ペットによって起こる騒音のあれこれ
最近はペット可の物件どころかペットを飼っている人専用の物件も増加しており、ペットを家族同然に可愛がっている人にとっては良い時代になってきたといえます。
しかし、ペット専用ではなくペット可・ペット禁止のマンション・アパートでのペットによる騒音トラブルは後を絶ちません。
なぜペットによって騒音が発生してしまうのでしょうか?
発情期の犬・猫の鳴き声がうるさい
ペットの起こす騒音トラブルで多いのが「鳴き声がうるさい」というものです。多くの動物は鳴き声で感情を表したり危険信号を発したりするものです。
特に犬や猫は発情期が来ると、求愛信号としての鳴き声を立てるようになります。
発情期になれば相手恋しさにいつまでもキュウーンキュウーンウオーンウオーン、ミャーミャーニャーニャーと切なそうに鳴き声を上げ続けます。
ペットの去勢は繁殖をコントロールするだけでなく、発情期の鳴き声を防ぐためにも必要になる場合があるのです。
躾が充分にできていない
飼い主がペットの犬や猫を甘やかしすぎることで自分の地位が人間よりも上であると錯覚する「アルファ・シンドローム」 を起こしてしまうと、吠え声や唸り声を頻繁にあげるようになります。
アルファ・シンドロームを起こした犬・猫は人が通りかかるたびに吠える、唸り声を上げて威嚇するといった縄張り意識が強く反映された行動をとるようになります。
また、アルファ・シンドロームとまでいかなくても可愛さに目がくらんで充分な躾が出来ていないペットは騒音以外でも近所迷惑になります。例えばトイレトレーニングが出来ていない、無駄吠えする、柱で爪とぎをする、家の中を走り回る、通りかかった人に飛びつこうとするというように、躾できていないペットは「可愛さ余って憎さ百倍」になってしまうことがしばしばです。
飼い主の資格がない
ペットによる騒音トラブルで一番責任が大きいのは飼い主です。躾にしても去勢にしても、飼い主の責任の元で行われるものだからです。
犬や猫は古くから「人類のよき友」として飼われてきましたが、躾をせずに飼ってきたわけではありません。猟犬やネズミ取りとして働けるように躾けて野性を抑えて、ようやく「人類のよき友」になったのです。
これを逆に言えば、躾が出来ていないペットは野生の動物そのままでその飼い主はペットを飼っているのではなく「人に危害を加える恐れのある野生動物を野放しにしている」ということです。噛みつく・引っ掻くといった直接的な危害を加えないまでも、周囲の迷惑になるようなことをペットがしていても止めもしなければ叱りもしない。このような人がペットを飼うことは許されないのです。
運動不足を室内で補っている
ペットといえど動物なので、病気にならないよう運動をさせる必要があります。これはどんな動物でも同じことで、部屋飼いの犬でも猫でもハムスターでもヘビでも何らかの運動をさせる必要があります。
しかし、部屋飼いしているペットの運動のさせ方次第では近所迷惑な騒音になってしまいます。
例えば小型犬を散歩の代わりに部屋の中で走り回らせるのは、パタパタと物音を階下や隣室に響かせる原因になります。高いところに上っては降りたがる猫も、ドスンドスンという落下音の原因になります。
ウサギをケージから出したら壁や家具をカリコリと齧る音がするし、ハムスターは回し車が結構な音を立ててしまうものです。
このように、ペットは人間よりも体重が軽くても全身で運動するため、時には人間にも負けない大きな物音を立ててしまうのです。
ペットのトラブルは退去に繋がることも
今はだいぶ緩和されてきてはいますが、マンションでペットを飼うことは一発で退去になるくらいの重大な契約違反条項でした。
たとえ大人しい小型犬や猫でも、定期的に洗っていなければ臭いがするし、夏・冬が近づくと抜け毛がでるし、どこからかノミを貰ってきて飼い主だけでなく隣室の住人まで痒い思いをすることになるものです。
場合によっては、壁紙や柱にガリガリ傷をつけたりマーキングしたり昼も夜も吠え続けたりと、住宅の損壊や近隣とのトラブルになる行為をしてしまうことさえあります。
こうなるとペット禁止のマンションだった場合、即刻退去だけでなく修繕費の負担なども求められてしまうことになるのです。