口臭の原因と唾液の効果
口臭のイヤな臭いの原因は『硫化水素』。この硫化水素を作り出しているのが、口の中にいる『細菌』です。
口臭予防には歯磨きが最適とされているのは、磨きによってこの細菌を取り除く事ができるから。
しかし、細菌は歯の表面だけではなく、舌の表と裏、顎、喉とそのさらに奥など、ありとあらゆる場所に生息する為、歯磨きだけで取りきる事は不可能です。
唾液は天然の殺菌成分
唾液には、酸素(さんそ)と酵素(こうそ)が含まれ、これらが殺菌と抗菌を同時に行ってくれます。
また、1日で1ℓ~1.5ℓと大量に分泌される唾液が、細菌の栄養となる食べかすを洗い流してもいます。
口の中に問題があっても口臭が発生しにくい人がいます。
その人は正常な唾液の分泌よって、細菌の発生を抑制しているからでしょう。
唾液が減る原因
唾液が減る事で、口内は乾燥。細菌が臭いの強いガスを次々と作り出していきます。
では、なぜ唾液の量が減ってしまうのでしょうか?
ドライマウス
最も症状が重いものでは、ドライマウスが上げられます。
その名前の通り口の中が乾燥する病気で、口臭の他にも唇や舌のひび割れる事もあります。
粘膜が乾燥するシェーグレン症候群( http://www.nanbyou.or.jp/entry/111)や糖尿病などによって起きる事もありますが、その多くは原因が分かっていません。
鼻炎(口呼吸)
鼻炎や蓄膿症により鼻が詰まると、自然と口呼吸になりますが、これも唾液を減らす大きな原因です。
飲酒
お酒を飲むとトイレが近くなり、水分を尿として排出。また、アルコールを分解するには体内の水分が必要になります。
マウスウォッシュ
歯磨きの仕上げなどに使う洗口液も、口の中を乾燥させる原因になります。
マウスウォッシュには、エタノールが含まれているものが多く、これが乾燥する時に、口の中の水分も奪っていきます。
唾液が減っても大丈夫な『生理的口臭』
他には、『寝起き』『緊張』『空腹』『生理』の時にも、唾液が減り口臭がします。
しかし、これらは誰にでも起きる一時的なものなので、それほど問題にはなりません。
唾液の分泌を増やす方法
口臭予防には欠かせない唾液を効率よく増やすのは、それほど難しくはありません。
方法1:水分補給
唾液を作るには、水分が必要です。意識して1日に1.5ℓの水を飲むのが良いでしょう。
ただし、お茶やコーヒーには利尿作用があり、取り過ぎは逆効果です。
方法2:よく噛む
『噛む』行為で唾液腺を刺激する事で、唾液の分泌を促します。
食事をよく噛んで食べる事はもちろん、ガムも効果的でしょう。
方法3:舌を動かす
『口をあけ、舌を前に突出し、上下左右に動かす』のが効果的。
もしくは、『口を開けずに、頬の内側からほうれい線を押し上げるように回す』のも良いでしょう。
人に見られるのが恥ずかしい場合は、『口を閉じたまま、舌先で奥歯から前歯、反対の奥歯へとなぞる』事を繰り返すと、じわっと唾液が溢れてきます。
方法4:マッサージをする
こめかみの下、ちょうど耳たぶの高さに『耳下腺』という唾液腺があります。
この位置に両手の指4本をおいて、くるくると回すようにマッサージしてください。
また、親指を揃えて、舌を真下からゆっくりと押し上げることで『舌下線』を刺激できます。
この辺りはこりやすい部分ですので、こまめにマッサージを行うと良いでしょう。
健康には欠かせない唾液の役割
唾液は口臭予防にだけかかわりがある訳ではありません。
もしも唾液が無くなったら、乾燥した舌はひび割れ、何を食べても味が分かりません。
また固形物は飲み込めなくなり、食べられるのは流動食のみ。しかもデンプンの消化が悪くお米は食べられなくなるでしょう。
さらに、唾液に含まれる成長ホルモン『パチロン』が取れなくなり、骨や筋肉の成長と回復が遅れ、どんどんと老け込んでしまいます。
普段、あまり意識しない唾液ですが、口臭と健康のために少し見直してみてはいかがでしょうか