美白化粧品にたよる前に紫外線対策を
「美白」という言葉を聞くと、まっさきに思い浮かぶのは何でしょうか?
最新の成分が含まれる「美容液」や、バカンスを楽しんだ後のほてった顔にのせる「マスク」。また、朝晩のスキンケアで惜しみなく使用できる「化粧水」などの、「攻める」アイテムが中心になっているのではないでしょうか?
21世紀に入ってから、急速に美容医学が発達して、有効成分を肌の奥深くに届けられる美白化粧品も増えてきました。とはいえ、どれだけ優れた美白グッズを使っても、無防備な状態で皮膚を強い紫外線にさらしてしまうと、効果が感じられないどころか、逆効果になってしまうことすらあるのです。
日に焼けて炎症を起こし、皮がむけたり、ほてりを感じている肌にとって、化粧品の使用は、刺激が強く、細胞自体に負担がかかる場合も多いのです。
だから、高価な美白化粧品をライン使いするよりも前に、まずは、UVカット対策こそが必須なのです。
繊細な白い素肌を保つため、何よりも重要なのは紫外線から肌を守ること。つまり、美白のためには「防御こそが最大の攻撃」といえるでしょう。
日焼けどめを塗るより物理的に遮るほうがよい
それでは、強い日光から身を守るためには、「日焼け止めクリーム」や「日焼け止め乳液」を塗れば安心だと思っていませんか?
それも、SPFが強い商品ほど、陽射しをカットできるものだと考えがちです。生まれつき肌が強い方なら「日焼け止め」を塗り、皮膚の上に膜をはるだけで、だいぶ有害な光線をガードすることができるでしょう。
しかし、「アトピー体質」や「ニキビ肌」などをはじめとする、「外部の刺激に弱い肌質」の方にとっては、毎日「日焼け止め」を使用することは、皮膚に対して負担が大きいものです。粉が吹いたり、かゆみが出たり、違和感を感じるケースも少なくないようです。
筆者もニキビができやすいタイプの敏感肌です。自然派の化粧水に触れるだけでも、熱や痛みを感じることは日常茶飯事でした。それでも、「焼けたくない」とばかり、毎日UVカットクリームを使い続けて、その結果、日光アレルギーを誘発してしまったのです。
「日焼け止め」という名前の通り、肌を紫外線から守る効果はありますが、継続して使用すると、皮膚の抵抗力そのものを弱めてしまうのも事実なのです。というわけで、日光を素肌に通さないようにするためには、物理的に遮るのが安全な方法なのだと実感しました。
陽ざしから守る日傘や帽子を活用
しかし、いきなり何もつけないのは抵抗があります。筆者は学生時代から、化粧をしない日でも「日焼け止め」だけは、顔はもちろん、耳の裏や指の関節まで、少しでも素肌が見える箇所に、徹底的に塗りこんでいました。さらに、1日何度もSPF17の「ミネラル・ファンデーション」をはたいていましたが、首や腕は布地で遮っているだけでも、炎症がおきていないと気がついたのです。
今でも、外出する日は薄く「ミネラル・ファンデーション」か「シルク・パウダー」でベールをかけています。これは、UVカットが目的ではなく、あくまで身だしなみとしてのメイクです。けれどもボディは、完全に化粧品による紫外線対策はやめました。
そこで、「日傘」「帽子」「ショール」「カーデガン」「手袋」などの小道具が活躍します。はじめは「暑苦しそう」と敬遠するかもしれません。ですが、ふりそそぐ直射日光から身を守ることを実感できると、かえって涼しくて過ごしやすいものなのです。
美白ケアは、1日や2日だけ、がんばるのではなく、毎日コツコツ続けてこそ効果が感じられるものですから。
そう考えると「遮光グッズ」は、忙しい女性たちの強い味方といえるでしょう。
遮光率の高さよりも生地の厚さをチェック
「遮光グッズ」をデパートや、インターネットショップで選ぶとき、気になることがあります。それは、UVカット率の表示が「95%」や「98・5%」「99・9%」などわずかな差ではありますが、微妙にちがいがある点です。中には、まったく書いていない商品も見受けられます。やはり数字が高くなるほど、それに比例して効き目も強烈なのでしょうか?
はっきりいって、肉眼では「95%」も「99・99%」も区別がつきません。
そして、現段階では、表示に明確な基準が定められているわけではなく、メーカー側が提示できる仕組みになっています。多くの商品では「遮光率」とは、布地そのものをさしているのではなく、生地の表面を加工しているだけなのです。
だから、実際に使ってみると、暗闇にいるような錯覚になるほどの高い遮光効果を持つ商品もあれば、「これは、日傘なのか雨傘なのか?」と勘違いしてしまうくらい頼りないグッズも混じっていました。たとえ「99%」と書いてあっても、油断は禁物なのです。むしろ、遮光率の「%」の高さよりも、生地の厚さが肝心です。
価格と効果は比例する?
「遮光グッズ」をチョイスするポイントをお伝えしましょう。
「日傘」や、「アームカバー」も、使い捨て同然の安価なものから、値が張る商品まで、さまざまなランクがあります。価格と有効性は、比例するのか、そうでないのか迷うところです。また、日光を防御する力が強くても、大げさなデザインのものを持つのは抵抗がある、という気持ちもわかります。
もちろん、一概に高ければよいというものではありません。けれども、やはり、日傘1本が1000円から3000円ほどのものでは、高いUVカット効果は期待できないのも事実。それでも、開き直って何もしないまま歩くよりは、マシなのかもしれませんが・・・。
ただ、矛盾するようですが
これらは、特別、遮光用として作られていなくても、繊維全体で皮膚を包み込むため、結果として光を通しにくいのです。
ただ、「日傘」と「帽子」「サンバイザー」などは、照りつける陽射しを「散乱」させるのが目的です。そのため、より高性能で確実な遮光性がもとめられます。
というわけで、
安い買物ではありませんが、長い目で見ると、決して無駄遣いではないのです。
UVカット率100%のアイテムがあった!
いろいろな、UV用のアイテムを試した中で、もっとも優れた効果を実感したのは、「遮光率100%」をセールス文句にかかげている「サンバリア100」というメーカーの商品でした。
これまで、「99・9%」カットという超大判のゴルフ用の日傘(外側が黒で、内側が銀色)を持ち歩いていましたが、「サンバリア100」が販売している傘には、とてもかないません。数字の上では「99・9」と「100」の差は、たった「0・1」のちがいでしかありません。ところが、「0」と「1」が、大きく異なるように、わずかな開きが大切なのだと思い知らされました。
下記の写真は、筆者の私物です。無地の洋服が多いので、インパクトのある小物はアクセントになります。手品師の持つ小道具のようではありますが、開いても、閉じていても、とにかく目をひきます。だから、「うっかり、傘を電車の中に忘れた」という失敗もありません。
すっぴんでも安心の驚異的な威力
一般的に一番UVカット率が高いのは、黒色といわれます。しかし、サンバリア100は、淡い色でも、プリントでも、色彩に関係なく、すべての商品が、遮光率100%なのです。
さらに、表面だけを加工しているのではなく、生地そのものがちがうので、水洗いをしても遮光性が衰える心配をしなくてよいのです。通常ならば、晴雨兼用の傘でも、「雨にぬれる」とUVカット効果は弱くなるものですが、その心配がありません。
紫外線の「A波」「B波」だけではなく、「可視光線」や、「赤外線」も遮る効果もあります。そして、やっかいな照り返しにも対応しています。
最近では、筆者は「おしろい」さえもはたかずに、すっぴんのまま、「サンバリア100」の日傘を持ち歩くだけの日も多いです。
ところが、
そして、
美容のためだけではなく、網膜が薄くて「まぶしさ」に弱い方も、サングラスと併用すると、効果的ではないでしょうか。
遮光率100%の日傘は、さすと暗くなる!
スーパーの婦人雑貨売り場やブティックに行くと、「日傘」とはいうものの、中には、あからさまに光が通過しているものも見受けられます。ひどいものになると、景色がうっすら透けて見える傘までもが「UVカット用」として、堂々と売られていました。
見た目は涼しげな、シースルー素材や花柄レースのようになっているタイプは、ところどころ、穴があいているものまでありました。夏らしく、おしゃれなのかもしれませんが、日光を遮る目的はどこへ行ってしまったのでしょうか。これらは皮膚を日光からガードできないだけではなく、暑くてまぶしく、ほとんど気休め同然にすぎません。
これに対して
中途半端な紫外線対策は美白に大敵
また、使い続けていると、街角でも「サンバリア」愛用者を見わけられるようになりました。どの商品も生地が、とにかくしっかりしており、顔に直射日光が漏れてこないため、肌や顔立ちのアラを自然に隠せるという特徴があります。
いにしえから、美人のたとえとして「夜目」「遠目」「傘の下」といわれますが、必要以上に明るい光は、さまざまな意味で、美容の大敵なのです。半透明の日傘を持ち歩き、中途半端な紫外線対策をするのは、美しいとはいえないのかもしれませんが、いかがなものでしょうか?
手軽にガードできる帽子やサンバイザーを活用
春から夏にかけては、「日傘」が活躍しますが、傘をさせない場面や、秋冬にかけては、「帽子」や「サンバイザー」が便利です。
肌を守る紫外線対策は早いほど効果的
紫外線を浴びると、メラニン色素が活性化して、肌色が黒ずむだけではなく、「シワ」や「たるみ」「毛穴のボツボツ」の原因にもなりかねません。比較的、日照時間の短い日本海側の地域に暮らす方々の肌が、白いだけでなく、きめがこまかいのは、日光の害をうけていないからなのです。
理想は、生まれた時から徹底して陽射しを避け続けること。何歳からはじめても効果があります。日を浴びる時間が少なくなれば、皮膚の表面がつややかになり、手触りもやわらかくなります。
お肌のために北国に引越しをするのは難しいですが、
季節や天気にかかわらず、一年中注意が必要
薬局の「日焼け止めコーナー」は、季節によって、縮小したり拡大します。けれど、くりかえしますが、紫外線対策は、通年にわたって必要なのです。冬場は光が弱くなりますが、焼けないわけではありません。曇りの日も雨の日も忘れずにケアをしたいものです。
アイテムをしっかり見極めることが大事
透明感のある素肌を手に入れるためには、徹底したUVカットが必要です。
オゾン層の破壊が急速に進み、世界中で紫外線対策に力を入れるようになってきました。そのぶん商品の選択肢は多いのですが、本当に遮光性があるものは、ひと握りしかないのも事実なのです。
せっかく「日傘」や「サンバイザー」を使用するのであれば、効果があるものを選びたいものですよね。
数字だけを比べると、「99・9%」と「100%」は僅差ですが、実際は価格以上に大きな差がありました。それは白い素肌と、くすんだ肌との受ける印象ほどのちがいなのかもしれません。