不動産資格・宅建と不動産鑑定士をお話しします|トピックスファロー

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2015年2月18日
不動産資格・宅建と不動産鑑定士をお話しします

不動産業界でのキャリアアップを目指す人にとって、欠かせない資格が、宅地建物取引主任者です。また、更なるキャリアアップを目指す人なら、不動産鑑定士の資格を取る、という手段もあります。両者の違いについて詳しく説明します。

ファイナンシャルプランナー(AFP)兼WEBライター
  

不動産業界のキャリアアップにつながる2つの資格

私の友人で、実家が不動産会社を経営しているという人がいます。
その友達がそれまで勤めていた会社を辞め(不動産業とは関係ない会社にいました)、家業の不動産会社を継ぐということになったときに真っ先にはじめたことが宅地建物取引主任者、いわゆる宅建の勉強でした。

彼はこうも言っていました。
「宅建が取れたら、不動産鑑定士も取っておきたい」と。
有限実行とはまさにこのことで彼は宅建に合格した後、不動産鑑定士の試験にも合格しました。

「自分がゆくゆくは経営者になる以上、勉強できることはしておきたい」という言葉が印象的でした。
不動産業界でキャリアアップを目指すのなら、それなりの勉強が必要になるのかもしれません。

そこで、ここでは宅地建物取引主任者こと宅建および、不動産関連資格の最高峰ともいえる資格、不動産鑑定士の試験についてお話したいと思います。

宅建

宅地建物取引主任者とは?

宅地建物取引主任者、略して宅建。
名前はよく聞く資格だと思いますが、いったいどんな資格なのでしょうか?
この資格の期限は1958年にさかのぼります。当時の建設省が「宅地建物の”公正な取引”が行われるように」という目的で設立した、国家資格です。

ではそもそも公正な取引とはなんでしょう?
宅地建物取引においては、建物の売主・買主である不動産会社は強い立場にあります。
その一方で、買主・借主となる客は弱い立場にあります。
具体的に言えば、「高いお金を払って悪い物件をつかまされる」というあってはならない事態が起こる可能性もあるのです。

そこで二者間の取引において公正を保てるよう定められたのが、不動産業者の基本点な法律である「宅建業法」です。この法律を守ることが、不動産会社などの宅地建物取引業者に課されるのです。
そして法律が守られているかをチェックする立場にあるのが、宅地建物取引主任者なのです。

宅建の試験内容

では具体的にどんな試験制度なのか?ということについても見てみましょう。
試験は以下の7つの項目について出題されます。
制限時間は2時間です。

・土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること。
・土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令に関すること。
・土地及び建物についての法令上の制限に関すること。
・宅地及び建物についての税に関する法令に関すること。
・宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること。
・宅地及び建物の価格の評定に関すること。
・宅地建物取引業法及び同法の関係法令に関すること。
(引用:”宅建試験の申込み”、一般財団法人不動産適正取引推進機構2014。
http://www.retio.or.jp/exam/、2014年12月18日参照)

例年、7月中に試験の申込期間が終わり、10月の第三日曜日に試験が行われます。受験資格に特に制限はありません。
気になる合格率ですが、約15%と決して高くはありません。

多くの人が参考書を買って独学で勉強しますが、「自分は独学でできる自信がない」という人はスクールに通うのも一つの手段です。独学の場合、自分にあった参考書をいち早く見つけられるかが鍵となります。

不動産鑑定士とは?

不動産 試験

ではもう一方の資格、不動産鑑定士についてみてみましょう。
不動産鑑定士は、不動産の鑑定評価に関する法律に基づき制定された国家資格であり、不動産の経済価値に関する高度専門家、と定義されています。

でも、これじゃちょっとわかりづらいですよね。そもそも、不動産の鑑定評価とはなんでしょうか?
不動産の鑑定評価とは、公的機関、民間企業、個人などから依頼されて、不動産の価値がどれくらいであるかを鑑定し評価する業務です。

乱暴な言い方をしてしまえば、「不動産の値段を決める」ことです。
もちろん不動産の値段は使用目的によってまったく変わってくるので、一つの不動産に対し一つの価格がつくというわけではありません。

不動産の価格を決めるということは、その他の物事にも大きくかかわってくるのです。なので根拠もなく好き勝手に決めていというわけではありません。
そこで不動産鑑定士という資格を設けて、不動産の鑑定を独占業務とし徹底した管理の下においているのです。

不動産鑑定士の試験内容

それでは、この資格の試験についてみてみましょう。
試験は択一式の「短答式試験」と論述式の「論文式試験」の二段階からなります。
短答式試験では以下のような科目から出題されます。

・不動産に関する行政法規
・不動産の鑑定評価に関する理論

また、論文式試験では以下のような科目から出題されます。
・民法
・経済学
・会計学
・不動産の鑑定評価に関する理論
(”平成25年 不動産鑑定士試験案内”、国土交通省、2013
http://www.mlit.go.jp/common/000987551.pdf、2014年12月18日参照)

肝心の合格率ですが、短答式試験で約30%となっています。 論文式はさらに低いので、独学で受験するのはあまり現実的ではありません。
スクールに通うことも考えましょう。

まとめ

不動産の資格として挙げられる人気の資格をまとめてみました。
宅建を取った後、法律が好きならさらに行政書士・司法書士の資格の勉強をする人もいるそうです。
どんな仕事でもそれをよくするために研鑽を積むことができるなら、それは素敵なことだと思います。
不動産の業界でがんばっていこう、と思うなら、キャリアアップのために資格を取るということも自分のキャリアプランに入れてみてください。

著者:松沢未和

ファイナンシャルプランナー(AFP)兼WEBライター
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2014年にファイナンシャルプランナー(AFP)の資格を取得した兼業WEBライターです。もともと文章を書くことが大好きなので、この仕事を兼業として選びました。相続や保険の分野のお話をわかりやすくまとめてお話できればと思っています。これ以外にも、たくさん資格は持っているので、資格の取り方の話しもしたいところです。また、食べ歩きと旅行とコスメ研究が大好きです。日々の研鑽の成果!?を文章にぶつけていきたいです。至らない点がいろいろあるかと思いますが、よろしくお願いいたします。