便秘が続くと口臭が酷くなる理由
健康な様子を表現する「快食・快眠・快便」という言葉があるように、毎日の便通があるということは健康のバロメーターであるといえます。排便とは、栄養を取り尽くした食事の残りカスや新陳代謝で剥がれた大腸の組織、身体に溜まった毒素を排出して身体の調子を保つために欠かせない習慣なのです。
しかし、必ずしも全ての人が快便であるわけではなく、三日以上便通の無いまたは便通があっても残便感が続く便秘に悩まされているのです。
そして、便秘の影響は健康だけでなく、口臭にも及んでしまうのです。
便秘のもたらす健康への悪影響
排便が出来ない日が続く便秘は、軽く見られがちですが実は命さえ脅かす危険性を持っています。
大便の60%近くは水分で、残りは食べカスや大腸の細胞、腸内環境に生息している様々な細菌などで構成されています。大腸は水分を吸収する器官なので、便秘が続けば続くほど便から水分が抜けてしまい排泄が困難になっていきます。
排泄されず大腸にとどまった便は、悪玉菌が活動するのに最適な格好の環境となります。悪玉菌が活発に働くと、発がん性物質や有害物質が分泌されます。これらの有害物質の影響で肌荒れや腹痛、ガスによるお腹の膨満などの症状が現れてくるのです。
そして、便秘が続き排便が見られない日が数週間に達すると、滞留便はコンクリートのようにカチカチになり腸閉塞(イレウス)を引き起こしてしまいます。腸閉塞は悪化すると敗血症やショック症状を引き起こし、命を落としてしまうことさえある、恐ろしい病気なのです。
便秘は口臭の原因になる
便秘が続くということは、便だけでなくガスも出ないということでもあります。食事の際に食べ物と一緒にとりこんだ空気や、腸内で発生するガスはゲップやおならという形で排出されます。しかし、便秘が続くとおならとしての排出が出来ないため、腸内で発生したガスもゲップと同じように口から排出することになります。
腸内で発生するガスには、硫化水素や二酸化硫黄、アンモニア、インドール・スカトールなどの便やおならの臭いを形成する成分が含まれているため、便秘が続くと口臭に便臭が混じってしまうことになるのです。
便秘解消には早めの対策が肝心
このように、便秘が長続きすることは口臭の悪化だけでなく、命にもかかわってくることになります。出来るだけ早急に便秘を解消することが口臭の改善と健康・美容の維持に大きな役割を果たすのです。
便秘を起こす原因には、「便を押し出す腸の蠕動(ぜんどう)運動が鈍くなっている」「便に含まれる水分が少なくてスムーズに排泄できなくなっている」「S字結腸が長い」などがあります。
腸の蠕動運動や便の水分は下剤を使うことでカバーできますが、下剤の使い過ぎは薬に対する抵抗力を強めてしまい、効き目が薄くなってくるというデメリットがあります。
日頃から便秘を予防するためには、野菜やこんにゃくなどの食物繊維の多い食べ物を摂る、水分補給をこまめに行うなどの対策が重要です。