消費者の購買意欲を後押しするAIDMAの法則を活用せよ!
販売業において、消費者の購買意欲を増進させることは売り上げを伸ばすために欠かせない、重要な営業活動の一つといえます。
どんなに素晴らしい商品を開発・販売したとしても、店頭で消費者が手に取って買い物かごに入れてもらえなければ、その素晴らしさを体感してもらうことは適いません。
優れた商品を作るだけではなく、消費者に買ってもらえるように訴えかけなければならないのです。
購買意欲増進のための五つの過程
AIDMA(アイドマ)の法則は、消費者が宣伝広告の認知から商品の購入に至るまでの間に起こる心理的プロセスを表した物です。
心理的プロセスには「注目(Attention)」「興味(Interest)」「欲求(Desire)」「記憶(Memory)」「行動(Action)」の五つがあり、それぞれの頭文字から『AIDMA』と名付けられています。
注目
第一の段階である「注目」では、消費者の耳目を引くことが購入への第一歩であると定義されています。注目されることで初めて消費者は商品・サービスの存在を認識します。
注目されていない商品やサービスは、存在していないのと同じなのです。
ここでするべき営業戦略とは、テレビコマーシャルや新聞・雑誌広告などのメディアへの宣伝活動です。
同じ新製品でもコマーシャルや広告で知るのと、店頭で知るのとでは印象への残りやすさは情報量を増やせる前者の方が高くなります。
興味
第二の段階である「興味」は、消費者に商品への興味を抱かせて購入に繋げていくことを説いています。
どういうことかというと、宣伝広告で商品の存在を知ってもらっても消費者は自分に関係ない物であればすぐに忘れてしまうものです。
どのようにして興味を引くのかというと、商品の価格や特徴などを宣伝広告の中で紹介することです。たとえば、新しい化粧品を売り出す際に「○○(商品名)新発売!」とだけ紹介する広告と「汗に強い、色あせない化粧品○○、新発売」と紹介する広告だったら、どちらが商品への興味を持ちやすいでしょうか。
特徴がしっかりと伝えられていて、従来品との差異が感じられる後者の広告の方が商品に興味を持ちやすいのです。
欲求
第三段階である「欲求」は、消費者に商品への購買意欲を抱かせる段階です。
欲求を抱かせるには「注目」で認知し「興味」で欲求の裏付けを作らなければなりません。しかし、商品への興味を抱いていても、商品への感情が「欲しい」までいかないと意味がありません。
商品への欲求を高めるためには、その商品を購入することで発生するメリットを宣伝することです。前述した化粧品を例にすれば「汗に強い」→「暑い日でも汗崩れしない」、「色あせない」→「メイク直ししなくても持つ」というように特徴がどのようなメリットにつながるのかを説明することが欲求を掻きたてるのです。
記憶
第四段階の「記憶」では、商品名や価格などの購入のための情報を記憶し、検討に入ります。
購入に至るプロセスの中で、最も長くかかるのがこの記憶の段階です。この段階では「欲しい」という気持ちと「本当に買うべきなのか」という気持ちがせめぎ合い、長く葛藤が続いていきます。
記憶の段階から購買に転じさせるには、購買の正当化が出来る情報を少しでも多く消費者に提供することが大事です。たとえば、「売り上げ100万本を突破」「あの有名人も使っている!」「全米で大ヒット」というように、『他の人も買っている』という根拠を与えると「購入してもいい」と感じるようになり購入意欲がさらに高まるのです。
行動
第五段階の「行動」に至って初めて消費者は商品の購入に踏み切ります。
そのため、第四段階までの間にいかに購買意欲を掻き立てて維持させるかが焦点となります。
しかし、購買意欲があっても消費者には大なり小なりの「買えない理由」が購入の妨げになっていることがしばしばあります。
この場合、販売元は何をすればいいかというと、消費者が持つ「商品を買えない理由」を全部つぶすような売り方を構築することです。
例えば車がないと店から家に持ち運べない商品なら無料配送サービスを、価格が高いならローン販売コースを、販売店が限られていて地方では買えないのなら通販サイトを用意するというようにです。
つまり、宣伝だけでなく消費者へのサービスを整えることで、購入意欲に最後の一押しを加えることが大事なのです。