密度を意識して限られた一日を有効に活用しよう!
私たちに与えられている一日は常に24時間。何かの拍子で36時間や48時間に増えることはありませんし、18時間・12時間というように減ることもありません。
しかし、与えられている一日の長さは同じでも、一日に出来る仕事量は人によって大きく違ってくるものです。
仕事量が多い人と少ない人の違い、それは時間の使い方の違いにあります。
「限られた時間をいかに濃密に使うか」、これを意識することが時間術の基礎であり極意なのです!
では、どうやって時間の密度を濃くすればいいのでしょうか?
短く区切った時間の中で集中する!
時間の密度を濃くするためには、何と言っても「集中力」です。
集中して作業に取り組んでいる時は時間の流れは気にならないし、最高のパフォーマンスが発揮されます。
しかし、人間の集中力が持続する時間は30分から90分の間と言われ、長時間集中し続けることは不可能といっても過言ではないでしょう。
では、どのようにして集中力で時間の密度を濃くするかというと、「時間を区切って使う」のです。
10分か15分、長くも短くもないくらいに時間を区切ってその間はわき目も振らず、目の前にある作業に全力で集中します。時間の区切り目が来たら一端作業を完全に止めて、2~3分の休憩を取りましょう。休憩時間が終わったら、戻って10~15分間集中して作業を行なう。これを繰り返すのです。
時間の区切りはキッチンタイマーなどを使うと便利ですが、必ず他の人の迷惑にならないよう音量調節しましょう。
To-Doリストで行動の優先順位を付けよう!
引越しや大掃除をする時、出てきたマンガやアルバムに気を取られて全然作業が進まなかったという経験をしたことがある人は意外と多いものです。
これは引越しや大掃除といった「やるべきこと」が、マンガやアルバムを見るといった「やらなくてもいいこと」に取って代わられたために起こるものです。
「やるべきこと」と「やらなくてもいいこと」を羅列し明確に切り分けた「To-Doリスト」を作業に先駆けて作っておくことが時間の密度を濃くする助けとなります。
期限がある仕事など優先順位の高いものは「やるべきこと」に、プライベートメールの確認など優先順位が低いものは「やらなくてもいいこと」に振り分けます。
そして、作ったTo-Doリストは机の前などの目に付く所に張っておくこと。やるべきこと、やらなくてはいけないことを再確認することで、「やらなくてもいいこと」に逃避しないようにする効果を発揮します。
作業は絶対に並行させるな!
聖徳太子は一度に十人を相手にそれぞれの違った希望を聞き分け、適切な回答を行なったという言い伝えがあります。これに習ってか、電話対応と書類作成と表計算というように、「一度に複数の作業を同時並行して進められる」ことが『仕事の出来る人間』であるといわれています。
しかし、実際に複数の作業を同時に並行して行なう「マルチタスク」は仕事の効率を低下させ、時間を無駄遣いさせる原因になってしまいます。
逆に作業を一つ一つ確実に進めたほうがマルチタスクで勧めるよりも早く終わることさえあります。世の中にはマルチタスクができる人も確かに存在しますが、一種の才能のようなものなので参考にはならないと考えるべきでしょう。
残業無しで就業時間にメリハリをつける!
時間の密度は行動一つで濃くすることも出来れば、薄くすることも出来ます。時間の密度を薄くする方法の一つが「残業すること」です。
「今日は残業しよう」と考えると無意識の内に就業時間内の仕事が疎かになって、残業を自己正当化することになります。こうなると時間の密度は薄くなる一方です。
残業は「どうしてもその日のうちに片付けなければならない仕事」がある場合などやむを得ない理由ならばするべきですが、理由がないときは定時で帰れるように仕事を就業時間中に片付けてしまうべきなのです。
「絶対に残業しないぞ!」と心に誓って仕事をするのと、「どうせ残業するからいいや」と考えて仕事をするのとでは、時間の密度も仕事の質も大きく違ってくるのです。
「忙しい」「時間が足りない」は口にしない!
人間とは不思議なもので、自分が口に出した言葉に引きずられてしまうことが多々あります。
疲れてもいないのに「疲れた」と言っていたら疲労感が大きくなったり、時間に余裕を持って家を出たのに「間に合わない」と言っていたら本当に時間に間に合わなくなったりしてしまうことさえあるのです。
時間を濃密に使うためには、「忙しい」「時間が足りない」などの時間の不足を嘆く言葉を自分で言わないようにするべきです。
目的や希望に対しての後ろ向きな言葉は、自分の心にブレーキを掛けてしまうからです。
時間術を実践する上で口にすべきは「時間が余る」「暇が出来る」というような、『時間術の実践で享受出来るメリット』です。メリットを口に出して言うことで、時間術を実践することに対してのプラス思考が作られていきます。