不動産視点で考える。二人暮らしが嫌がられる理由
同棲や同居を条件で賃貸を契約したいのに断られた経験を持つ人は、決して少なくありません。
また契約途中に住人が増えたり、半同棲の状態となって問題となる事もあります。
借りている側は法に触れる事もなく、普通に部屋を借りたいだけなのに、なぜ不動産屋や大家は部屋を貸す事を嫌がるのでしょうか?
契約違反
賃貸は単身用やファミリー用として貸し出している事がほとんどです。
なぜ区別するのかは、それぞれの大家さんの考えなのですが、単身用の部屋に2人以上で住めば契約違反となります。
契約の段階でも問題になりますが、『契約途中で勝手に引っ越してきた』。『相手も別で部屋を持っている半同棲の状態になった』という場合に問題が大きくなりやすいでしょう。
家賃の不払い
ファミリー向けの物件は、単身用に比べて家賃が高額です。
大家さんや不動産は、『2人が別れて家賃が払えなくなる』事が一番嫌なのです。
大家さんにとって、家賃の不払いは収入が無いだけではありません。
家賃が回収できなくても、他の人に部屋を貸すことが出来ない。
立ち退いた後で原状回復費が必要になり、時間もかかる。
つまり収入が無いのではなく、マイナスになるという事です。
部屋の劣化が早い
人が住めば時間と共に部屋は傷んでいきます。
当然、1人よりも2人の方が部屋は早く痛むでしょう。
しかし、最近では「普通に生活して痛んだ部分に関しては敷金の範囲外」というケースが増えています。
敷金は返しても、予想より痛んだ賃貸は、修復しないと次の人に貸せません。
住民とのトラブルになりやすい
1人暮らしと2人暮らし。子供のいる家庭といない家庭では、生活スタイルに差が出ます。
生活スタイルの違いで問題になりやすいのが騒音。
異性・同性関係なく、2人で同居すると深夜まで騒ぐこともあるでしょう。
また「子供が原因になる騒音」は、子育てをしているかどうかで許容範囲に大きな違いが現れます。
相手は「子供が寝てるんだから静かにしてほしい」と思っているかもしれません。
逆にあなたは「子供の夜泣きを止めさせろ」と不満を覚える事でしょう。
このトラブルを仲裁するのは、もちろん大家さんや管理している不動産会社のお仕事です。
渋る大家さんを説得して賃貸契約をする方法
これまでに上げた理由から、『2人暮らしはトラブルが多そうだから賃貸しにくい』という事が分かってもらえたかと思います。
そこで契約を渋る大家さんを説得するには、『トラブルを起こさないと信用』してもらう必要があります。
方法1:結婚する
社会的にも最も確実に信用を得る方法です。
単身は難しいかもしれませんが、ファミリー向けならば問題はないでしょう。
もちろん戸籍などであっさりとばれるので嘘はいけませんよ。
方法2:婚約者として紹介する
結婚に比べれば信用度は低いかもしれませんが、「恋人と同棲します」というよりはマシ。
結婚までのお試し期間であっても、婚約者を名乗る方が契約はスムーズに運びます。
方法3:2人の連名で契約する
賃貸契約では、1人が契約者となってもう一人は同居人となるのが一般的です。
この場合、契約者だけがいなくなった場合、同居人から家賃を回収するのは難しいでしょう。
しかし、契約を連名で行っている場合、部屋に残っている人にも支払い義務が生じますし、契約を解除する場合も2人そろっての退去を求める事が出来ます。
その分だけ、大家さんにとっては安心という事です。
方法4:住む人それぞれに連帯保証人を付ける
何らかの理由で契約者から家賃が回収できない場合に、代わりに請求できる連帯保証人。
方法3と同様、住む人それぞれに連帯保証人がついていれば、回収できないという事態を避けやすくなります。
方法5:一人でも家賃の支払いができる証拠を提出する
家賃を分担する時、1人がいなくなるだけで支払いは滞ります。
しかし、1人でも支払い可能な事が証明できれば、大家や不動産は安心できるでしょう。
ベストなのは、2人共それぞれに支払い能力がある事。
最悪、貯金なども含めて『引っ越すまでの数か月は大丈夫』という事が証明できると良いでしょう。
まずは不動産屋さんと賃貸契約について話し合う事が大切
部屋を貸すかどうかを決めるのは、最終的には大家さんの判断です。
単身用であっても、同居者を最初から提示すれば契約できる可能性もあります。
収入や勤務先など、提出できる情報を多く集め、誠実に訴えることが賃貸を契約できる秘訣と言えるでしょう。