学校英語を見直して実践英会話に役立てよう
最近は大学受験でもリスニング問題が組み込まれるようになるなど、実用性を考えた英語の授業が行われるようになってきています。 しかし、ネイティブスピーカーの英語講師と実用性の高い教材を用意できる学校はほんのわずかで、後は日本人教師が舌の使い方に重点を置いた日本式英語によるリスニングをする程度です。
確かにこれでは、本場の生きた英語に触れることも太刀打ちできる英語を話せるようになるとは到底考えられません。 では、本当に学校英語は役に立たないものなのでしょうか。 そして、英会話に役立てるにはどのような方法で勉強すればいいのでしょうか。学校英語は会話よりも読み書き重視
基本的に、中学校から学ぶことになる学校英語は、会話よりも文章の読み書きができるようになることに重点が置かれています。 実際、「ジス・イズ・ア・ペン」なんて例文の音読に力を入れていたのは中学一年の頃で、中学二年からは定型文や慣用句の使い方などに重点が置かれていった覚えがあるものです。
このように、学校英語を習う過程で私たちは単語のスペル、頻出の定型文・慣用句を使った文章、長文問題の和訳、英作文などをテストで出題されることになります。 「テストに出る問題」を重視する結果、実践的なカリキュラムを盛り込み切れなくなってしまったのです。学校英語なしで英会話は無理?
「学校で学ぶ英語は読み書き重視だから英会話には役立たない、だから学ばなくていい」という結論を出すのは早計です。 学校で学ぶ英語は、英会話の基礎となる部分である単語やSOVC構文、定型文・慣用句といった語彙や基本文法を学ぶのにとても役立ちます。
特に単語や定型文・慣用句などの語彙は実践的な英会話をする上で欠かすことが出来ないものです。 英会話で重視されているネイティブな発音やアクセントも大事ですが、基礎となる語彙力がなければ会話が長続きしないし、会話の目的である意思疎通も出来ません。 要するに学校で学ぶ範囲の英語をしっかりと身に付けておかなければ、せっかく英会話教室に通っても、すぐ英語で話せるようになるわけではないのです。英語の教科書で使われている単語だけで十分?
中学校・高校の六年間で学ぶ英単語の数は約3500~5000語と言われています。 少なく感じるかもしれませんが、内容的には非常に充実したものになっています。 具体的に言えば、この3500~5000語という語彙数は日常生活を送るのに支障が出ない程度の内容であり、専門的な単語を使う分野でない限り意思疎通には問題はありません。
基本文法は正確な意志疎通に不可欠
学校英語の代名詞ともいえるいわゆる「SOVC」などの構文や文法は、格式ばっているだけで「実際には何も役に立たないのだろう」と思っている人も少なくないでしょう。
しかし、文法に従って組み立てられていない文章と文法に従った文章とでは、わかりやすさや正確さが段違いになってきます。 すなわち、文法通りに文章が組み立てられていないと正確に意思疎通を行うことが難しくなるのです。英会話は学校英語よりも上の存在?
このように英会話と学校英語を対比する話になると、大抵の場合、「学校英語は役に立たない」という文脈を持って英会話がいかに優れているのかについて語られることになります。 実際の所、基礎である学校英語を学ばずにして英会話を身に付けようというのは無謀な話でしかないのですが、なぜか一般的には英会話を身に付ければ学校英語を身に付ける必要がないと考えられています。
勘違いしてはいけないのは、英会話は意思疎通の手段であり目的そのものではありません。 英語を正しく学ばずして会話を身に付けることは不可能なのです。