栄養士は国家資格であり、栄養指導を行う者のこと
栄養士とは、栄養学の専門知識やスキルを活かし栄養指導を行う者のことを指します。 勤務先は学校や福祉施設・病院が主であり、集団や個人の健康・発育状態に応じた献立メニューを考案することを業務としています。実際に料理制作する調理師たちへの指揮もまた、栄養士としての重要な役割です。
栄養士は国家資格であり、名称独占資格にも該当します。 ですから資格の所有者でなければ、栄養士を名乗り業務を行うことはできません。これは1947年に誕生・1958年より施行された栄養士法という法律によって定められているルールです。
栄養士になるためには、厚生労働大臣が指定する養成施設にて2年以上の教育を受け、都道府県知事より免許を付与される必要があります。つまり栄養士養成の専門学校や短大・大学に入学し、必要な知識やスキルを修得しなければならないということです。
教育・授業内容は施設によりますが、講義・実験・校内実習・校外実習をベースとしてカリキュラムが組まれているという点においては共通しています。在学中に与えられた課題をクリアし、必修科目の50単位修得の条件を満たすことで資格を得られるシステムとなっています。
栄養士資格必修科目の一部を紹介します。(※あくまでも一例です)
- 公衆衛生学
- 解剖生理学
- 食品学総論
- 食品学各論
- 基礎栄養学
- 栄養学概論
- 基礎・応用調理実習
- 食品衛生学実験
- 校外実習
実験、実習…気になる授業内容の詳細
もうすこし具体的に授業内容に迫ってみましょう。 調理実習では5~6人のグループに分かれ、講師が指定する料理の制作に取り掛かります。 事前の役割分担や作業スケジュールの作成、実習終了後のレポート提出、料理に使用された食材の栄養計算なども課題に含まれています。
食品衛生学実験では、調理前の手指の殺菌消毒の重要性を知ることを目的とし菌の培養を行います。 やり方はシャーレの寒天培養地に手の平を乗せて、数日かけて菌を培養し、発生したコロニーの大きさや数などを観察・カウントします。手の平が汚れている人ほど、コロニーは大きく数も多い結果となります。
最もやりがいがあり実務に直結していると言えるのが校外実習です。 小中学校や福祉施設・病院・保健所などが実習先であり、そこで栄養士としての業務を実体験します。 実習期間は5日間と短く、なかには物足りなさを感じる人も。実習終了後はレポートの提出が義務付けられています。
高収入を目指すなら、管理栄養士や調理師も取ろう
必要な単位を全て修得し、資格免許取得が叶えば栄養士として働くことを認められます。 勤務先は冒頭でも紹介した通り学校や福祉施設・病院などです。求人募集や応募条件などをよくチェックして、自分の希望や理想に沿った職場を探しましょう。
栄養士の平均年収は300~350万円、月収では20~25万円が目安となっています。 これより高収入を目指すのであれば、難易度が高いですが、栄養士のワンランク上の資格である管理栄養士を取得するのがおすすめです。また調理師の免許も併せ持っていると、就職や収入アップに有利ですからぜひ覚えておいてください。