介護福祉士
介護福祉士は、昭和62年に定められた国家資格の一つです。
病気や何らかの原因で身体に後遺症が残るなどして、生活が困難で介護が必要と判断された患者の、身の回りのお世話(食事、入浴、排泄など)が業務となります。
受験するためには、専門学校や職業訓練学校など、構成労働大臣の指定する学校の課程を修了すること。さらに、臨床など介護の現場での実務経験が3年以上あること、などが必要になります。
就業場所は、介護施設が中心です。
老人ホームを始め、介護病棟のある病院、デイサービスなど、介護を必要とする人が入所している場所で活動します。
社会福祉士
社会福祉士は、介護福祉士同様に昭和62年に法律で定められました。国から認定される国家資格であり、社会福祉に関する高度な専門知識が必要とされます。
身体や精神に何らかの障害がある人や、生活環境の問題などにより日常生活を営むのが難しい人に対して、福祉に関する相談・助言を行ったり、医師などの医療・福祉関係者との連携をサポートすることなどを業務としています。
社会福祉士取得には、福祉系大学(4年制)や専門学校などの養成施設で必要な課程を修了した人、査察指導員等で実務経験が5年以上ある人に受験資格があります。
社会福祉士の多くは、社会福祉協議会や地域包括支援センター、病院などの医療機関などで、相談や指導などの業務をこなしています。
精神保健福祉士
精神保健福祉士は、精神障害者が社会復帰できるように相談・援助していく者としての重要性が認められ、昭和62年に国家資格として定められました。
精神障害によって生じる生活・社会問題を解決するためのサポートや、社会復帰に関する相談・助言・訓練などを行い、精神障害者の社会復帰促進に携わります。
保険福祉系大学(4年制)や、大学(4年制)卒業後に精神保健福祉士指定の養成学校を卒業している場合などにおいて、受験資格を得ることができます。
精神保健福祉士を取得後は、精神科といった医療機関を始め、福祉支援施設や福祉行政機関に勤務し、精神障害者のサポートをしています。
訪問介護員
訪問介護員とは、ホームヘルパーと呼ばれ、介護保険法に基づいて訪問介護を行います。
自宅で生活している高齢者や、在宅介護をしている住宅に訪問し、必要な介護サービスなどを提供します。
ホームヘルパーが行える援助は、食事介助や排泄などの身体介護、料理や掃除などの環境の整備などとされています。
訪問介護員は、平成7年に見直し・改正が行われ、資格取得に必要な研修時間が変わりました。1級は230時間、2級は130時間、3級は50時間となっています。
自治体や社会福祉協議会などが主催する研修機関で、研修課程を修了した人は任用資格を取得できます。
訪問介護員が従事する先は、医療法人や社会福祉法人、民間で運営される訪問介護事業所などです。
福祉住環境コーディネーター
福祉住環境コーディネーターとは、近年社会福祉業界で注目されつつある住環境のアドバイザーです。身体に障害を持つ人や高齢者が、より生活しやすい環境となるよう、住宅の改修プランの提供などを仕事としています。
医療・福祉の知識はもちろん、建築における知識を有するなど、幅広い知識を持って医師や建築関係者などとの連絡調整を行います。
福祉住環境コーディネーターは、東京商工会議所が主催している民間資格で、1~3級まであります。受験資格の規定は設けられておらず、年齢を問わず、各商工会議所で受験することができます。
依頼者が住みやすい住宅の改修に携わる福祉住環境コーディネーターは、リフォームなどを行っている建築会社に勤務することが多いです。
社会福祉主事
社会福祉主事とは、各行政機関で保護などを必要とする人たちに相談・援助などを行う任用資格です。
任用資格は、大学や短大などにおいて、指定されている課程を履修することで取得することができます(社会福祉主事であれば、福祉系の大学や短大などになります)。
しかし、任用資格は公務員として就職しなければ、「社会福祉主事」などを名乗ることができず、資格が意味を成さないことも。
ですが、高齢化が進む中で、福祉に関する知識を備えてあることは、福祉業界の就職にメリットとなることでしょう。
福祉用具専門相談員
福祉用具専門相談員とは、介護を必要とする人の身体状況に適した福祉用具を貸し出し、支援する人です。
福祉用具は、家族や本人が選定するそうですが、利用する人の状態に合わせた福祉用具の相談・援助には、専門家の意見が必要になります。
福祉用具専門相談員には、資格が存在せず、受験資格なども必要にありません。
ただし、構成労働大臣が指定する「福祉用具専門相談指定講習会」にて、講義と実習の全40時間の履修が必要です。この講義・実習の課程を修了させることで、福祉用具専門相談員と名乗れるようになります。
福祉用具専門相談指定講習会の課程を修了させた後は、福祉用具を扱う貸与事務所に勤務することができます。介護用品を販売・貸与する事業所には、福祉用具専門相談員を2名以上配置しなければならないため、福祉用具の専門家として必要とされることでしょう。