文芸・映画で活躍するような翻訳家になるためには?|トピックスファロー

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2012年10月16日
文芸・映画で活躍するような翻訳家になるためには?

洋書・洋画は日本語翻訳があって初めて人口に膾炙するものです。翻訳が待ちきれず原語版を買ってしまう人も中にはいますが、多くの人は翻訳されてから作品に触れるものです。海外作品の普及に貢献している翻訳家になるためには、どうすればいいのでしょうか?

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翻訳のスペシャリスト・翻訳家になりたい!

日本国内で消費・閲覧される分には日本語版だけ作ればいいのですが、世界的にコンテンツ・商品を展開させるとなると、内容から説明書きに至るまでを全て英語などに訳しなければなりません。
そして、海外から国内に持ち込まれる商品やコンテンツも同じように内容や説明書きを日本語に訳しなければなりません。
英語から日本語へ、日本語から英語へと訳するために大事な役割を果たすのが翻訳家なのです。

翻訳家の仕事の中身は?

翻訳家は、英語と日本語というように別の言語で書かれた文書や小説などを母国語または原書とは別の言語に置き換えて内容を整える専門家です。
その仕事の範囲は、公的文書や小説、映画、ゲーム、音楽など言葉を使う分野の多岐にわたり十分な実力と実績があれば引きも切らず次から次に仕事の依頼がやってくるでしょう。

実務翻訳

実務翻訳は、海外支社へのメールや海外企業との契約書、海外での特許取得のための申請書といった公的な文書などを翻訳することです。
実務翻訳は内容を正確に伝えることが求められるため、全体として難易度は低めの翻訳といえますが公的文書の場合は専門用語への造詣が求められることが多いため、分野ごとの専門知識を身に付けていなければなりません。

文芸翻訳

文芸翻訳は「出版翻訳」ともいい、小説や学術書などの書籍類の翻訳を行うものです。
文芸翻訳では翻訳者に作家としての技量が求められてきます。どういうことかというと、叙情的な表現や言い回しなど、直訳では伝わらない「小説としての読み味」を調えることが求められます。
学術書の翻訳では、実務翻訳と同じように専門用語が多発するので、翻訳家だけでなくその分野の専門家が翻訳することがあり、参入が難しい分野といえます。

映像翻訳

映像翻訳は映画の字幕や吹き替え版の台本を翻訳していく仕事です。
映像翻訳ではセリフを正確に翻訳するだけではなく、本来のセリフの尺(長さ)に合わせなければなりません。どんなに正確な翻訳でも他の役者が喋っている時まで割り込むようでは使い物にならないのです。
そのため、映像翻訳では独特のセンスが求められるのですが、時に映画の内容が変わるような珍訳・誤訳が多発してしまうことも少なくありません。

翻訳家になるためには?

翻訳家は通訳と違ってなるための資格は必要ありません。むしろ、即戦力になる実力がなければ仕事が来ないくらいの実力主義社会です。
そして依頼者とのプロの翻訳家として活動するには、「翻訳会社に所属して仕事をもらう」「ネット上でフリーランスの翻訳家として看板を掲げる」「翻訳家養成学校に通い、在学中から卒業後まで学校や講師のツテで仕事をもらう」といった形で、実績を積み重ねていくことになります。

翻訳家は稼げる?

翻訳家や通訳などの技能職は、「儲かる仕事」と思われがちですが実際はそうではないようです。
ネットの発達によって新規参入者が増加していること、出版社が実力よりも報酬の安さを重視するようになったことなどで、ダンピング化が進んでいるのです。
それでも仕事内容によっては短期で高額収入を得られることもあるようですが、そういった美味しい仕事はベテラン翻訳家の元に集まりやすく、新人翻訳家は専業では十分な収入を得られずアルバイト・パートをしているというケースも少なくないのです。

著者:塩屋 謙

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職業は編集・校正、そしてWEBライターでもあります。興味の範囲を広げつつ、様々な記事を書いています。