メラトニンってどんなホルモン?
たいていの人は、夜になると眠くなり、一晩眠って、朝になると目が覚めるという、一定の生活リズムがあるはず。そのサーカディアンリズムと呼ばれる体の1日のリズムに関わっているのがメラトニンとセロトニンというホルモンです。
「眠りのホルモン」といわれるメラトニンは、暗くなると多く分泌され、脈拍や血圧、体温を徐々に低下させることで、体を眠りに導きます。
逆に、セロトニンは光をあびると多く分泌され、脳が活性化されて体が活動的になります。
昼夜の明るさの違いによってメラトニンとセロトニンがバランスよく分泌されることで、体の活動と安静が切り替わっているといるのです。
メラトニンが不足すると肌が脂っぽくなる
メラトニンが持つ睡眠以外のもう一つの重要なはたらきが、生殖にかかわる性腺抑制作用です。
メラトニンには、生殖腺を調節する性腺刺激ホルモンを抑えるはたらきがあるため、性的に未成熟な子供はメラトニンの分泌が一番多く、成長するにつれて分泌が減ると、生殖機能が成熟していきます。
性腺刺激ホルモンの分泌が抑えられると、男性ホルモンの生成と分泌が抑えられます。
反対に、メラトニンが不足すると、男性ホルモンの生成と分泌が活発になり、肌が荒れる、肌が脂っぽくなるなどの症状があらわれることから、メラトニンと皮脂の分泌には大きな関係があることがわかります。
メラトニンをふやしてニキビの根本的な原因である皮脂の分泌を抑えることで、ニキビができにくい肌になれるのです。
そのほかに、メラトニンには、ビタミンEの2倍の抗酸化作用があるため、ニキビの原因とされる活性酸素の抑制に効果的です。
どうすればメラトニンをふやすことができるの?
脳の松果腺から分泌されるメラトニンは、松果体でアミノ酸の一種トリプトファンによって生成されるセロトニンから作られます。そのため、セロトニンをふやすことによって、メラトニンの分泌もふえるのです。
そして、明るさの違いによって分泌されるメラトニンとセロトニンをふやすポイントは、ズバリ光です。
セロトニンは、目の網膜が受ける光の量によって分泌される量が決まることから、できるだけ日中に活動することが重要です。
また、メラトニンには、網膜が光を受けてから15時間ほどで分泌がはじまり、その後1~2時間で眠気が現れるという性質があるため、眠りにつく17時間前後に起きて太陽の光をあびることで、効果的にメラトニンの分泌を促すことができるのです。
さらに、暗くなると分泌量がふえることから、眠りにつく1~2時間前から部屋の灯りを徐々に暗くし、眠りにつく準備をしておくことも有効です。
メラトニンとセロトニンをふやすためには、夜に眠りについて日中に活動するという生活を規則正しくおくることが大切だといえます。