管理栄養士は、罹患者に対して栄養指導を実施する
管理栄養士とは、分かりやすくいうと栄養学の専門家である栄養士のワンランク上の資格です。 栄養士と同じく栄養士法に規定されている名称独占資格であり、資格を持っていなければ管理栄養士を名乗り業務に従事することはできません。
業務内容は、基本的には栄養士と変わりありません。 集団や個人に対して栄養指導を行うのが管理栄養士の仕事であり使命です。ただし罹患者の病状や健康状態を考慮した上で、彼らに栄養指導を行うという点においては、栄養士のそれと異なっています。
また資格免許を付与する者も、栄養士と管理栄養士では違います。 栄養士は都道府県知事が、管理栄養士は厚生労働大臣が付与する決まりとなっています。
栄養士の資格プラス国家試験の合格が必須です
管理栄養士の資格を取得するためには、管理栄養士国家試験の受験・合格が必須です。 そして試験を受けるためには、栄養士の資格を取得していることが大前提となります。
さらに2年制の養成施設にて資格を取得していた場合は、その後3年間、栄養士の業務に従事しなくてはいけません。3年制の養成施設であれば、卒業後2年間は業務に従事する必要があります。(養成施設の在学年数と、実務経験の年数を合わせて5年が条件)
短期制の養成施設で栄養士の資格を取得された方は、このルールをよく覚えておきましょう。
※管理栄養士養成施設(4年制の大学・専門学校)で栄養士の資格取得した場合、実務経験は不要。
管理栄養士国家試験の試験科目は9科目
管理栄養士国家試験は、栄養士法の第5条の2の規定に基づき実施される試験です。 厚生労働省の健康局がこの試験の監修機関となっており、年に1度のペースで行われています。
次回は来年2013年の3月17日に実施が予定されており、試験科目は以下の9つです。
- 社会・環境と健康
- 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
- 食べ物と健康
- 基礎栄養学
- 応用栄養学
- カ栄養教育論
- 臨床栄養学
- 公衆栄養学
- 給食経営管理論
試験を受けるには手数料がかかります(6,800円分の収入印紙です)。そのほか勤務地や申し込み方法など、必要事項に関しては厚生労働省のホームページでよく確認してください。
合格率は49.3%、狭き門ではありません
管理栄養士は、栄養士より高度かつ幅広い知識やスキルが要求されます。 ですから試験に合格するためには、根気よく学習を持続していかなくてはなりません。受験希望者のなかには、日々の多忙な栄養士業務をこなしつつ、試験勉強に勤しんでいるという方もいます。
忙しい合間を縫っての学習は大変ですが、合格率は決して低くありません。 数値は年度によってばらつきがありますが、今年2012年の試験合格率は、49.3%と報告されています。
つまり受験者の約半分が受かっていることになります。鋭意努力が必要ではありますが、管理栄養士は決して狭き門ではないのです。
勤務先は、福祉施設・学校・保健センター・病院など
試験に合格し資格取得が叶えば、管理栄養士として働くことが認められます。 勤務先は福祉施設や学校、保険センターなどが挙げられますが、最も代表的なのは病院です。
「患者さんの健康維持・増進に貢献し感謝の声をかけられることに、やりがいや喜びを感じる」。 実際に病院に勤務している管理栄養士たちの多くが、このような感想を持っています。
どんな勤務先を理想とするかは人それぞれ。 就職活動の際は求人内容をよく確認した上で応募し、自分の目的や希望に合った職場を見つけてください。