激痛ドライソケットは、なぜ親知らず抜歯後に起こりやすいのか?|トピックスファロー

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2012年10月30日
激痛ドライソケットは、なぜ親知らず抜歯後に起こりやすいのか?

飲食や仕事など日常生活に大きな支障をきたすドライソケット。親知らずの抜歯後は特に起こりやすいトラブルですから、事前に原因・予防法・治療法などドライソケットに関する知識を深めておきましょう。治療して3日は経過しているのに、どんどん痛みが増している…。こんな方は可能性大ですから、要注意してください。

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傷口が塞がらない!厄介な“ドライソケット”

抜歯を行った後に起こりやすいトラブルの1つ、ドライソケットはとても厄介なものです。
ドライソケットとは、抜歯治療のために切開した傷口が塞がらず、歯槽骨がむき出しになることにより、ズキズキとした激しい痛みが生じることをいいます。

抜歯後はしばらく治療箇所が痛むものですが、日を重ねるごとに弱まっていくのが普通です。しかしドライソケットの場合それとは逆に、どんどん痛みが増していくのが特徴です。

ドライソケットの原因は、せっかくできた血餅が取れたり溶けたりしてしまうせいです。
血餅は“けっぺい”と読み、血液がジェル状に凝固したもののことです。血小板や赤血球などで構成されており、止血や傷口を保護する大切な役割を担っています。

うがいや濯ぎは、血餅の天敵!

なぜ血餅が取れたり溶けたりしてしまうのでしょうか?
最も大きな原因とされているのが、『うがい(濯ぎ)のし過ぎ』です。抜歯後は「もう二度と虫歯になりたくない」と歯のケアを強く意識するあまり、つい歯磨きやその濯ぎに力が入ってしまうものですよね。

歯の健康を守るという意味では良い事なのですが、ドライソケットにとってはこの『うがい』こそが天敵
何度も強くうがいや濯ぎをすると、その勢いに耐え切れず、血餅が傷口から剥がれ落ちてしまいます。イメージとしては、口の中で激しい嵐が巻き起こり、その濁流に憐れ血餅が呑み込まれてしまう感じ…です。

また細菌感染による炎症や『吸う』動作も、血餅を台無しにする原因となります。

~『吸う』動作の具体例~

  • 飲むゼリーや果実入りジュースなど、強い吸引が必要なものを飲食する
  • 風邪を引いた時など、鼻水を勢いよくすする

下顎の親知らず抜歯後は、特に注意して

ドライソケットは特に、下顎第三大臼歯つまり下顎の親知らずの抜歯後になりやすい傾向があります。
下顎の親知らずの抜歯は、難しくて複雑な治療を要する場合が多いため、細菌感染を起こしやすいのが理由と考えられています。

また親知らずの抜歯後は、痛みや経過が気になるあまり、つい治療箇所を指で触ってしまうもの。
特に下顎の親知らずは指が届きやすい場所に位置していますから、なおのこと触りたくなってしまいます。
気持ちは理解できますが、この動作も下顎のドライソケットを起こしやすくする原因の1つです。

圧迫止血でしっかり予防、治療も速やかに

ドライソケットを予防するには、まず治療後の圧迫止血をしっかり行うことが大切。
ガーゼで包まれた綿の塊を傷口に押し当てて、しばらくのあいだ強く噛むことで出血を止めます。そうするよう医師から言われるはずですから、必ず指示に従ってください。

血が止まっても、前記で述べたような動作はできるだけ控えましょう。
お酒を飲んだり、タバコを吸ったりするのも良くありません。お酒は血管を膨張させ出血の原因となりますし、タバコは酸素不足を招いて傷の治癒速度を遅くするからです。

十分注意したのに、それでもドライソケットになってしまった場合は、速やかに治療を受けに行きましょう。
傷穴に抗生物質入りの軟膏薬を詰める、わざと傷口を掻き再出血させ血餅ができるよう仕向ける。このいずれかの方法でもって、ドライソケットを治すことができます。

ドライソケットの症状は想像以上に過酷です。その激しい痛みや腫れのせいで、食べ物が喉を通らなくなったり仕事が手につかなくなったりと、日常生活に支障が出ることがしばしばありますから、予防や治療はしっかりと行ってください。

著者:渡瀬由紀子

WEBライターのかたわら、週末は雑貨屋めぐりしつつ、最新の文房具収集。好奇心を糧に幅広く執筆活動中。
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