相続はお金持ちだけの問題ではない!係争の実態とそれを回避する方法とは?|トピックスファロー

  • 未経験から歓迎のライター募集
1,075 views
2015年2月27日
相続はお金持ちだけの問題ではない!係争の実態とそれを回避する方法とは?

相続でもめるのは一部のお金持ちだけ。そんな風に思っていませんか?データによると、相続に関する係争において対象となる相続財産の金額は5,000万円以下がほとんどだそう。「自分にも関係あるかも」と思いませんか?そこで、生きているうちにできる対策について具体例を用いて説明します。

ファイナンシャルプランナー(AFP)兼WEBライター
  

「自分だけは大丈夫」と思っていませんか?

テレビドラマを見ていて、こんなシーンに出くわしたことはありませんか?誰かが亡くなって、家族や親戚一同が集まっている。目の前には銀行の通帳や土地の権利書。一人が『自分の嫁は親父(亡くなった人)の面倒を見ていたのだから、もっと遺産をもらっていいはずだ』と主張し始め・・・

典型的な「遺産争い」の現場です。「そんなのって、テレビドラマや一部のお金持ちの人だけの話でしょ?」と思われるかもしれません。「自分には関係ない、大丈夫」と安心しきっている人もいらっしゃるでしょう。でも、これから書くことを冷静に読んでみてください。

意外と身近な相続問題

2011年度の司法統計年報の「遺産分割事件件数の遺産価格別割合」によると、「1,000万円以下が31%」「5,000万円以下が45%」ということです。つまり、約8割が「5,000万円以下の相続でもめている」ということになります。

お金

5,000万円と書くと、一見莫大なお金のように思えますが、大都市近郊に持ち家を持って暮らしていれば、その不動産価値だけで相当なものになります。また、長年働いてきた人だったら、銀行や郵便局に貯金や預金があったり、有価証券の1つや2つは持っていたりするものです。

何が言いたいのかというと、「5,000万円以下のラインなら誰でもあっという間に達してしまう」ということです。言い換えれば、「遺産争いは他人事でもなんでもない」のです。それでも「自分は関係ない、大丈夫」といえますか?言えない人のほうが多いですよね。

では、このような「遺産争い」を回避するためには、いったい何に気をつければいいのでしょうか。

生前からできる対策のうち、「最低限これはやるべき」ということを2つとりあげておきましょう。

1.遺言状を作る。

そもそも、遺産争いは何が原因で起こるか考えたことがありますか?「分けなくてはいけないお金がふんだんにある」ことも原因ですが、一番は、「亡くなった人がどうしてほしかったのかわからない」ことが原因で起こるのです。

そのため、残される家族のことを考えれば、何らかの形で自分の意思を残すことが必要になってきます。いっぱしの財産を持っているなら、それをどう分配するかということもオフィシャルな形で残すといいでしょう。それが遺言状です。

ノート

遺言状を何らかの形で作るのは相続においては大事なことです。なお、似たようなものとして「エンディングノート」というものがあります。

これには法的拘束力はありませんが、「自分が亡くなった後にどうしてほしいのか」ということを伝える上で有効な手段となるのは確かなので、時間があるときに作っておくといいかもしれません。

エンディングノート自体は文房具店や書店などで売っているので、興味がある方は入手して、書き始めてみるといいでしょう。

2.生前贈与の制度を活用する。

先ほどから書いている通り、相続がもめるのは「亡くなった人が何を考えていたかわからないから」ということが原因の一つとして大きいです。ならば、生きているうちからできることはやっておこう、というのがこの生前贈与という制度です。

これは、文字通り、「生きているうちに財産を親族に贈与する」という制度です。

この制度を使えば、もらう人1人あたり年間110万円(基礎控除額)まで贈与税がかかりません。また、この制度は相続税の節税にも役立ちます。
具体的な数値を用いて、生前贈与の制度を使った場合と使わない場合では、どれぐらい相続税が違ってくるのか考えてみましょう。

仮に、被相続人のAさんがいるとします。そのAさんが3人の子供に毎年120万円を10年間贈与するとしたら、贈与しない場合に比べて税金はどう変わるのでしょうか。

Aさんの相続財産を1億5,000万円とした場合、基礎控除額は4,800万円(=3,000万円+600万円×3人)となります。課税遺産は1億200万円となり、3人で均等に割ったとすれば、相続税の合計は1,440万円(=(1人当たり課税遺産3,400万円×税率20%-控除200万円)×3人分)となります。

一方、生前贈与を使った場合、10年間でかかる贈与税の合計は30万円となります。これは、「基礎控除後の課税金額10万円×税率10%×3人×10年」という式で求められます。また、相続税の計算の基礎となる課税遺産は6,600万円となり、3人で均等に割ったとすれば、相続税の総額は840万円となります。(なお、計算式は「(1人当たり課税遺産2,200万円×税率15%-50万円)×3人」として計算。)

ずいぶんと金額が違うことがお分かりいただけましたか?相続税の節税にもなって、話し合いができる状態で財産が分配できるので、この制度を活用しない手はありません。

相続

まとめ

「金の切れ目は縁の切れ目」と言うことわざにもあるように、お金のトラブルはいつの時代でも人間関係に大きくかかわってしまうもの。そのため、「人生においてお金がからむ一大イベント」である相続も慎重に行う必要があります。

「生きているときから死んだ後のことを考えるのは縁起が悪い」という風潮が日本にはまだあります。しかし折を見て「自分が死んだ後のお金の扱い」を真剣に考えるのは、とても大事なのです。

著者:松沢未和

ファイナンシャルプランナー(AFP)兼WEBライター
アイコン
2014年にファイナンシャルプランナー(AFP)の資格を取得した兼業WEBライターです。もともと文章を書くことが大好きなので、この仕事を兼業として選びました。相続や保険の分野のお話をわかりやすくまとめてお話できればと思っています。これ以外にも、たくさん資格は持っているので、資格の取り方の話しもしたいところです。また、食べ歩きと旅行とコスメ研究が大好きです。日々の研鑽の成果!?を文章にぶつけていきたいです。至らない点がいろいろあるかと思いますが、よろしくお願いいたします。