【第5回】20年間の棚卸。能力の質×数で自分の能力を査定する|トピックスファロー

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2015年9月9日
【第5回】20年間の棚卸。能力の質×数で自分の能力を査定する

単価を上げることは自分の質を上げること。質の高い人があなたと同じ時間仕事をしたら、勝てる要素はない。そう思うなら、今すぐ、自分の能力を査定して、たな卸をスタートしよう。

経営コンサルタント
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達成されない絵にかいた餅

私は経営コンサルトという肩書きで仕事をさせていただいている。
お客さまと初めてのミーティングには、前回でお話したような定性要因について、ヒアリングし、その企業の「強み」「弱み」な商品や組織について、企業の場合には競合についても情報を集め整理していく。

書き出して、一覧にしていくと、思いこみや先入観を取り払い、これから、企業が目標に歩んでいく道筋を検討することができる。
個人に照らしても、同じことが言える。
企業の目標や戦略は、個人にとってのキャリアプランと言えるだろう。

しかし、企業で言えば最終的には、利益をあげていくことが目標であり、分析で終始してはいけない。
利益を上げる方法は無限にあるが、多くの企業が最終的には売上の絶対額をあげることが必要になる。
売上とは?と定義するならば、単価×数量である。
いくらのものを何個売ったか?というシンプルな方程式にどんな企業もあてはまる。

売上をあげようと思ったとき、自社の売上を単価と個数で因数分解し、単価を上げる方法はないか?個数を上げる方法はないか?とそれぞれの最大値とそのための手法を模索することが最初にとても重要だ。
5年後に売上をこれくらいにするぞ!といくら熱弁をふるったところで、達成されない絵にかいた餅になってしまう。

個人の能力は=企業の売上

個人で言ったら、企業の売上が自分のこれからもらう給与になる。
私はこれを常に意識している。

給与は、現時点での自分の会社への貢献度であるから(そうでない会社もある!という反論はレベルが低いのでやめよう、もう一度、この棚卸を最初から行うことをおすすめする)、給与=自分の能力ということになる。
そして、能力=質(単価)×数(時間)と考えると面白い。
質の低い仕事をする人ほど、遅くまで残業をし、数(時間)で稼いでいないだろうか。
そんな光景は実社会でよく見る。
これは、単純に残業代で給与をアップしているという話ではなく、価値(企業から見た評価)の話である。

人よりも成果を出している、上司から頑張っていると言われている人は能力が高いとは限らない。
誰よりも遅くまで残業している。多くの新規に飛び込み営業している。そんな数を評価されている人も非常に多いのだ。
このような人も評価されるべきだし、今まではよかった。
これからはどうか?そして「数」で価値を高める人間になりたいか?この意識を強く持つべきだ。

自分の20年を振り返ってどうだろうか?
同じ受験勉強でも要領悪く人よりも多くの時間をかけて同じ数の単語を覚えてこなかっただろうか?
人よりも遅くまでクラブ活動を頑張っていたのに、成果はまったくでなかったという経験はないだろうか?
学生時代は、「コツコツ頑張る子」「努力家」という高い評価も実社会にでたら、どのように評価されるか?
そのようなワークスタイルになるか考えたほうがいい。

実社会では、みな努力しているのである、努力しない人なんて論外だ。
その中で要領のいい人悪い人、ミスが多い処理、時間がかかる作業を何の疑いもなく、続けている人と常に「もっと効率よく」「もっとスピード」と意識して手法を日々改善する人は30代で大きな差になる。
そして、30歳になって、このスタイルを変更しようというのは、不可能に近い。
20歳で自分の能力をたな卸し、学生生活あと2年でいろんな場面で手法を試行錯誤し、実社会にでて、その癖を30歳までに習慣としてほしい。
能力(給与)10=質5×数2くらいをスタンダードにしよう。

ちなみに私の基準は、会社に貢献する実売上3000万円/年、その4割を給与としてもらうので(これは業界によって違う)、年収1,200万円、月で100万(単純に月割)。
100万の能力をどのように因数分解するか?
月の仕事の時間8×20=160時間。100万を160時間で割ると6250円となる。
簡単にこれが私の時給となる。
しかし、働いている時間すべて、お客様にあってコンサルティングをしているわけではなく、準備やリサーチも含めると、1回お客さまのところに行く2~3時間コンサルティングをするとすれば、それは報酬10万円はきってはいけないという、ざっくりとだがイメージを持っている。
月に2回ミーティングが必要なら、20万という単純計算。

アシスタントの分を考えることももちろんだが、自分の単価をあげていくときには、お客様に訴求する価値を高め、準備などのデスクワークの効率とスピードを意識しなければならない。
単語10個覚えるのに、ノートに一生懸命殴り書き…みたいなコツコツスタイルは、単価が上がっていかないのである。
単価を上げることは自分の質を上げること。
質の高い人があなたと同じ時間仕事をしたら、勝てる要素はない。
そう思うなら、今すぐ、自分の能力を査定して、たな卸をスタートしよう。

旅費を上手に抑えるには

海外旅行に行く際、頭を悩ます要因の一つとなるのが「旅費」です。特に最近は、燃料サーチャージの高騰により、航空券の料金が跳ね上がっています。

空港

私事ですが、先日、家族と旅行に行くために旅行会社を通じて航空券とホテルの手配をしました。行き先はアメリカ方面だったのですが、ホテル代と航空券本体の代金を合わせた金額の4割に相当する金額が燃料サーチャージとして持っていかれていました。

そのことが書かれた明細書を見て、思わず泡を吹いて倒れそうになりました。そんなことはどうでもいいですね、すみません。

このように航空券代の高騰化を受け、今注目されているのが「LCC」と呼ばれる格安航空会社です。
「そんな言葉、聞いたことがない」という人はさすがに少ないとは思います。では、LCCのあれこれについて、お話させていただきます。

そもそも、LCCって何?

LCCという言葉は聞いたことがある、と言う人は多いかと思いますが、それが何なのかを的確に説明できる、と言う人は少ないと思います。「安いってことはわかるのだけど~」ともじもじしてしまうのが普通でしょう。

LCCとは「Low Cost Career」(ローコストキャリア)の略で、日本語に直すと「格安航空会社」です。文字通り、従来の航空会社に比べて、格安の値段で輸送を行っている航空会社のことを総称してこう呼びます。

アメリカやヨーロッパなどでは、国土が広いため、国内間の移動に飛行機を使う機会が日本に比べ格段に多く、早くからLCCは発達してきました。それについて話すと長くなってしまうので、日本においてはどうだったのか、ということについて話を進めましょう。

飛行機

日本においては、2007年にオーストラリアの航空会社・カンタス航空の子会社であるジェットスター航空がLCCとしては初めて定期便の乗り入れを始めました。その後、日本国内でも全日空の出資でピーチ・アビエーションやバニラエアなどのLCCが設立され、またさまざまな国のLCCが乗り入れるなど、LCCが本格的に認知される時代が到来しました。

LCCってどうして安いの?

たいていの人が抱くイメージとして「LCC=運賃が安い」というものがあると思います。私も、街頭で「LCCについてどう思いますか?」と聞かれたら即座に「安い?」と答えてしまうでしょう。

では、LCCの運賃はなぜ安いのでしょうか?それには、以下のような理由があげられます。

使用する機体をすべて統一している

普通の航空会社(専門用語では「レガシーキャリア」というらしいです。以下において、この表現を使いたいと思います)では、就航する路線に応じて、さまざまな機体を使っています。

これに対し、LCCは基本的にすべての路線で同じ種類の機体を使っています。このことにより、「整備にかかるコストを抑えられる」「パイロットのライセンスの管理にコストがかからない」(※)という効果があります。
※パイロットのライセンスは、航空機の種類ごとに発行されます。たとえば「ボーイング737」を操縦するには、そのためのライセンスを持っていなくてはいけません。

座席数を多くしている

LCCに乗ったことがある人ならわかると思うのですが、基本的に座席の配列を一言で表すと「みっちみち」です。つまり、前の座席との間隔が狭く、大柄の人だったらひざが前の座席についてしまうのではないかというくらい狭くなっています。
これは、1回の飛行で運べる乗客を少しでも増やすためです。

機内設備にお金をかけない

レガシーキャリアの飛行機では、座席にモニターがついていたり、ヘッドフォンの接続口があったり、座席にある程度お金がかけられています。しかし、LCCではモニターやヘッドフォンの接続口といったものが一切ありません。このことで、メンテナンス代を削減できるという効果があります。

基本的に無料サービスをしない

レガシーキャリアでは、飛行時間にもよりますが機内食が出ます。しかし、LCCでは機内食は基本的に出ません。

「お腹すいた・・・」と思ったときは、有料の機内販売を利用することになります。しかし、種類も少ない上に安くないので、LCCに乗るときは基本的にしっかりご飯を食べて、おやつと飲み物は買っておきましょう。

以上のような「徹底したコスト削減」のための方策により、LCCはコストを徹底的に抑えた運営を行うことができています。そのため、運賃を安くすすることができた、という結論になります。

機内食

LCCのメリットとデメリットについて

では、LCCのメリットとデメリットにはいったいどんなものがあるのでしょうか?解説しましょう。

LCCのメリット

運賃が安い
LCCを選ぶ人のほとんどがこの「運賃が安い」という理由で選んでいると思います。特に、「リピーター」と呼ばれる、「1つの国に何度も行っている人」ほど、LCCを選ぶ傾向にあるようです。慣れていれば、運賃が安いほうがいい、というのは一理あるかもしれません。

機材が新しい
LCCは新しく設立された会社が多いので、基本的に新しい機体が多いです。機体は新しければ新しいほど安全性が高いので、機体が原因のトラブルに巻き込まれたくない、という人にはおすすめかもしれません。

片道切符でも安い
レガシーキャリアの航空券は、往復切符と片道切符の料金があまり変わらない、という場合もあります。これに対して、LCCは基本的に片道ベースで料金を策定しているので、片道だけ使う、という場合でもとんでもなく割高にはなりません。

LCCのデメリット

何をするにもお金がかかる
コスト削減のために、あらゆるサービスを省いているのが実情です。そのため、機内で何かを食べたいと思ったら有料の機内販売に頼るか、自分で事前に買って持ち込むかしなければいけません。また、スーツケースを預けるにも、別途料金が必要になる会社もあります。サービスを望むなら、それ相応のお金がかかるのです。

座席が狭い
輸送効率を上げるため、安全が確保される限界地まで客席を作っています。そのため、前の座席との間隔が狭く、客席はかなり狭いです。小柄な体型の人ならともかく、大柄の人にはかなりつらいでしょう。

マイレージが貯まらない
レガシーキャリアではたいていマイレージが貯まりますが、LCCにはマイレージサービスは存在しません。「マイルを貯めて次の旅行に・・・」という願望があるなら、LCCではなくレガシーキャリアを選択したほうが無難でしょう。

時間に厳しい
レガシーキャリアでは、少しくらいチェックイン終了時間に遅れてしまったとしても、融通を利かせてくれます。しかし、LCCにそんな言い訳は通用しません。

私が聞いたところでは、「空港までバスで行くつもりで乗ったら渋滞に巻き込まれてチェックイン修了時刻に10分遅れてしまった。カウンターにいったら“チェックインは10分前に修了しております"とだけいわれ、にべもなかった。仕方が無いので、空港中の日本就航便がある航空会社のカウンターを回って、何とか翌日の航空券を確保した」という背筋が寒くなる話もあります。

このように、時間に遅れる人には理由が何であれ容赦ないのがLCC。普段から「自分は遅刻魔」と自覚している人は、LCCの利用は控えたほうがいいかもしれません。利用したいなら、時間通りに行動する努力をしましょう。
何かあったときの対応に不安が残る
LCCでは自社便が欠航や遅延した場合のアフターケアというものがまったくありません。欠航した場合でも、代わりの飛行機は自分で手配しなければいけないし、遅延したおかげで次の飛行機に乗り継げなかったとしても、それは自己責任で片付けられてしまいます。

レガシーキャリアなら最大限の対処をしてくれるところでしょうけど、LCCではそういうケアがないのです。海外旅行がはじめて、お年寄りや子供など体力に不安がある人がいる、などの場合は、レガシーキャリアを選んでおいたほうが無難です。

パスポート

既存会社と賢く使い分ける

以上、LCCについて知っておいたほうがいいところをまとめてみました。どうしても飛行機の話題が好きなので、真剣に語ってしまいます。

最後に、私のLCC体験についてお話しておきます。一度、個人的な用事でソウルに行くことがあり、航空券とホテルがパックになったツアーの手配をしました。

そのときは、学校が夏休みの時期だったので、大韓航空やアシアナ航空などを使うツアーは一杯で、LCCのチェジュ航空を使うツアーがあいていたので申し込みました。初めてのLCCということで、「期待半分、不安半分」といった心境で行ったのですが、思ったより悪くなかったです。

ただ、チェックインにえらく時間がかかったので、「これは2時間前どころか3時間前に来たほうがいいな」と思ったことと、座席はやはり狭いので「我慢できてソウル(2時間くらい)までだな」と思ったことを覚えています。

LCCのデメリットについてかなり詳しく書いてしまったので、「LCCは使わないほうがいい」という雰囲気になってしまいましたが、そんなことはありません。

旅行費用を安く抑えて、その分現地でぱーっと遊びたい、という人には選択肢の一つとしてありだと思います。よく考えて、賢く利用するのがよいかもしれません。

著者:野本理恵

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