『TOEFL』と『SSAT』の違い
アメリカのボーディングスクールといった私立の高校に留学する際には、この2つの試験を受ける必要があります。
TOEFLはTOEICの人気の高まりと共に一般にも広まっていきましたが、SSATに限っては留学経験者か、留学を希望していろいろと調べている人以外にはほとんどなじみのない試験ではないでしょうか。
アメリカ人も受けている『SSAT』
この二つの最も大きな違いは、「TOEFLは海外からの留学者しか受けない」のに対して、「SSATはアメリカ本国の人も受験している」事が上げられます。
その差は、試験の目的が関係しています。
TOEFLは「非英語圏からの留学者が英語をどこまで理解しているか」を測るテスト。
対して、SSATは「中学(ミドル・ジュニアハイスクール)までの内容を理解できているか」を見る共通テスト。
つまり、TOEFLは英語でのコミュニケーション能力を測定し、SSATでは学力を測定していると考えると、分かりやすいでしょう。
全入学希望者が受けるSSAT TESTとは?
「Secondary School Admission Test」。略して「SSAT」。
全員が寄宿生活を送るボーディングスクールを含めた、ほぼ全ての私立高校で受験が義務づけられているSSAT TEST。毎年、約6万人が受験しています。
試験は5~7年生(中学留学)用の「lower」と、8~11年生(高校留学)用の「upper」の2つに分かれています。
また試験は年に複数回あり、日本では11月、12月、1月、3月、4月と5回のチャンスがあり、1人の生徒が2~3回チャレンジするのは普通に行われています。
ちなみに、大学入試の共通テスト「SAT」と「SSAT」の点数は比例すると言われ、大学への進学率に力を入れている高校では、SSTAの点数を重視する傾向にあります。
SSATの試験内容
試験内容は、3つのセッションに分けて行われます。
- 英語の語彙力を判定する『Verbal』
- 英語の読解力を判定する『Reading Comprehension』
- 数学の理解力を判定する『Quantitative』
アメリカでの学力を測定するテストですので、問題は言うまでもなく全て英語で出題。
Quantitativeは重要な単語が理解できれば、あとは計算や図形の問題なので高スコアを取る事も出来ます。
しかし、英語の語彙力と読解力を判定する残りの2つは、ネイティブの英語力が基準になっている為、なかなかにハードルが高くなっています。
順位がパーセント表示?日本と違う採点方法
SSATの採点方法は、受験者の実点数(全問正解で2400点)を、過去3年間の結果と比較し、そこからパーセンテージ(最高は99%)を算出し評価されます。
つまり、99%に選ばれるという事は、過去3年間の受験者18万人の1%に入っているという事です。
統計を取る方法としては、TOEICが近いと言えるかもしれません。
また「4問間違えると、正解数から1問引かれる」というのも独特。
その為、「分からない問題は空欄にする」という、「とりあえず解答欄は埋める」という試験対策とは真逆なテクニックが存在します。
SSATの評価は足切りに使われている?
「足切りには使用しない」と発表している学校もありますが、難関校ほどスコアが高いのも事実。
有名校の平均スコアは90%。
名門と呼ばれている学校を志望するのであれば、少なくても85%。
95%を超えれば、ほとんどの高校に合格できると考えられます。
留学にはさけては通れない二つの試験
日本の大学受験にTOEFLが採用される可能性があると、一部では報道されています。
しかしSSATは一部のインターナショナルスクールや、留学を希望する人のみが対象で、一般に広がる可能性は低いと言えるでしょう。
つまり、それは「日本ではSSATの対策がやりにくい」という事の証明に他なりません。
自分や自分の子供を留学させたいと考えるのなら、余裕を持った受験対策が必要になるでしょう。