魅力その(1):温泉の秘密
日本最古の温泉としても有名な『有馬温泉』。
日本書紀の記述から、オオナムチノミコトとスクナヒコナノミコトにより発見された後、西暦593年、少なくとも1420年以上前から当時の最高権力者達が、この有馬温泉を利用していたことがうかがわれます。始まりは、3羽のカラスが温泉で傷をいやしている様子を見た事でした。
温泉はその成分に応じて9種類に分類されていますが、有馬ではその内7種類の温泉を楽しむことが出来ます。
1つの地域にこれだけ多くの成分を持つ温泉がまとまっているのは、世界でも非常に珍しい事です。
map ⇒ 有馬温泉
有馬を代表する「金泉」
有馬の最も特徴的な温泉と言えば『金泉』でしょう。
成分は「含鉄ナトリウム塩化物強塩高温泉」。その特徴から有馬型とも呼ばれています。
温泉に含まれる大量の鉄分が空気に触れる事で酸化し、真っ赤なお湯になるのが特徴。
また体が浮くのが感じられるほど濃い塩分は、「熱の湯」の別名が示す通り、湯冷めをしない事でも知られています。
肌に優しい「銀泉」
加水して薄める場所があるほど強い「金泉」より、もっと気軽に入れるのが「銀泉」の魅力ですね。
銀泉の成分は「ラドン泉」と「二酸化炭素泉」の2つ。
どちらも無色透明の肌に優しい温泉で、肌が弱い人でも入浴できます。
残念ながら有馬の炭酸泉には、大分県のラムネ温泉なみのシュワシュワ感を感じる事はできません。
ですが、有馬温泉駅から徒歩15分の場所にある「炭酸泉源公園」には、炭酸泉が噴き出している場所があり、飲むことが出来ます。
初めての方は、その強い刺激に驚く事は間違いありません。
魅力その(2):秀吉ゆかりの地をめぐる
有馬を語るうえで重要な人物と言えば、『太閤・豊臣秀吉』。
有馬温泉は、その長い歴史の中で、災害や戦争、大火により幾度も存亡の危機に瀕していました。
そんな廃れつつあった有馬を何度も訪れ、有馬の復興に尽力したのが太閤でした。
そういった経緯から、有馬温泉には豊臣秀吉や正室寧々にゆかりのある場所が残されています。
太閤の湯殿館
有馬で発掘された太閤秀吉の出土品を展示する、博物館が「太閤の湯殿館」
茶器や龍紋棟飾り瓦も面白いのですが、一番の見どころは、秀吉が入浴していた岩風呂を発掘した当時のままで保存・展示している『岩風呂遺構』でしょう。
map ⇒ 太閤の湯殿館
数百年の歴史をある神社仏閣
このほかにも、寧々の別邸跡といわれる「念仏寺」。
秀吉が千利休に作らせた茶釜が残る「善福寺」。
有馬の開祖「行基」が、最初の宿坊とし、後に秀吉か再建した「温泉寺」など、日本最古の湯にふさわしい歴史建造物も多く、温泉に浸かった後の散歩として飽きる事はないでしょう。
魅力その(3):有馬のグルメ
有馬は食事処も豊富で、フグや神戸牛、ハモなど美味しい物には困りません。
今回は、ここ以外ではあまり食べられない特産品を2つ紹介します。
炭酸せんべい
米ではなく、小麦粉を主原料とした焼き菓子。
有馬の炭酸泉を使用している事から炭酸せんべいの名前が付けれているが、当然シュワシュワとはしません。
砂糖による甘い味付けと、パリパリとした軽い食感がクセになる1枚。
有馬サイダー
炭酸泉からもう一つ。
実は有馬は、日本におけるサイダーの原点という事をご存知ですか?
その人気は世界に広がり、明治時代には広く海外にまで輸出していました。
その頃の味を再現したのが、有馬サイダー。
最近の微炭酸とは真逆の濃い炭酸が売りで、その濃度は通常のシャンパンの1.5倍。
喉を突き刺すような、強烈な炭酸の清涼感は、コンビニで売られているようなものとはインパクトが桁違い。
お風呂上がりの乾いた体に、心地いい一本でしょう。
ただし、確実にげっぷが出ますので、カップルにはおすすめしにくい商品となっております。
長期滞在してほしい有馬温泉
もちろん、日帰りでも十分に楽しめる事ができる有馬温泉ですが、可能であれば長期滞在をおすすめします。
温泉の本当の効能が現れるのは2日目からと言われていますし、有馬の魅力は温泉だけではないという事も知ってほしい。
また、有馬は交通の要所にもなっており、車を走らせれば、神戸、宝塚、姫路城、淡路大島や徳島にだって簡単にアクセスすることが出来ます。
とはいえ、有馬の最大の魅力は温泉にあるのは間違いありません。
まずは温泉を観光の中心にして観光地を回るのも面白いかもしれません。