アイドルホースだったハイセイコーの生まれ故郷
競馬ファン以外にも愛された国民的な馬
新冠町の中心部に「道の駅サラブレッドロード新冠」がある。
そこにある馬像が新冠生まれのハイセイコーだ。
1972年、地方競馬の大井競馬場でデビューするや6連勝を達成。翌年には中央競馬へ移籍した。その初戦の弥生賞には、中山競馬場に12万人が詰めかけた。誰もがハイセイコー目当てだった。
その他、道の駅の駐車場には、新冠にゆかりのある名馬の石碑が50基ほど設置されている。
map ⇒ 道の駅サラブレッドロード新冠
「芦毛の怪物」の記念館
競走馬として
ハイセイコーに続いて、第二次競馬ブームを巻き起こしたのがオグリキャップだ。
芦毛色の特徴のある馬体のオグリキャップ。
デビューは、ハイセイコー同様、地方競馬の笠松競馬場だった。8連勝などの記録を出して、中央競馬へ移籍した。
血統が尊重されるサラブレッドの世界で、地方出身の二流馬が中央のエリート馬を度々しのぐ姿が共感を呼んだ。
過酷なローテーションや故障により1990年は秋の天皇賞、ジャパンカップで惨敗。
「オグリは終わった」と言われてのぞんだ有馬記念の引退レース、鮮やかな差し切りで勝利し、その人気は頂点に達した。
バブル最盛期ともクロスしたオグリブームは今なお、競馬史に燦然と輝いている。
引退後
そのオグリキャップが眠るのが「優駿記念館」だ。
サラブレッド銀座にあり、オグリキャップが余生を過ごした地に建てられた。
前庭には等身大のオグリキャップ馬像や墓碑があり、お参りもできる。
記念館内部には現役時代の写真、ファンレターや感謝のメッセージ、有馬記念や重賞レースの優勝時のレイや馬服が展示されている。ファンのために、記念グッズが販売されているのが嬉しい。
map ⇒ 優駿記念館
競走馬の余生を見学できる
引退したサラブレッドが種牡馬(しゅぼば)として、余生を過ごす様子を見学できるのが「ビッグレッドファーム」だ。
種牡馬は子馬を産むために牧場で過ごす。ハイセイコーやオグリキャップも種牡馬として余生を全うした。
事前に「競走馬のふるさと案内所日高」に連絡すると、無料で見学ができる。
G1優勝馬などを見ることができる。
map ⇒ ビッグレッドファーム
これぞ北海道!の雄大な景色
わずか10台の車しか止めることができない「サラブレッド銀座駐車公園」だが、高台から眼下に広大な牧場がパノラマで望め、圧倒される。
馬産地日高を現す景観は雄大だ。牧場が新緑で光り輝く初夏が人気。
春先は、まだ雪を頂く日高山脈を背景に、牧場のところどころで咲く桜の桃色との対比が美しい。
秋の山脈の紅葉と、広がる牧場のパノラマも見ものだ。
乗馬を楽しむことも可能
見るだけでは物足りない人には「ホロシリ乗馬クラブ」がおすすめだ。
普通の乗馬クラブと異なるのは、ここで乗れる馬は元競走馬や重賞勝利馬と稀少価値が高いということ。
「乗馬は無理」という人でも、厩舎横に駐車場があるので、間近で馬と触れ合うことができる。
map ⇒ サラブレッド銀座駐車公園
馬の施設以外の楽しみも
レコードや温泉
競馬ファンにはたまらないサラブレッドの町、新冠だが、馬以外にも楽しめる施設がある。
「道の駅サラブレッドロード新冠」には、「レ・コード館」が建てられている。
全国からレコードが集められ、歴史的価値のある蓄音機や初期のレコード盤などが展示されている。
視聴もできる他、イベントでレコード・コンサートも企画される。
高台にある大きなログキャビンが新冠温泉の「レ・コードの湯」だ。
ここはなんといっても露天風呂からの夕焼けが美しい。眼下に広がる太平洋に太陽が沈むのを、眺めていると思わず時間を忘れてしまう。
レストラン、ホテルも併設され、山の幸、海の幸のグルメが味わえる。
数々の名馬が産まれる
新冠はハイセイコー、オグリキャップの他にも名馬が生まれている。
1年の故障の後に有馬記念を勝って「奇跡の復活」と呼ばれたトウカイテイオー、中央競馬史上5頭目の牝馬クラシック3冠馬のナリタブライアンなど。
最近では、ダービーを制したキズナ、ワンアンドオンリーがいる。
町中の道路沿いにある牧場では未来のダービー馬を目指す若駒が駆ける様子も見られる。
競馬ファンならずとも、思わず見入ってしまう光景があちこちで繰り広げられる。