冷え性が強まると関節痛も強まる?
冷え性を抱えている人の中には、関節痛も患っているという人が少なくありません。
歳を重ねるごとに進むコラーゲンの減少は皮膚を弛ませるだけでなく、関節の軟骨を摩耗させる原因になっていきます。
もちろん老化現象だけが関節痛の原因というわけではなく、20代・30代の若い世代でも関節痛に悩まされている人もいるのです。
冷え性は関節痛を悪化させる
一般的に、関節痛とは加齢によって関節部の軟骨がすり減ったため歩いたりすると軟骨が擦れて痛みを起こす疾患です。
一見すると冷え性とは関係ないように見えますが、冷え性による関節を動かしている筋肉への影響が関節痛を悪化させているのです。
冷え性は血行不良によって末梢部に血液が流れにくくなることで発生する疾患ですが、その症状は指先・足先だけでなく腕・脚にも及びます。
つまり、冷え性の影響で脚にリンパ液が溜まったり筋肉が固くなったりしてしまうと、関節の動きがさらにスムーズに進まなくなり、痛みが増してしまうのです。
冷え性はリウマチ悪化の原因に
関節痛の原因となる病気であるリウマチは、自己免疫疾患である膠原病の一種と言われています。
つまり、本来は身体の外から入り込んでくる細菌・ウィルスなどに対抗するための免疫が自分の身体を異物とみなして攻撃することによって発生する関節痛なのです。
つまり冷え性がリウマチの原因になるというわけではないのですが、冷え性を抱えるとリウマチによる痛みが悪化する性質があるのです。
冷え性によって末梢組織への血流が滞ると筋肉だけでなく血管や神経にも影響が現れてきます。
この冷え性による神経・血管への影響がリウマチを憎悪させ、さらに症状を悪化させてしまうのです。
関節痛は温めれば冷え性ごとよくなる?
関節痛を悪化させる冷え性は、手足を温めて血行を促進してあげるのが一番の対策になりますが、関節痛を患っている場合だと冷え性対策で温めるのが逆効果になってしまうことがあります。
関節痛では関節部が炎症を起こす関節炎が起こっている場合があり、関節炎を温めるのはかえって逆効果になってしまうのです。
関節炎などの炎症は、冷やして炎症による熱を取るのが正しい治療法です。患部を暖めるのは炎症による熱と痛みが治まってからの話になります。
関節痛と冷え性の併発を防ぐには?
このように、関節痛と冷え性を併発することは非常に辛い事と言えます。普通の関節痛でさえ辛いのに、さらに痛みが増すとなったらどうしようもありません。
このような事態を防ぐためには、冷え性と合わせて関節痛の予防を行うことが大事です。
関節痛の予防には、軟骨の再生に欠かせないコンドロイチンやグルコサミンを摂取することが大事です。コンドロイチンはオクラやナメコなどのぬめぬめした食べ物、鰻などに多く含まれています。
グルコサミンはアミノ酸の一種で、鰻や山芋などにも含まれていますが、体内でもたんぱく質から合成されます。
しかし、老化現象によって関節部の軟骨がすり減ってくるのは不可避なので関節痛を感じるようになってきたら医師の診断を受け、適切な治療を行うことが大事です。