便秘とはなんでしょう?
実はそれぞれ個人によって違うのです。はっきりとした便秘の定義は、実は存在しません。
一般には3日以上排便がなく、身体に何らかの苦痛があれば便秘と診断しています。
しかし、5日間以上排便なしでも、スルスルとスムーズに出るようであれば、便秘ではないのです。
便秘の判断は、「毎日排便できているか」ではなく「快適に排便できるか」が診られます。
また便秘には4つの種類があるのをご存知でしょうか?
今回は、種類ごとの便秘の実態と、解消効果の高い食べ物をご紹介したいと思います。
腸の内部に異物ができていることによる便秘
腸の内部に異物ができる、例えで言うと「大腸がん」や「ポリープ」などで、発症部分が腸の内部を狭めるため、大便が通りにくくなります。肛門に近いほど、便秘になりやすいようです。
弛緩性の便秘
大腸は、ぜん動運動をおこない大便を肛門に向かって押し出します。快適な排便にはこの運動が不可欠なのですが、腸が弛緩すると排便が困難となり、弛緩性の便秘となります。この弛緩性の便秘は、特に糖尿病や高齢者の人に多いようです。末梢神経が障害されているので腸が弛緩してしまうことが理由です。
痙攣性の便秘
痙攣性の便秘は、うさぎの糞のような大便がでるのが特徴。過敏性腸症候群の便秘が、このタイプで、腸の過剰運動により、痙攣のようになることから、大便があちこちで停滞して起こる便秘です。
習慣性の便秘
若い女性に多い、一般的な便秘に習慣性の便秘があります。腸そのものに異常はないのですが、我慢ばかりしていることで便意の感覚が鈍くなっていきます。その結果、本格的な便秘体質になるようです。
危険な便秘の判断方法
便秘にはときに危険な病気が潜んでいる場合もあります。
危険な便秘の症状をご紹介しますので、当てはまる場合はすぐに診察を受けることをおすすめします。
激しい腹痛をともなう便秘
腸閉塞の可能性があります。完全閉塞ともなると、転げまわるくらいの痛みが発生します。
出血をともなう便秘
大便に頻繁に出血をともなう場合、大腸がんやポリープの可能性が高いです。
日々便秘が悪化していく
最初は1日おきに排便していたのに、2日おき、3日おきと、排便期間が伸びている場合、大腸がんの疑いがあります。さらに大便が細くなってきたら、いよいよ危険な兆候です。
便秘に効く食物繊維
便秘と言えば「食物繊維」。この食物繊維には「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」があります。
・不溶性食物繊維は、水に溶けにくく、腸の動きを活発にして排便へとうながしてくれます。
この二種類の食物繊維を、タイプ別の便秘によって使い分けることで、効果がより高く発揮されるでしょう。
弛緩性便秘に効く食べ物は?
高齢者や女性、糖尿病に多い弛緩性便秘。
この便秘には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方を摂取することをおすすめします。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維を同時に含む食べ物は、
・寒天
・青のり
・オクラ
・切干大根
特に、寒天や青のりには、野菜の数十倍もの食物繊維が含まれています。
痙攣性便秘に効く食べ物は?
痙攣性便秘は要注意!
腸を活動させる不溶性食物繊維ゴボウ・ブロッコリー・さつまいも・キクラゲ・オカラ・きな粉・ひじき・ゴマを摂取すると、さらに便秘が悪化します。
痙攣性の便秘には、水溶性食物繊維を多く含む海藻類やなめこ・納豆など、適度に摂取することをおすすめします。
習慣性便秘に効く食べ物は?
一般的な習慣性便秘には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維、あと規則正しい生活習慣を送ることがおすすめです。
また、腸の神経に効果がある、豚肉・うなぎ・大豆・たらこ・えのき茸・干しぶどうといった「ビタミンB1」
モロヘイヤ・卵黄・クリームチーズ・アーモンド・ピーナツバター・唐辛子・かぼちゃといった「ビタミンE」
も習慣性便秘の解消に役立ちます。
さらにウォーキングなど軽い運動をできるだけ行ない、早寝・早起きを心掛けるようにしましょう。
快便に効果の高い生活習慣とは?
まず、規則正しい食生活。1日3度、朝・昼・晩、バランスの良い食事を心掛けるようにしましょう。 便意を我慢しない。
よく外出先で排便することを嫌がる人がいますが、この我慢が便秘への第一歩。
便意を感じたら、なるべくはやくトイレに行くように心掛けましょう。 食事を減らすダイエットはしない。
食事を減らすことで、必要な栄養分も摂取できなくなります。そうなると、便秘どころか身体全体に悪影響を及ぼします。
痩せたいなら、きちんと食べて運動するようにしましょう。健康的な美しさが手に入ります。 肉やジャンクフードばかり食べてはいけない。
食物繊維が少ない肉や、添加物の多いジャンクフードばかり食べてると健康を損ねます。
野菜中心の食事がおすすめです。
まとめ
いかがでしたか?
細かい便秘のタイプを知ることで、正しい対処法を取ることができます。
たかが便秘と侮らず、快適な排便で気持ち良い生活を送りたいですね。