示談を長引かせない、示談金を減額させないための交渉テクニック
交通事故によって被る損害は、とても大きなものです。
被害者に負わせてしまった怪我の治療費、後遺障害が残った場合は慰謝料の増額、死亡してしまった場合は法的責任に加えて相手への償いというように、莫大なお金が掛かることになります。
さらに車同士の事故ならば相手の車の修理費も掛かることになり、保険なしでは支払いきれないほどの額になってしまいます。
加害者側が被害者側に対して支払う補償や慰謝料を決める示談は、まさに交通事故の締めくくりといえます。しかし、お金を巡っての交渉であるが故にお互いの思惑がすれ違って交渉が難航してしまうのです。 もしもあなたが示談交渉のテーブルに着くことになった時、円滑に交渉を進めるためのテクニックを紹介します!
話し合いの場では感情的にならない
交渉において重要なことは、「自分の感情を表に出さない」ということです。交渉などの話し合いの場で、お互いが感情をむき出しにすれば間違いなく喧嘩沙汰に発展します。
感情で話を進めれば進めるほど相手への怒りが売り言葉に買い言葉でヒートアップして、口より先に手が出てしまうことに繋がるのです。
話し合いは常に冷静かつ客観的に、感情ではなく理性で言葉を選ぶのが基本です。お互いが理知的に話し合えば感情的に気に入らなくても、「示談の成立」という目的を達成するという共通認識が出来て、話し合いがスムーズに進みやすくなるのです。
最初にどこまで妥協できるかの限界を示す
慰謝料・損害賠償の請求は、必ずしも適切な額を提示しなければならないというようなルールはありません。
たとえ判例的には「100万円が妥当」とされる内容でも、通るかどうかは別にしても被害者は損害賠償額一億円を要求しても良いのです。
加害者側に非があると言ってもさすがに一億円をポンと出せるわけではないので減額の交渉が始まり、和解までに長い時間が掛かってしまうことになるのです。
ではどうすれば金額交渉はスムーズにすすむのか。それは、最初に「○○万円から××万円までなら出せる」というように妥協できる金額を結論として出してしまうのです。
交渉にしても議論にしても、結論ありきで進めた方が双方共に落とし所を見つけやすくなるものです。
後遺障害が発生した場合についての条項を盛り込む
交通事故で一番恐ろしいのは、後遺障害が発生することです。手足が動かない、身体が不自由になる、一生車椅子のお世話になる…など、障害の症状は様々ですがまず間違いなく事故前の生活に戻ることが困難になります。
そして、後遺障害は事故にあった後すぐに発生するのではなく原因となった事故から時間を置いて発生してしまうことがあるのです。
もしも、示談交渉が終わった後に事故が原因による後遺障害が発生した場合、追加で賠償請求をしたくても示談が完了していて後遺障害分の賠償を追加請求できないということが充分にありうるのです。
そうならない為にも、示談契約書に「後遺障害が発生した場合、追加で賠償請求出来る」というような文言を盛り込んでおくことが大事です。後遺障害が発生しなければそのまま、発生した場合は速やかに補償が進められます。
保険会社・弁護士などの専門家を挟む
多くの場合、交通事故の被害者・加害者は共に交通事故後の示談についての知識は充分に持ち合わせていることはありません。
そのため、加害者が契約している保険会社から事故専門の示談担当者が間に入って示談金の交渉が行われることになるのですが、多くの場合「被害者に過失があった」ことにされて減額されることになるようです。
法律的知識や経験の量では保険会社の示談担当者の方が当事者たちよりも遥かに上なので、対等の立場で交渉を続ける為にも必ず自分の契約している保険会社の示談担当者や弁護士などの法律・示談の専門家を同席させるようにしましょう。