転職のためにやっておくこと・やるべきこと
何事を始めるにしても終わるにしても、下準備が必要になってくるものです。下準備がしっかりできていないと画竜点睛、竜頭蛇尾、鶏口牛後の誹りを受けてしまっても仕方のないくらい大きな失敗を引き起こしてしまう恐れだってあるのです。
転職先が決まり、転職先への入社日を指折り数えて待つ間に現職場で何をしなければならないのか、転職先のために何を準備するべきなのでしょうか。
退職願の提出
まず準備しておかなければならないのは現在の勤め先に提出する退職願です。最低でも転職先への入社日の1か月前には出せるようにスケジュールを組んでおきたいものです。そのためには現在の勤め先の就業規則に目を通し「退職願を提出してから何日後に退職できるか」を調べておく必要があります。
退職願には退職理由を記載しておかなければなりませんが、この場合は「転職先が決まっているため」と正直に記載しておくべきでしょう。
オブラートに包んでしまうと引き止めにあって退職するのが難しくなってしまうことさえあります。
抱えている仕事の引き継ぎ
今現在あなたが抱えている仕事は、あなたが退職するのと同時に担当者が居なくなってしまいます。
担当者不在で仕事が宙に浮いてしまうと多方面に迷惑をかけてしまうことになるだけでなく、社会的信用の損失や前勤め先に損害を与えたことへの賠償など、多くのリスクを背負うことになってしまいます。
そうならないためにも、しっかりと仕事は同僚に引継ぎしておかなければなりません。
仕事の引き継ぎは退職願の受理と同時に始めることになります。上司に相談して誰を後任に充てるかを考え、引継ぎのための資料の作成を勧めます。
また、仕事上での取引先へも挨拶に伺って退職する旨と後任者の紹介を行っておくことも忘れないようにしましょう。
充分な貯蓄の準備
転職先が見つかっても入社予定日が退職予定日の数か月先であったり、転職前に勤めている会社が倒産してしまったりというように、順風満帆に物事が運ぶという保証がないのが世の常です。
また、転職先が現在の住居から通勤するのに不都合な距離であった場合転居も考えなければならないでしょう。
このように、転職によって生活が変化する可能性や不測の事態に備えて何か月かは働かなくても問題ないように貯蓄をしておくことが大事です。
また、転職先が決まっていても前勤め先から退職している場合は「失業状態」とみなされるので、ハローワークに行って雇用保険の受給を行っておくとよいでしょう。
転居先の選定
転職で出勤先が変わると、現在の住居では通勤に不便になってしまったり給与減で家賃が生活費を圧迫してしまったりというような多くの不都合が発生してしまうこともしばしばです。
仕事内容によっては、自家用車の所有が雇用条件になっていることもあり駐車スペースを確保できる地域への移転も考えなければなりません。
転職先が決まったら、転職先への通勤に便利な物件や家賃の安い物件、駐車場付きの物件などを引っ越し先としてピックアップし実地見学できるようスケジュールを空けておくように心がけたいものです。
健康保険の切り替え手続き
会社勤めをしている人は会社ごとの健康保険に必ず加入することになるのですが、会社を離れた時点で健康保険が失効してしまいます。そのため、退職後は必ず国民健康保険への切り替えを行わなければなりません。
国民健康保険への切り替えは、健康保険証の返却の際に貰う「資格喪失証明書」や離職票などが必要になります。
退職日と入社予定日が近いから切り替えなくても問題ない、と考えている人もいるかもしれませんが不測の事態でけがや病気をしないとは限らないので出来れば国民健康保険を準備しておくようにしなければなりません。
必要書類の受取り
転職に伴う退職でも、通常の退職と同じように必要書類を勤め先から受け取っておかなければなりません。
退職したことを示す「離職票」、雇用保険を継続するために欠かせない「雇用保険被保険者証」、給与からの天引き額を示す「源泉徴収票」、厚生年金への加入を示す「年金手帳」の四点は忘れずに受け取らなければなりません。
離職票は退職から10日以内に交付しなければいけない決まりになっているので、退職後10日を過ぎても受け取っていない場合は前勤め先に催促しましょう。