節税対策で人気のアパート経営は思っているより甘くない。|トピックスファロー

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2013年4月23日
節税対策で人気のアパート経営は思っているより甘くない。

遺産相続を見越した資産運用テクニックとして「アパートを建てて経営しろ」とよく言われているものですが、実際にアパートを建てて管理・経営するとなると大変な負担を強いられてしまうものです。アパート経営の難しさ、管理の大変さとはどのようなものなのでしょうか。

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アパート経営は思っていたより簡単じゃない

「働かざる者食うべからず」とは言いますが、正直な話、人は誰でも大なり小なりは「出来れば働かなくてもお金が入ってくる立場になりたい」という願望を秘めているもの。
働かなくても発生する収入、いわゆる不労所得を得るにはアパート・マンションなどの賃貸用不動産を所有するのが一番です。アパートなら複数の部屋を所有できるので家賃収入増も期待できるし、建築費等で相続税対策にも有効と人気がありますが、早々上手く回らないのが世の中の常というもの。
楽に収入増出来ると人気のアパート経営には、様々な苦難が待ち構えているのです。

人が入らなければ収入は増えない

当たり前のことですがアパートにしてもマンションにしても、入居者がいなければ家賃収入は発生しません。アパート経営者は、いかにして入居者を増やしていくかを考えなければならないのです。

入居者がアパートに求めているものは、「家賃」「設備」「立地」の三つであると言っても過言ではないでしょう。出来れば家賃は相場よりも安く合ってほしいし、風呂・トイレを完備していてなおかつ収納も充分であってほしい、そして何より駅や商店街に通いやすい場所にあってほしいというのが本音です。
こういった入居希望者のニーズを汲み上げ、反映したアパートづくりをしないと入居者は増えて行かないのです。

経営者は建物の保守・管理に従事しなければならない

建物は建てておけばそのまま何十年もメンテナンスなしで住み続けられるというわけではありません。人が住めばその分だけ中は汚れていくし、トイレや水道がつまってしまうこともあります。何かの拍子で窓ガラスが割れたり、階段の手すりがさび付いたりしてしまいます。

アパートの経営者には、建物の老朽化による破損などについて保守・点検を行う義務があります。水道が壊れたら業者を呼んで修理を行うとか、外壁や屋根を塗り直すといったようなことは迅速に対処しなければなりませんし、ボイラーなどの設備も耐用年数が来る前に点検・交換を手配しなければなりません。
このように、アパート経営者は家で寝転がっていればいいというわけではなく、アパートの不動産価値を維持するために動き回らなければならないのです。

なるべく空き室が出ないようにしなければならない

賃貸のアパートやマンションは、進学・就職・転勤の時期になるとどうしても退去者が出てくるものです。退去者が出るということは、逆に言えば新しい入居者が来るということでもあるので、掻き入れ時であると前向きに考える方が良いかもしれません。
しかし、退去者よりも少なく入居者が入って空き室が出てしまうことはあまり良いことではありません。空き室が出てしまうと家賃収入の減少、そして維持・管理費が掛かってしまうことになるからです。空き室が出ないような家賃設定や募集広告を出すといった経営努力も必要になってきます。

築年数による資産価値低下も考える

一戸建て・アパート・マンションを問わず、不動産の上物は年数を重ねるごとに老朽化し資産価値も低下していく物と相場が決まっています。築年数が新しいうちは強気で家賃設定をしても通るものですが、築年数が10年、20年となっていくと新築当時の家賃設定では通用しなくなっていくのです。

このように、築年数を重ねたアパートは家賃を引き下げることも考えなければなりませんし、資産価値の回復を図るためにリフォームまたは建て直しを行うことを考える必要も出てくるのです。
このように、アパート経営者は入居者の満足度だけでなく、建物の資産価値の維持を考えなければならないのです。

著者:塩屋 謙

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職業は編集・校正、そしてWEBライターでもあります。興味の範囲を広げつつ、様々な記事を書いています。