仕事には人の本質が出る
どれだけ世の中が便利になっても、仕事の最小単位が「人」であることは変わりません。
職場から人間がいなくなるということは、それは知性を持ったコンピューター軍団に世界が乗っ取られるということと同義ですので、まず起こらないでしょう。
考えることができるのが人、感じることができるのも人。本音と建前をうまく使い分けることができる人。摩擦が生じることもあれば、理由もなく仲良くできることもあります。
予測できるようで出来ないのが我々人類です。だから仕事は面白い、だから社会は面白いのです。
「仕事がその人のすべてではない」という考えを持つ方は多いですし、確かにプライベートでなければ垣間見ることができない人の側面も多々あります。しかし、1日の中で8時間から10数時間も関わる仕事において、人間性が現れないということはまずありません。
確実に人柄は仕事に反映されますし、それが仕事で関わる人に案外ダイレクトに伝わってしまうものです。職場で人気がある人、頼れる人、厳しい上司、寡黙にただ仕事をこなす人、自身が誰かにそのようなイメージを持っているのと同じで、職場のみんなもアナタに対して、そのような一言で表すことができるイメージを抱いているのです。
それは上司から見ても同様です。「自分は人から常に見られている」その自覚をまずは持つべきです。
壁に耳あり障子に目ありは本当
自身がどんな人であれ、仕事の本質には関係ない、評価には関係ないと考えるのは少し間違っています。就職面接が第一印象で左右されるように、人事的な評価もイメージが先行するからです。「この人はサボる人だ」と捉えられている場合、どのような輝かしい実績も薄れてしまいます。
「自分は正当な評価を受けていない、会社がおかしい」と考えている方は、それがどこか態度に出てしまい、反骨的な人物だという評価になってしまう可能性もあります。自身が気がつかない挙動や表情まで、人に見られていると考えることが大切です。そして、それが仕事の評価に繋がってしまっている、ということも重視する必要があります。
ただ、時には疲れてしまって何もしたくなくなるということがあったり、どうしても納得できないことがあったりするのが人間ですから、完璧に自身を演出するのは不可能です。
社会人全員が聖人にでもならない限りはどうやっても「人柄」が出るものです。
演出ではなくリアルにする
嘘やタテマエはすぐにバレます。それではどうすればいいのかというと、自身が絶対に人に負けないという何かを作ることです。そうすれば、他人からの評価を上げることができますし、それに相応しい人物に成長することができます。
例えばどうするかというと
・絶対に定時の1時間前に出社する
・電話には一番に出る
・挨拶は声を大きくする
・笑顔を絶やさない
なんだか社会人一年目のような決まりごとですが、基本というのは馴れていくとダラダラと崩れてしまうものです。長く勤めていると有給休暇もある程度の日数をもらえてしまいますから、飲み会の次の日に午前半休を取ったり、商談に行って直帰すると言って遊びに行ったり、サボろうと思えサボれてしまう場合もあります。
そのような
「怠惰リーマン」に陥りつつある方こそ、今一度基本に立ち返ることが大切です。
実は、上記に挙げたことは、筆者はずっと続けていることです。
定時よりも1時間早く出社することで、静かな環境でその日1日の予定を立てることができます。電話に誰よりも早く出ることで、社内外の方とコミュニケーションを取ることができます。
挨拶は声を大きくする
挨拶にしても相手にしっかりと聞こえる声で発すれば相手は返してくれます。笑顔に関しては勤務中終始笑っているわけではないので誤解なきよう。
その結果どうなっているかというと、「君は真面目だね」というイメージが付いているようです。これを毎日続けていると、もうこのスタイルから外れてしまうことに違和感が生じてしまいます。
定時の1時間前に出社する
特に効果があるのは出社時間です。以前、「朝活」なんていう言葉も流行りましたが、定時前の1時間が、その日の中で一番生産性の高い時間になっています。確かに朝が辛い時もありますし、急にお腹が痛くなってしまうときもあります。定時の1時間前に間に合わない状況も起こる可能性があります。
それではどうするのかというと、ここから先は半分趣味の世界ですが、筆者は定時の1時間前のさらに1時間前には会社の近くのカフェにいます。もはや変態ですね。これが正しいわけではないとは思いますが、「絶対に遅刻しない」と決めているので、東京の遅延しやすい電車事情を鑑みると、このような選択になったのです。
9時定時の仕事に対して5時半の電車に乗るという毎日を続けています(そうして生まれるのがこの記事なんですね)。この生活がずっと続いているので、筆者にとっては普通のことになっています。
遅刻率ゼロ、当たり前です。体育会系の職場から社会に入ったということもあり、今でも自身の中の常識は「遅れる電車に乗る者が悪い」ということになっています。
このように、自身に何かを課すということ、それも基本に近い部分で何かを課すことで、社会人としての底力は確実に付きます。ここからもう一段階登ると、午前のうちに絶対営業のアポを一件取るなど、実務に関係する部分での縛りを入れていくことになり、実績も伴うことになります。
自身の中で当たり前になったことは、その後もずっと続きます。それはやがて社会人としての武器になります。定時の1時間前から仕事をしていると、定時を回る頃には頭の回転が完全に仕事モードになっています。
定時間際に来て「さぁ、今日は何をしようかな」などと考えている方と比べると、断然スタートダッシュが切れます。結果仕事もはかどります。
「自分のルール」を徹底していく
そして一番重要なことなのですが、そのような「自分ルール」を徹底していくと、誰が何と言おうと関係なくなります。自分にとっては当たり前のことになるからです。
評価のためにやっているのではなく、自分のためにやっていると心底思うことで、結果として評価が付いてきます。
人がどうなのか、ということではなく、自分がどれだけのものなのかということを考えることで、「人の視線が気になる」というストレスからも解放されます。
社会人はストイックになることで、成長することができるのです。お試しあれ。