歯周病で脱落した歯はどんな義歯で補える?|トピックスファロー

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2012年10月5日
歯周病で脱落した歯はどんな義歯で補える?

サメならいざ知らず、人間の永久歯は抜けてしまったらもう二度と生えてきません。だからこそ歯は大事に使わなければなりませんが、もしも歯周病の進行で根元からボロッと抜けてしまったら義歯で補うしかないのです。自前の歯を補う義歯について解説していきます。

取材ライター
  

もしもあなたが歯を失ったら義歯に頼ることになる

歯周病の怖さは何と言っても、進行しきってしまうと根っこからポロっと歯が取れてしまうということです。
一度抜け落ちた歯は二度と元には戻らないし、永久歯であれば二度と生えてくることはありません。歯が抜け落ちると、食べ物を噛めなくなる上に噛み合わせが悪くなって体の調子まで悪くなってしまうのです。
歯周病で歯が抜け落ちてしまったら、義歯で失った歯を補う必要が出てくるのです。

天然自前の歯を補う人工の義歯

入れ歯や差し歯などの義歯は、失った歯の代わりになるもので見た目を決定する審美性や、歯としての機能を果たす実用性を持っています。
昔は動物や人間の歯を持ってきて義歯にしていたため、唾液で溶けてしまうので消耗品になっていたといわれています。
現在の義歯は身体に負担の少ない金属である金や銀、チタン、強度の高いセラミック、人工樹脂などが使われています。

義歯を入れるとどんなメリットがある?

あれこれ健康には気を使うけれども、歯には無頓着という人も結構少なからずいるものです。そういう人は義歯が必要な状態になっても気にしないものですが、抜けた歯を補うために義歯を入れることには多くのメリットがあります。

見た目が良くなる

歯が一本抜けた状態でニッと笑うと、歯列にぽっかりと穴が開いたようになってなんとも見栄えの悪いものです。一本だけならまだしも、二本三本と穴が増えていくとこれはもう漫画のような見栄えになってしまい、みっともなくなってしまうのです。
義歯を入れて失った歯を補うことで、歯列の穴が消えてニッと笑った時の見栄えが良くなり、表情も出しやすくなるのです。

食事が楽しくなる

歯の最大の役割は食事の際に食べ物を細かく噛み砕いて消化しやすくすること、そして食べ物の歯ごたえを感じることです。
食べ物の美味しさは歯に伝わる歯ごたえ・噛みごたえ、そして噛むごとにはっきりしてくる味わいがあって感じられるものです。歯を何本か失っていると噛みにくくなり、食事を美味しく楽しむことが難しくなってしまいます。
義歯を入れていれば、自前の歯があった時と同じように噛めるので、食事も自前の歯のように楽しめるのです。

噛み合わせが良くなる

歯の噛み合わせは、私たちが思っている以上に身体に大きな影響を与えているものです。我慢したり力を出したりする時に「歯を食いしばる」というように、歯を噛み締めることは身体全体に力を通すことに繋がります。

そして、噛み合わせが悪くなればその分だけ体の力の入り方に歪みが生じ、肩こり・腰痛・頭痛などの原因になってしまうのです。
そうならないためにも義歯で歯を補い、かみ合わせを可能な限り補正することはとても重要なのです。

義歯にはどんなものがある?

もしもあなたが歯磨きをサボって、虫歯にはならなかったものの歯周病を発症してしまい、歯磨きをしっかりやるようになったものの時すでに遅し。せっかくの自前の歯がボロボロと歯周病で抜け落ちてしまう事態になった時、どのような義歯を入れるべきなのでしょうか。

ブリッジ

抜けた歯の左右にある歯が健康だった場合は、「ブリッジ」と呼ばれる義歯を入れて補うことになります。

ブリッジは「橋」という名の通り、左右両側の歯を使って義歯を付ける方法で、見た目的にも機能的にも十分なものとなります。しかし、左右の歯を削ってブリッジを接続しなければならないこと、両側の歯への負担が大きいことなど、デメリットも多いのが難点です。

有床義歯(入れ歯)

一般に「入れ歯」と言われる有床義歯は、人工歯と歯茎を覆う床、現存する歯にひっかけるクラスプなどで構成されています。一部または全部の歯が失われている場合、有床義歯を使って補うことになります。

有床義歯は歯並びそのものを再現できるため、非常に自然な形で審美性と機能性を両立できますが、歯茎と床の間に隙間が出来てしまい、噛んでいる最中にグラついたり隙間に食べカスが入り込んでしまったり、歯茎で食べ物の温度を感じ取れなくなるので料理の美味しさが半減するといったデメリットがあります。

デンタルインプラント

義歯の弱点は天然自前の歯と比べるとどうしてもグラつきがあること、煎餅のような歯ごたえのあるものが食べにくくなってしまうことであるといえます。
天然自前の歯と同じように硬い物もバリバリ食べられてグラつかない義歯が、デンタルインプラントです。
デンタルインプラントは生体組織とチタンの親和性を利用して強固な義歯の基礎を作るのが特徴です。

その丈夫さは高く、煎餅やアワビなどの硬い物をガリガリバリボリ噛み砕いてもグラつきもしないほどです。

ただし、歯の下の歯槽骨が吸収されている場合は骨造成手術を行わなければならないこと、基本的に健康保険が効かないので治療費が高くなること、施術する歯医者の技量が成功率を左右することなどのデメリットも多い、発展途上の技術です。

もしも義歯を入れるならどれがいい?

もしも、あなたが歯周病を発症し手を尽くしたものの歯が抜け落ちてしまう事態になった時、どの義歯を入れるのが良いのでしょうか。

抜けた本数が少ないのであればブリッジ、複数本が連なって抜けたのであれば局部床義歯(部分入れ歯)、お金に余裕があって精度の高い義歯が欲しいのであればデンタルインプラントを勧めます。

正直な話、義歯は天然の歯に比べたら一長一短と言わざるを得ません。しかし義歯を入れざるを得なくなった場合はデメリットに目を瞑って要求する長所を持った義歯を選ぶべきなのです。

著者:和田ちえみ

取材ライター
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三度の飯より書くこと聞くことが好き。インタビューやプロフィール作成、企業社内報など堅い文章も書けます。人の話を聞き、それをまとめるお仕事が多いです。