目指せ『歯医者要らず』!正しい歯の磨き方
歯磨きの目的とは、とどのつまり「歯垢を取り除く」ことにあります。歯垢がたまっていくと歯石になって歯にこびりつき、虫歯や歯周病を引き起こす原因となってしまいます。
しかし、毎日歯を磨いていれば虫歯や歯周病と無縁でいられるというわけではありません。毎日歯磨きをしていても、やり方が雑だと虫歯や歯周病からは逃れられないのです。
どのようなやり方で歯磨きをすれば虫歯や歯周病とは無縁でいられるようになるのでしょうか?歯のプロが指導してくれた歯磨きの仕方を紹介していきます。
まずは歯ブラシを正しく選ぼう
歯磨きで大事なのは、何と言っても歯ブラシです。歯磨き粉がなくても歯ブラシがしっかりしていれば歯垢を落とすことは可能です。
市販されている歯ブラシはいろいろな種類がありますが、毛の硬さが柔らかいものを選ぶのが基本です。硬い毛の歯ブラシは、歯のエナメル質や歯肉を傷つけてしまう恐れがあります。
歯ブラシのヘッドは奥の方まで届きやすい小さ目の物を選びましょう。
使いこんで毛先が開いたり短くなった歯ブラシは清掃能力が落ちるので、出来るだけ早く新品と交換するようにしましょう。
電動歯ブラシは使うべきか?
モーターや音波の力で高速回転する電動歯ブラシは、無理に使わなくても問題はないのですが「歯垢が落とし切れない」「歯磨きをするたびに腕が疲れる」という人は使うべきだといえます。
電動歯ブラシの利点は何と言っても手動では出来ないほどの高速で歯を磨けること。上手に使えば短い時間でも歯全体の汚れを確実に取り去ることが可能です。
歯垢染色剤で歯磨き具合をチェックしよう
虫歯や歯周病の原因となる歯垢はわかりやすい色や形をしていないため、どんなに入念に磨いているつもりでも取りきれていないことがあるものです。
歯垢が取れているかどうかを確認するには、薬局などで売っている歯垢染色剤を使うのが一番です。歯垢染色剤はその名の通り歯垢に色を付ける薬のことで、学校の歯磨き指導で使った経験のある人も少なくないでしょう。
歯垢染色剤で歯垢を染めてからいつも通りの歯磨きを歯磨き粉なしで行うと、歯垢が取れた部分と歯垢が残っている部分が一目瞭然でわかります。
歯垢染色剤を使うことで、歯磨きのクオリティを高めることが可能になるのです。
歯磨き粉はなくても構わない
これは意外な話かもしれませんが、歯磨き粉は必ずしも歯磨きに必要というわけではありません。水で濡らしただけの歯ブラシでも十分に歯垢を除去することは可能なのです。
歯磨き粉は洗浄後の清涼感を出すための清涼剤、歯の表面を磨くための研磨剤、歯を強くするためのフッ素など歯に必要な成分がぎっしりと詰め込まれています。この中でも特に清涼剤が曲者です。
清涼剤の働きによって口の中に清涼感が広がると、歯磨きが充分に行き届いていなくても「しっかり歯を磨いた」という気持ちになってしまうのです。
つまり、しっかりとした歯磨きの習慣を身に付けるまでは歯磨き粉を付けずに歯磨きする方が歯の健康を維持するのに効果的なのです。
歯ブラシは力を入れすぎないように持つ
歯を磨く際は力いっぱいゴシゴシ磨け、と教えられた人も少なくないでしょうがそれは歯の健康にとっては逆効果に働いてしまいます。
歯を強く磨きすぎると、歯を保護するエナメル質が削り取られたり歯茎を傷つけたりしてしまい虫歯や歯周病を引き起こす原因になってしまうのです。
通常、歯ブラシを握るときはジャンケンでグーを握るようにして持つものですが、この握り方だと拳に力が入るので力強く歯をこすってしまいます。
理想的な歯ブラシの握り方は、ペンを持つように親指・人差し指・中指でつまむようにするペングリップです。これなら力が入りすぎず、なおかつ指先でブラシのヘッドをコントロールできるので奥歯の方まで繊細に磨くことが出来ます。
仕上げにはデンタルフロス
歯の隅々まで歯垢染色剤の色が残らないブラッシングが身についていても、虫歯や歯周病のリスクがなくなったわけではありません。歯ブラシの毛が届かない歯と歯の間には歯垢が残っているからです。
歯と歯の間までしっかりと磨くには、歯ブラシではなくデンタルフロスを使います。
デンタルフロスは、歯と歯の間を掃除するための細い糸のことで欧米では歯磨き道具として定着していますが日本ではあまりメジャーではありません。しかし、歯ブラシとデンタルフロスを併用すれば口内の歯垢は90%以上取り除けるようになるといわれており、完璧な歯磨きを実現する上で欠かすことの出来ないものなのです。
デンタルフロスは両手で持って歯と歯の間を扱くようにして使うのですが、最初のうちは歯医者さんから指導を受けるようにした方が良いでしょう。
理想的な一日の歯磨き回数と時間は?
一般に歯磨きは「食後三分以内・三分間・三回」の3・3・3が良いといわれていますが、食後すぐの歯磨きは口内が酸性になっていてエナメル質を傷つけやすい時間です。
理想を言えば、歯磨きの時間は最低15分間、回数は夜寝る前と朝起きてすぐの二回以上です。
寝ている間は口内細菌の働きが活発になり、歯垢がたくさん作られてしまいます。だからこそ寝る前と起きた後にしっかり歯磨きすることが、虫歯・歯周病の予防に大切なのです。