できること、旅行しながらでも仕事が出来ること、自分で仕事に使うパソコンなどの道具を選べることなど様々です。
オフィスワーカーは2泊3日程度の旅行をするにしても周囲との兼ね合いを考えてスケジュールの調整に頭を悩まさなければなりませんが、ノマドワーカーならいつでもどこでも仕事が出来るので自由に旅行を楽しめます。
そして、ノマドワーカーは服装も自由なら持ち物も自由です。
最低限必要な持ち物はカメラ機能があるスマートフォンとノートパソコン。書類はスキャナやデジカメで取り込んでパソコンに入れておき、データをメールやウェブスペースを利用して相手先とやり取りし、ケータイやSkypeで打ち合わせ。このような「鞄一つ分の身軽さ」がノマドワーキングのもう一つの魅力なのです。
誰でもノマドワーカーになれるわけではない
このように、魅力満載のノマドワーキングですが全てのホワイトカラー労働者がノマドワーカーになれるわけではありません。ノマドワーキングに憧れる大学生たちも、卒業後すぐにノマドワーカーになれるわけではありません。
ノマドワーカーになるには、「実力」と「信用」が不可欠です。
ノマドワーカーと名前はかっこいいものの、実態はフリーランス、外部雇われ員です。まずは会社勤めから初めて、会社の枠に収まりきれない実力があって初めてノマドワーカーとして独り立ちできるのです。
それに、前身が大企業の一員でも独り立ちしてノマドワーカーになれば、十把一絡げ・有象無象のフリーランスの一人になるわけですから、仕事を継続してもらえるように信用を勝ち取ることが重要です。入ってきた仕事は手を抜かず締め切りまでに必ず完了させることは最低限の条件です。
本来の遊牧民だって、羊を何百匹買っただけではなれないものです。羊を飼う技術と遊牧の経験があって初めて成り立つ生業なのです。