【インプラント周囲炎】人工の歯でも容赦なく襲う病気
歯周病を起こし、無くなった歯の再生治療として“インプラント治療”は有効手段です。
歯が無くなった部分にフィクスチャー(ネジ)を植え込み、人工の歯をかぶせるので、また噛む喜びや食べる喜びを感じる事ができます。しかも、顎骨に直接結合しますので歯根と同じ役割をし、より本物に近い義歯を手に入れることができます。
しかし、インプラント治療をしたからと言っても、永久的に大丈夫というわけではありません。ケアを怠り放置しておけば、やがてその歯を失いかねない事になります。
『インプラント周囲炎』という病気になってしまうのです。
口の中は、常に細菌が存在していますので、ケアを怠ると菌の働きは強まります。そして、それは天然の歯・義歯問わず容赦なく襲い蝕んでいきます。
その結果、せっかく植えた義歯を失う事もあるのです。
「インプラントだから大丈夫」という油断が招いた、悲しい結末になってしまうのです。
原因は歯周病菌の浸食とプラーク
インプラント周囲炎は『ケアを怠った事』が引き金になります。
この原因を作っているのが、プラークに潜む歯周病菌です。この菌は歯周病を引き起こす細菌で、放置しておくと、どんどん増殖し歯や歯の周辺を蝕んでいきます。
そして、この細菌は“インプラントだけ浸食しない”という様な事は決してしないのです。
天然の歯や人工の歯であっても、容赦なく襲います。
口の中で増殖し菌にとって好環境な状態が続くと、インプラントやその周辺に菌が浸食し、気が付いた頃には取り返しのつかない事になる場合もあります。
インプラント周囲炎にさせない3つの方法
せっかく植え込む事ができた義歯を、台無しにしない為にはどうしたら良いでしょうか?
3つの点に気を付けて、インプラント周囲炎を防ぐことができます。
方法1 丁寧な歯磨き
インプラント周囲炎予防の第1歩は、何と言っても『歯磨き』です。丁寧な歯磨きをして歯垢(プラーク)を、残さない様にしましょう。そして、細菌が繁殖しにくい口腔環境を作り上げましょう。
丁寧な歯磨きを欠かさず行なう事で、インプラント周囲炎の元を断つことができます。
方法2 歯医者での専門的予防
丁寧な歯磨きをしても、歯垢(プラーク)は残る事があります。しかも、歯間など歯磨きが難しい所は、なかなか歯垢を取り除く事は出来ません。それが原因でインプラント周囲炎になってしまえば、せっかくの義歯を失う事になりかねません。インプラント治療をしたのであれば、定期的に歯医者に行って歯垢を除去してもらいましょう。
さらに、かみ合わせの調整もしてもらいましょう。
専門科による施術で、インプラント周囲炎の発症を防ぐことができます。
方法3 喫煙をしない
喫煙者は非喫煙者に比べて、3倍以上も歯周病の発症率が高いと言われています。喫煙する事で口腔状態は、歯周病菌にとって好環境になります。例えば、喫煙による低酸素状態や白血球の機能低下、歯肉を修復する機能の低下など、喫煙は何一つ良い事はありません。
歯磨きや歯医者による予防を行なっていたとしても、喫煙で歯周病の増殖を助けてしまえば全くの無意味なのです。インプラント周囲炎を防ぎたいのであれば、喫煙しない事が一番です。
3つの方法で見事にインプラント周囲炎を予防する
インプラント周囲炎は、インプラント治療をした人が必ず発症させるものではありません。日頃からのケアをしっかりと行なっていれば、炎症を起こす事も歯を失う事も無いのです。
歯周病によって無くした歯を、もう一度無くすのはとても残念な事です。
さらに、顎骨へのダメージも最初より大きくなるでしょう。それにより、噛む喜びや食べる喜びを失うのは残念な事です。
そうならない為にも、しっかりとケアをしてインプラント周囲炎を予防しましょう。
丁寧に歯を磨き、専門的な所で徹底したプラーク除去。そして、喫煙者なら喫煙をやめる。これだけで、インプラント周囲炎の危険因子を激減させる事ができます。
年を重ねてからでも、しっかりとした歯を持てるようにするには、今からの予防が大切です。
決して、「インプラントだから大丈夫という油断」を持たない様にしましょう。歯周病菌はプラークに隠れて、いつでも歯を蝕む事を狙っているのです。