虫歯の原因ってお菓子だけじゃない
虫歯予防のCMでよくプラーク(歯垢)という言葉を耳にしますが、8割の水分と2割の有機質で作られているこのプラークが虫歯の大きな原因となります。
細菌とその代謝物を放っておくと歯周病や口臭の原因となってしまいます。
『歯磨きが終わったら、寝る前に甘いものを食べてはいけません』
子供の頃に言われたことがあると思いますが、本当にそうなのです。
しかし、ほとんどの食べものには糖分が含まれているので、お菓子とは限定せず、口の中に食べものを入れたら、という考えが良いでしょう。
- プラーク(歯垢)の細菌は、食べ物に含まれる糖分を栄養にして酸を発生させます
- 酸は、歯を溶かします
溶けた歯の状態を脱灰といいます。
虫歯を予防する唾液の力を妨げるもの
歯を溶かしてしまう酸を中性の状態にして歯を守ってくれるのが唾液です。
酸によって脱灰された歯を唾液に含まれたリン酸やカルシウムが修復することを歯の再石灰化といいますが、再石灰化が追いつかないほど頻繁に脱灰が行われてしまうと、溶け続けた歯には穴が開いてしまい、いよいよ虫歯の状態になってしまいます。
せっかく唾液には優れた効果があるにも関わらず、常に口の中に食べ物のカス(プラーク)が残っている状態が続くと脱灰が進み虫歯になる、ということです。
歯磨きをしても磨き残しがあるとNG
時間をかけて歯磨きをした後に歯垢染色剤を塗布すると、歯に付着しているプラーク(歯垢)の量に驚いたことがある人も多いでしょう。
歯ブラシが届きにくい為、プラーク(歯垢)が残りやすく虫歯になりやすい部分があります。
- 臼歯の溝
- 歯と歯の間
- 前歯の裏側の窪み部分
- 歯頚部
大人でもブラッシングで完全に全てを取り除くことが難しい部分です。
子供の虫歯発生の約8割がこの部分という調査結果もあります。
※Burt BA, Eklund SA, Morgan KJ, et al.The effects of sugars intake and frequency of ingestion on dental caries increment in a three-year longitudinal study. J Dent Res. 1988 ;67:1422-9. 調査元
虫歯は自然治癒しない
前述のとおりいくら唾液に優れた効果があったとしても、残念ながら、一度虫歯になってしまった歯は元には戻りません。歯が脱灰する口腔状態の改善をしないと以下のようになってしまいます
- 虫歯になっても脱灰は進む ← 虫歯の治療が必要になる
- 進行すると歯の神経まで細菌が到達する ← 歯の神経を抜く治療が必要になる
- さらに進行すると歯の根元にまで細菌が到達する ← 歯を抜く治療が必要になる
正しい虫歯予防の方法を歯科医院で指導を受ける
いくら歯磨きを真面目に取り組んでいても、虫歯の原因になるプラーク(歯垢)が残っていては予防していることにはならないのです。
- 正しいブラッシング方法
- どうしても歯ブラシが届かない部分の対処の仕方
定期的に歯科医院で検診を受けて、これらの指導を受けて改善することを心がけましょう。