あなどってはいけない歯茎の腫れ「智歯周囲炎」
歯が生えてくると、少なからず痛みや違和感を覚えるものです。少し腫れがあっても、「歯が生えてくるからかな」なんて放置してしまいそうなもの。
しかし、親知らずが生えてきた時の歯茎の腫れは要注意!繰り返したり、悪化したりするのです。最悪は生命に関わるのですから、あなどってはいけません。
親知らずは、「智歯(ちし)」「知恵歯(ちえば)」などとも呼ばれる「(下顎・上顎)第三大臼歯」ですが、まっすぐ生えてこないことも珍しくありません。親知らず周辺の歯茎の腫れ(炎症)は、親知らずがまっすぐ生えて来なかった場合に、歯肉と親知らずの隙間にたまった汚れが原因で起こります。
この炎症を「智歯周囲炎」と言います。「歯茎の腫れや炎症なら珍しくない」と思っている人も多いのでは??次に、智歯周囲炎の恐ろしさを紹介していきます。
智歯周囲炎で高熱や呼吸困難!?悪化すると恐ろしすぎる
智歯周囲炎の症状は次のように進行していきます。
初期症状 | 歯茎の腫れ 噛むときに痛む |
---|---|
進行してくると… | 歯茎に膿が溜まる 口を開けると痛みを伴うようになる 水を飲みこむのも痛くなる 顔や耳にも痛みが出る 高熱が出る |
さらにひどくなると… | リンパ腺や扁桃腺が腫れる 舌下や顎下などに炎症が起きて呼吸困難に陥る 菌が血液にのって全身に広がり、敗血症を起こす |
「ただの歯茎の腫れ」だと思ったら、生命にも関わる恐ろしい症状を引き起こす可能性があるのです。
智歯周囲炎の対処方法
まずは、親知らずが生えてきた箇所が腫れたら、医師に相談することが大切でしょう。「ただの歯茎の腫れ」と認識しないことが大切です。
歯科医院では、歯茎の腫れ方に応じて、抗炎症薬や抗菌薬を使用して炎症を抑えます。歯茎に膿が溜まっている場合には、切開して膿を出します。
レントゲンを撮り、親知らずがどのように生えてきているかを確認しますが、智歯周囲炎は繰り返しやすいので、腫れが引いてから抜歯することを勧められると思います。
親知らずが原因の口臭がある場合には要注意!
「親知らずが生えてきたら、口臭が気になるようになった…」という人は少なくありません。それは、親知らずと歯肉の隙間にたまった汚れが原因である可能性が高いです。
そうでなくても、周囲の歯との隙間に汚れが溜まったり、何かしらのトラブルをたどる可能性が高いので注意が必要でしょう。
口臭として現れている段階で、歯科医院を受診しましょう。炎症を起こす前に診てもらうことが大切です。
結果的に抜くことになる可能性もありますが、痛い思いをしてから抜くのと、痛みが出る前に抜くのではどっちを選びますか??
「絶対抜きたくない!」という人も、その親知らずの生え方を診てもらい、その歯が使えるのかどうかを確認することも大切でしょう。