カラコンの使用法を守らないと、怖い目の病気にかかるかも!?
デカ目効果を得られる、外人気分を味わえるなどの理由から、近年大流行しているカラコン。
通販などで誰でも手軽に入手できるようになったのは嬉しいことですが、装着時間など使用法をきちんと守ることが大切です。そうでないと、下記のような怖い目の病気を発症するかもしれませんので要注意!
手抜きケア、人と共有する…こんな使い方は『結膜炎』のもと
結膜炎(けつまくえん)とは、眼球とまぶたの隔壁の役割を果たしている結膜に、炎症が起きた状態のことをいいます。大別してウイルス性結膜炎とアレルギー性結膜炎の2種類があり、前者はウイルスの感染、後者はアレルギー反応が原因で起こるものです。
結膜はもともと、ウイルスが棲みついたり繁殖したりしやすい環境を有しています。
U字型の溝のような構造になっているため汚れが溜まりやすく、常時涙で湿気を帯びているためです。
カラコンのお手入れの仕方が適当だと、カラコンに付着したウイルスやゴミが目に移ってしまいます。
そのウイルスやゴミが、目の結膜を炎症させる結膜炎を引き起こすのです。
ウイルス性の結膜炎の場合は人に感染しますから、カラコンを人と共有するような真似は絶対に止めましょう。アレルギー性の結膜炎は感染しませんが、免疫抗体がカラコン自体を異物と認識してしまい、アレルギー反応を起こしてしまう体質の人もいますから、装着時に違和感があったら即使用を中止しましょう。
長期装着による酸素・水分不足は『角膜新生血管』を招く
角膜新生血管(かくまくしんせいけっかん)とは、白目の血管が黒目の角膜まで侵出してくる病気のことであり、角膜パンヌスとも呼ばれています。病状が悪化すると黒目の瞳にまで侵出が及ぶようになり、さらに悪化すると視力にも悪影響が出てしまいます。
発症の主な原因は、ソフトコンタクトレンズやカラコンの長期装着による、酸素不足や水分不足です。
通気性の悪い低品質のものを装着することでも、酸素不足や水分不足におちいるリスクが高くなります。
黒目には血管が通っていません。そのため酸素や水分など、必要な栄養素を空気や涙といったものから得ています。しかしソフトコンタクトやカラコンを装着すると、黒目に酸素や水分が届きにくい状態になってしまいます。すると血液で栄養を補おうとする機能が働き、白目から血管が侵出してくるのです。
カラコンダメージで角膜の細胞が減ると『水疱性角膜症』に!
水疱性角膜症(すいほうせいかくまくしょう)は、角膜のもっとも外側にある角膜上皮層に、水疱が生じる病気です。発症すると、視力低下や目の痛みといった症状が表れます。
角膜の内側には、角膜内皮細胞というハチの巣状に並んでいる細胞があり、角膜に入ってくる房水を押し戻して角膜の透明性を守る役割を果たしています。
しかし角膜細胞の数が減ったりダメージを受けたりすると、房水を押し戻す力が低下してしまうため、角膜に房水が染み込んできて、角膜が濁ったり水疱ができたりしてしまいます。これが水疱性角膜症を発症するメカニズムです。
角膜内皮細胞の数が減ってしまう原因は、加齢のほかにも、コンタクトやカラコンの長期使用や眼科手術によるダメージといったものが挙げられます。角膜内皮細胞は一度減ってしまうと、二度と元に戻ることはありませんから、外的刺激でダメージを与えないよう注意することが大切です。