歯の健康は身体の健康、自分の歯を維持する意味
健康な体を作る条件には快眠・快便・適度な運動などいろいろにありますが、何と言っても「毎日の食事」が最も重要であると言っても過言ではないでしょう。
毎日の食事は身体を作り維持するための栄養素を体内に取り込むだけでなく、食材・料理の味や感触、ぬくもり、見た目といった「食べる楽しみ」を感じることで心を豊かにする働きがあります。
「美味しいものが食べたい」「明日は好きなものが食べられる」という願望や期待感は生きるための原動力となるのです。
しかし、自分の歯を失ってしまうと食事の楽しみは激減してしまい、健康寿命を短くすることにも繋がってしまうのです。
なぜ歯の健康が健康寿命を左右するのか
食事の時にしか使わないであろう歯が身体全体の健康寿命を左右することになるのは、歯の健康が食事の内容を左右する為です。
例えば虫歯で歯が痛い時、痛む歯が無い方だけで食べ物を噛んだ覚えがある人は少なくないでしょう。このように歯の健康が充分でない状態だと、食事に支障をきたしやすくなってしまいます。
また、高齢者は総入れ歯にしている人も少なくありませんが、総入れ歯だと顎に掛かる負担が自前の歯がある時よりも大きくなるため、噛む回数が減ってしまいます。
歯が悪くなって充分に噛めなくなると食事量は減り、食べられるものが限られてくるので栄養バランスが偏り、身体の調子を損なってしまうことに繋がってしまいます。このように、歯の健康は健康寿命に密接に関係しているのです。
自分の歯を80歳まで20本残すには
皆さんは「8020運動」という言葉をご存知でしょうか?「80歳まで自分の歯を20本残そう」という意味で、若い頃からの歯の手入れをしっかり行おうという運動です。
多くの人は「老化=歯が自然に抜ける」と考えがちですが、歯が抜けるのは歯肉炎・歯槽膿漏などの歯周病が進行してしまった結果起こるものです。歯周病は歯垢(プラーク)・歯石に生息する歯周病菌によって引き起こされるものなので、いかに歯垢・歯石を取り除くかが大事になってきます。
歯石は歯にガッチリと食いついているため、歯医者で除去してもらうのが一番ですが歯石の元になる歯垢は毎日の歯磨きで除去するようにしなければなりません。
歯を守るためのケアの基本
歯を80歳まで20本近く残すためには、歯のケアを毎日欠かさず行うことが肝心です。夜更かししすぎたからと言って歯磨きもせずに眠りこけてしまうのは論外です。
歯を磨くタイミングは朝食を食べる前・食べた後、寝る前の二回を必ず行うようにします。就寝中は口内の細菌が繁殖しやすく、歯周病が最も進行する時間と言えます。その為寝る前・起きた後の歯磨きは歯周病予防のためには欠かせないのです。
歯磨き自体もただ歯全体を磨けばいいというわけではありません。歯と歯茎の境目にある歯周ポケットや、歯と歯の隙間、歯の裏側などの歯垢が溜まりやすい場所もデンタルフロスなどを併用して隈なく磨かなければなりません。
また、マウスウォッシュで口を濯いでこまめに口内を清掃するようにすることも大事です。このように毎日の歯のケアをしっかりと抜かりなく行うことが、歯の健康、ひいては健康寿命を促進することに繋がるのです。