エメラルドグリーンの海に眠る神秘・海底遺跡を見に行こう!
伝説のアトランティス大陸やムー大陸など、人々は長きにわたって「海に眠る未知なる存在」に思いを馳せてきました。しかし、科学技術の発達によって深海探査が可能になり、地面の構造などが明らかになるにつれて、「未知なる存在」の信ぴょう性が疑われるようになっていったのです。
しかし空想の産物ではなく、形を持った「海に眠る未知なる存在」は確かにあります。その一つこそが与那国海底遺跡なのです。
与那国海底遺跡とは
与那国海底遺跡は、1986年に与那国島沖で発見された巨石文化の遺構とされる巨石群の事です。数百メートルに及ぶ巨大な一枚岩には階段状・テラス状の壁が備わっており、人為的に加工されたと思しき痕跡を伺わせます。
1992年から木村政昭教授(当時)を中心に琉球大学による調査が行われ、「人工的な遺跡である」と発表したことで世間の注目を集めました。実際には遺跡説と自然地形説があり、未だ明確な結論は出ていません。
しかし、観光資源としてはこれ以上の無い神秘性があることは確かで、国内外を問わず多くのダイバーが訪れる人気のダイビング・ポイントとなっています。その中には古代文明を取り上げた作品で知られる作家グラハム・ハンコックや映画「グラン・ブルー」のモデルとなった名ダイバー、ジャック・マイヨールなども、与那国海底遺跡を訪れています。
海底遺跡を見るには
与那国海底遺跡は、島南部の新川鼻から沖合50mほど離れた海域に位置しています。そして沖縄本島から与那国島は500㎞離れているため、飛行機またはフェリーで移動しなければなりません。
与那国島は大陸に近いためか沖縄ともまた違った異国情緒があり、旅行プランに周遊日を組み込みたくなる魅力があります。
海底遺跡へのダイビングは、与那国島島内のマリンショップ・ダイビングスクールなどでツアーが組まれています。海底遺跡のある地点は水深10m~30mとなっていてライセンスが無い人でも監督者の指導の下で潜ればダイビングを楽しめる深さです。
場所が沖合50mということなので、必然的にボートダイビングになるので初心者には敷居が高くなってしまうのが難点です。
ダイビング中の注意点
海底遺跡近辺は、島周辺のダイビングスポットと違った雰囲気があり、いかにも古代文明があったかのような静謐さと、このような巨大な建造物のごとき岩が存在する神秘性が漂っています。
基本的には流れに身を任せてのドリフトダイビングで周遊することになりますが、場所によっては遺跡から遠ざかる流れがあるため、事前のブリーフィングは真面目に参加しなければなりません。
周辺にはバラクーダなどの熱帯性の魚が生息していて、幻想的な光景が楽しめますがバラクーダは人間を攻撃する習性がある魚なので、うかつに手を近づけるのは禁物です。