セールスに欠かせない展示会について
自身のファッションブランドを始めたら、バイヤーに向けて売り込む営業をする必要があります。これは、ファッション以外のどの業界でも同じことです。自社が扱う商品を買ってもらえるように営業することと同じです。
ファッション業界では、一般的な営業の方法として展示会があります。
デザインしたサンプルを作り、ディスプレイすることでバイヤーに吟味してもらうスタイルです。
この方法であれば、短期間でたくさんの方にサンプルを見てもらえ、効率良く発注を集めることができます。
では、展示会について知っておくべき基本をチェックしてみましょう。
ファッションでは展示会でのセールスがベース
ファッションの業界では、自身のブランドアイテムを売り込む営業としては、展示会を行うことが一般的です。ファッションブランドであれば、ブランドイメージや、世界観をしっかりと伝えることが重要です。
さらに、実際にセールスをするサンプルは、デザインやシルエット、カラーはもちろん、生地の質感から肌さわりなどもポイントになってきます。
そのため、展示会形式でバイヤーに向けて営業することが一番効率が良く、より伝えたいことをバイヤーに向けて伝えることができます。
また、バイヤー側も毎シーズンたくさんのブランドアイテムを見る必要があるので、とにかく多忙です。
そのため展示会などで実際にアイテムを見た際に、買い付けを行うかを判断することが効率良くたくさんのブランドを見て回る方法でもあります。
このようにセールスを行いたい側と、常に新しいブランドなど、取り扱いを探しているバイヤー側のどちら共が効率良く仕事ができる方法が展示会だと言えます。
合同展示会と自主展示の2種類
一言で展示会と言っても、大きく分けて2つの種類があります。一つは、合同展示会と呼ばれる、大きな会場のブースを借りて参加する方法です。
この場合、こちらから展示会の案内を行うことがなくても、たくさんの方にサンプルを見てもらえるチャンスがあります。
また、新しく立ち上げた新しいブランドから、老舗の有名ブランドまで参加するため、たくさんのバイヤーが訪れることも特徴です。
もう一つの種類が、自主的に展示会場を借りることや、事務所を利用して行う自主展示です。
この場合、案内状の製作と発送、バイヤーへの呼び込みなどを全て行う必要があります。
ただ、アポイトメント制にするなど、落ち着いてサンプルを見てもらい、しっかりとブランドを紹介することができることが特徴です。
空間全体をブランドの世界観に統一できるので、よりバイヤーへ印象付けることが可能となります。
ブランドによっては合同展示会のみや、自主的な展示会のみを行うところから、どちらも行うブランドもあります。
それぞれの長所と短所は後ほどご紹介しますが、自分のブランドにあった方法でよりたくさんの発注が来るようにセールスをすることが重要です。
ディスプレイも重要なアピールポイント
展示会がファッション業界で一般的なことは、ショップのようにディスプレイを組むことで、ブランドイメージをしっかりと伝えることができることです。また、よりショップに近い状態でディスプレイすることで、バイヤーに店頭に取り入れた状態をイメージしやすくする狙いがあります。
そのため、展示会では自身のブランドらしいディスプレイ、テーマに合った雰囲気作りにも工夫をしましょう。
簡単で、しかも低予算でもできる方法がポスターです。ルックブックなどで撮影したモデル着用の写真や、テーマに合った素材を引き伸ばしたものを用意するだけでも雰囲気作りに役立ちます。
映画がデザインのヒントであれば、デザインの元となった映画をプロジェクターで流すことも手間のかからない雰囲気作りです。
また、展示会場に飾るインテリアやデコレーションを揃えることも注目を集める方法です。
参考にすべきディスプレイは、セレクトショップなどのウィンドウなどの装飾です。
例えば、マリン系のアイテムがテーマであれば船に乗っているような浮き輪やロープなどを用意するだけでも雰囲気が高まります。
展示会のディスプレイで使用した後は、発注のあったセレクトショップへ、商品の納品と一緒に貸し出しを行うなど、展示会場以外でも活用するこも可能です。
さらに、特にメンズブランドなどで、職人技術などをアピールした本格的な商品であれば 、それぞれの工程を撮影したムービーを展示会場で公開することも効果的です。
ファッションアイテムを販売するセレクトショップにとっては、服やシューズなどのアイテム自体のストーリー性や手作業の温もりなどの接客に役立つネタを探しています。
動画やそれぞれの工程を紹介した資料を配ると、発注数に良い影響を与えることもあるので、オススメです。
自分のショップを作る感覚で
ディスプレイや雰囲気作りは、自分だけのショップを作るように仕上げてみましょう。好きなブランドやショップに足を運び、ディスプレイの技を参考にするだけで、お店に近いディスプレイが出来上がります。
必要であれば、棚や什器を購入するなど、見栄えよく仕上げることが大切です。
【連載】ファッションブランドの作り方